表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒の部屋  作者: なつきまる。
黒の部屋
27/93

23

 二○一号室は封印された。とはいっても、ただ鍵をかけられただけだが。


 その隣、二○二号室にはりっくん、二○三号室が優太、二○四号室が美香、二○五号室が謎のおばちゃんXの計五部屋だ。ちなみに一階には、誰も住んでいないので、晶が一○一号室を占拠したらしい。一階も含めたら計十部屋になる。美香の引っ越し代金を肩代わり出来るわけでもないので、近場で安い部屋といえば、もうこの部屋しか残っていなかったのだ。


 毎日毎日、三人が集まるわけでもない。かといって集まらないわけでもない上に、りっくんが混じってきたりもする。話題は決まって、晶の父の行方についてだ。


 やはり最終的には話題が途切れた。


 りっくんが、何か話題は無いものかと色々触り始めた。その一つが、あのビデオカメラ。一ヶ月前の映像が、そこにはあった。二人はもう見る事もないだろうと思っていた。しかしカメラはわりと貴重品なので壊せずにいたのだ。初めてこれを見たりっくんが何かを言い出した。



「これ……」



 ン? と異口同音に優太ら三人はカメラを再度見やる。



「言葉が変だよな」


「うん、そうだね」



 と美香が相槌を打つ。


 何を当たり前の事を、とスルーしようとした時、ハッと気付く。当たり前じゃないから、変なのだ。そうだ、最初は自分だって、変だと感じたではないか。実はこの時、美香にも初めて見せてしまった。いつの間にか、優太も晶も油断していたのだろう。ただ、今になって思う。美香にも見せてよかったのかもしれない。



「ちょっと待ってろ」



 そう言って、彼はスマホを取り出した。


 何回も何回も、不気味な声を聞くハメになった。



「え、ぢ、あ、に、し、に、ろ、ち、ほ、う、こ、ぶ」



 一言一言、丁寧に一緒に口に出してりっくんはスマホに打ち込んでいく。



「……なるほどな」


「何が、『なるほど』なのですか」



 一人で勝手に納得しているりっくんに対し、晶は尋ねた。



「逆再生だよ、逆再生。e di a ni si ni ro ti how u ko b って言ってるんだ。これをアルファベットで逆に並び替えてみると、こうなる。bo ku wo hi to ri ni si na i de」



 三人は、ハッと顔を上げた。



「「「僕を、一人にしないで……?」」」



 戦慄が押し寄せてきた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ