一歩
お待たせして申し訳ありません。
ー翌日
俺はネレイドと共に、団長室へ向かっていた。
自分が以前の「ヤヒロ=モリユギ」ではない事を話すためである。
命の危険がある傭兵団で、1年間厄介になるのだ。身体のスペックはよくても、前の俺ではないのだ。
戦闘経験なんて無いし、この4年間の記憶は脳にあっても、思い出すことなんてほぼ出来ない。
どうやら、心が入れ替わるのと同時に記憶もほとんど「上書き」されてしまうようだ。
以前の俺は副隊長でも「今の俺」は一般人であり、村人A、その辺のモブなのである。
そんな奴が命を預かる立場で前線指揮のサポートなんてできるはずがない。
なにより俺自身の命が危ないからな。
だから俺は団長のジェリドにも、全てを話し今の「副隊長」という立場を外してもらうつもりだ。
酒の席ということもあったが、ネレイドは意外とあっさり受け入れてくれた。だが団長はどうだろう。
意外とあっさり信じてくれそうな感はあるが・・・吉と出るか凶と出るかはわからないが、知ってもらった方がいい、『今の俺』を誘ってくれたのはあの人なのだから。
それに言った方が俺自身少し楽にはなるだろう。
ネレイドに俺の中身が入れ替わってどう思った?と聞くと
『まだ『今のあなた』と出会って3日しか経ってないけど、少しだけ違和感あるわね。気にならない程度だし、病み上がりだからって思ってたところもあるけど。』
「たとえば?」
『あえて言うなら、言葉使いと態度。前のあなたは、あたしに砕けた態度は一切取らなかったわ。ずっと緊張してるって感じ。そうね・・・・今のあなたは緩いわね、いい意味で馴れ馴れしいって感じ。』
「そうか」
前のヤヒロ君は常に気を這っていたのか、苦労性なんだろうな。
なんてそんなことを思っているうちに、団長室へ着いた。
―――コンコンコン
『どうぞ』
「ヤヒロです。お話があるのですがよろしいでしょうか!ネレイドも同席でお願い致します!」
俺は軽く緊張しながら入室を求めた。
『いいよー』
俺が団長室へ入ると、団長は椅子へ深く座りつつ、筆を走らせていた羊皮紙から目を離し、俺とネレイドに顔を上げた。
「忙しいとこすいません、どうしても重要な話がありまして・・・・お時間よろしいでしょうか。」
『・・・わかった、そこ座ってて。』
俺達は指示された木の椅子に腰を掛け、団長の雑務が終わるのを待つ。
『お待たせ。・・・お話、どうぞ。』
そう言うと俺に対面する木の椅子に座り、話をするよう促した。
それに応える様、俺はすべてを話す。
色々おかしなところを修正させていただきました。申し訳ありません。




