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二○一号室は封印された。とはいっても、ただ鍵をかけられただけだが。
その隣、二○二号室にはりっくん、二○三号室が優太、二○四号室が美香、二○五号室が謎のおばちゃんXの計五部屋だ。ちなみに一階には、誰も住んでいないので、晶が一○一号室を占拠したらしい。一階も含めたら計十部屋になる。美香の引っ越し代金を肩代わり出来るわけでもないので、近場で安い部屋といえば、もうこの部屋しか残っていなかったのだ。
毎日毎日、三人が集まるわけでもない。かといって集まらないわけでもない上に、りっくんが混じってきたりもする。話題は決まって、晶の父の行方についてだ。
やはり最終的には話題が途切れた。
りっくんが、何か話題は無いものかと色々触り始めた。その一つが、あのビデオカメラ。一ヶ月前の映像が、そこにはあった。二人はもう見る事もないだろうと思っていた。しかしカメラはわりと貴重品なので壊せずにいたのだ。初めてこれを見たりっくんが何かを言い出した。
「これ……」
ン? と異口同音に優太ら三人はカメラを再度見やる。
「言葉が変だよな」
「うん、そうだね」
と美香が相槌を打つ。
何を当たり前の事を、とスルーしようとした時、ハッと気付く。当たり前じゃないから、変なのだ。そうだ、最初は自分だって、変だと感じたではないか。実はこの時、美香にも初めて見せてしまった。いつの間にか、優太も晶も油断していたのだろう。ただ、今になって思う。美香にも見せてよかったのかもしれない。
「ちょっと待ってろ」
そう言って、彼はスマホを取り出した。
何回も何回も、不気味な声を聞くハメになった。
「え、ぢ、あ、に、し、に、ろ、ち、ほ、う、こ、ぶ」
一言一言、丁寧に一緒に口に出してりっくんはスマホに打ち込んでいく。
「……なるほどな」
「何が、『なるほど』なのですか」
一人で勝手に納得しているりっくんに対し、晶は尋ねた。
「逆再生だよ、逆再生。e di a ni si ni ro ti how u ko b って言ってるんだ。これをアルファベットで逆に並び替えてみると、こうなる。bo ku wo hi to ri ni si na i de」
三人は、ハッと顔を上げた。
「「「僕を、一人にしないで……?」」」
戦慄が押し寄せてきた。




