ソロモンの白昼夢
ここまではまだ何も変わっていない、1周目のまま繰り返されていた、変えたことといえば
山口に攻撃中止を命令し、シンガポールに艦隊を帰還させ、燃料を補給し、今、手元に戦艦を集めた
どれも山本自身だけの判断で済むこと、米軍は絡んでいない、変わるのはこれからだ、それを確かめる
そのためにも、最も信頼できる男を送り込みたかった
失礼します、山口中将が到着しました
おう、入れてくれ
これから起こる日米の空母同士がぶつかる。第二次ソロモン海戦は、米軍は、空母ホーネット、駆逐艦1、航空機72機を失い
空母エンタープライズ、戦艦サウスダコだが損傷、
一時的に米太平洋艦隊の使用可能空母が1隻もいなくなる、9月危機が起こる
日本側は空母翔鶴、瑞鳳、重巡筑摩が損傷、航空機92機の損害を出すが、フレッチャーの恐れた空母不在と言う状況を作った
消耗した南雲の空母部隊が戦場を去り、航空戦力を失った日本側は、夜間戦艦を突入させる作戦を立案、第3次ソロモン海戦となる、ここだ、集めた戦艦をここに投入する、山本は決断した
ガ島での夜は米兵にとって安らぎの時間だった、地獄でまだ苦しみが減るマシな時間、暑さ、湿気、マラリア、日本軍の航空攻撃の内、2つが弱まる、気の休められる時間が、その夜引き裂かれた
苦しみに砲撃が加わった、伏せろ、穴に入れ、声を掛け合い転げ回ることは部下達に任せ、バンデクリフトは通信機を握った、夜襲だ、日本軍の戦艦が出現、砲撃を受けている、航空攻撃を要請、いつ来れる?
本当か少し待て、夜明けまで待て
その頃にはいなくなってるだろう、すぐ来れないか
夜間攻撃は無理だ、とにかく耐えてくれ。
整えた飛行場が砲撃を受け、せっかく着陸した40機のF4 Fが燃えている、徒労だ積み直し、また最初からやり直しだ、地上で爆発音が聞こえる、今までの苦労が、燃料が燃えた
砲撃は続いた、おかしくないか長すぎる、奴ら、もう帰る時間だろ、夜明けが怖くないのか、航空攻撃を恐れていない。フレッチャーの警告をバンデクリフトは思い出した。
空母を失えば、日本艦隊が来る、阻止することができなくなる、空母戦が行われた事は知っていた、では、結果は、まさか米空母が全滅したわけじゃあるまい
砲撃の間隔は、次第に空いて行った、途切れ途切れに打ち込まれる砲弾に、頭を抑えられる、身動き取れない、やつら、いつまでいるつもりでしょうね
戦艦は去るものだと思っていた、違う奴らは去らない
ずっと居座るつもりだ、海の上に砲兵陣地を作られた
こちらはすっぽり射程圏内に入る、それにしても奴らの砲撃多すぎないか、いつ弾は切れる
自分たちを苦しめる、闇に隠れる、姿の見えない夜の怪物が正体を見せた
戦艦だ、戦艦がいるぞ、沖に姿を表した、日本軍の戦艦が陸から見えた、朝になっても消えない怪物がいた
悪夢だ




