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人類アンチ種族神  作者: 緑茶
人類アンチ種族神V
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人類アンチ種族神Ⅴ《ターニングポイント⑩》

この作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは一切関係ありません。


篠原から送られた座標・射角はほぼ垂直に近い、前方の防雷とそれを取り巻くUFBのはるか頭上を飛び越えて、デスランドの頭上を狙う軌道だった。


ーーなるほど。艦砲射撃では不可能な軌道でも、クシャルボコスのミサイルなら…というわけか。


リークは軌道の軍事的価値をすぐに理解すると、指示を出した。


「両舷ミサイル、弾頭換装!焼夷弾に切り替えろ!自動信管をタイマー式に変更。カウント30だ!」


ーー灼熱の雨。R連隊が使った戦術を怪物の居城に使うとは。恐ろしいやつだ。


◆◆◆  ◆◆◆  ◆◆◆  ◆◆◆  ◆◆◆


その頃、防雷では足立・仲原・篠原が奮戦していた。


足立が迫りくるUFBの群れを凝視しつつ、指示を出す。


「主砲発射!目標UFB要塞!」


この命令を仲原が即座に分解する。


「主砲1番、2番、逐次射撃、目標UFB要塞。撃て!」


UFBの層の一番厚い部分に46cmの鉛球がめり込んでいく。衝撃で何体ものUFBが霧散するが、貫通には至らない。


しかし、2発、3発と同じ箇所を狙われると、デスランドを守るためにUFB側の陣形が崩れる。


「いいぞ!対空機関砲、弾幕を張れ!」


圧倒的な数量差。しかし、主砲による牽制と、機関砲による掃射を巧みに使い、UFBを一切防雷に寄せ付けない。


防雷の艦長も唸る。


「なんという豪胆で、繊細な戦い方だ。あいつらは陸自だろ。こんなに的確に操船するなんて・・・」


篠原が頷きながらそれに答える。


「対UFB戦は経験が重要なのですよ。足立さんはぁ何度も戦ってるからぁ無意識に相手の行動パターンを覚えつつあるのでしょうね!」


「クシャルボコス、換装を始めた模様!」


報告が割って入る。


「ほぉらぁ。あの大佐ぁシッカリ私の意図を読み取ったみたいですねぇ。戦える軍人さんはぁただの軍人さんですがぁ、行間をよめる軍人さんはぁ素晴らしい軍人さんですぅ!」


「隊長~っ。あと1分で空母が焼夷弾かクラスターを撃ちますよぉ、準備お願いしま~す」


仲原がこれに反応する。


「交戦中です!緊張感を持ってください!」


足立がいさめる。


「はいはい。主砲撃ち方やめ!クシャルボコスの面制圧兵器に合わせて換装し、一舷射撃準備!」


仲原が腑に落ちない表情のまま各所に指示を出す。


「主砲1番、3番。撃ち方やめ!2番、4番。30秒後に撃ち方やめ!一舷射撃準備!1番、3番はUFB特殊弾に換装」


10秒、20秒、対空機関砲が近づこうとするUFBを容赦なく霧散させていく。


足立の表情が曇る。


「早くしてくれよ!主砲抜きじゃ、さすがにキツイぞこれ!」


30秒…すべて主砲が沈黙する。


「クシャルボコス、両舷からミサイル発射。射角・座標共にこちらの依頼通りです!」


はるか頭上を越える二筋の雲。その雲に向けてデスランドから白い何かが飛び出した。


篠原が嬉しそうに叫ぶ。


「来ました!サーチちゃん!今ですよ!」


仲原が即座に指示を出す。


「撃て!!!」


この言葉をきっかけに、防雷の主砲が、デスランドから飛び出したサーチへ一斉に火を吹く。


大きな爆発音。見るまでもなく命中。しかし大きなダメージは見受けられない。


仲原は事前の作戦通り指示を続ける。


「2番、4番。撃て!」


再度、巨大な弾丸がサーチのシールドに激突する。


すると、炸裂した炎はまるで魔法のようにサーチのシールドを貫通し、巨大な爆発をシールド内で発生させる。


サーチのシールドが消え、明らかに意思を失い落下する彼女を、城から飛び出したベルガンが慌てて回収、デスランドへ連れ戻した。


その刹那、デスランドの上空で二つの美しい花が開く。それは化学反応で数千度に達する灼熱の炎の花。


花はゆっくりと高度を下げると、デスランドを防衛していたUFBを溶かしていく。


「クシャルボコス!2射目発射!」


唖然としていた防雷のクルーに再び緊張感が戻る。


通信機からリークの声が響く。


「キョーダイ。アニの テダスケは マダイルノカ?」



篠原がAIボイスに切り替えて応じる。


「兄上。転進されたし。護衛艦をつれて電子妨害外へ。貴艦が沈んでは国際問題だ」


暫くの沈黙、そしてリークの笑い声が聞こえる。


その間に二射目のミサイルが炸裂、一度焼かれたデスランドの上空を再度高温の花が咲く。


通信を切った篠原が予言する。


「メチャクチャに怒り狂った特攻ちゃんがきますよ。真っすぐ来ますぅ!防雷の対空機関砲で迎撃おねがいしまぁす!」


足立の指揮が行動に変える。


「右舷対空機関砲は特殊個体に注意!直線で来るのなら当てられる!勢いを殺したら二度と加速させるな!」


予想通り、デスランドからひときわ大きい個体が防雷めがけて一直線に接近してくる。


対空機関砲が射程に入ると、一斉に迎撃を開始する。ベルガンは勢いを削がれ、左右に逃げようとする。だが、防雷の対空機関砲は一撃が重く、すぐに動きが鈍る。


――仕留められる!


足立が確信した瞬間、かろうじて灼熱花から逃れていた残りのUFBが一斉に防雷に襲い掛かる。


ベルガンのみを捕らえていた対空機関砲も、これに対応を迫られた。そのわずか十数秒の隙だが、射線から離れることができたベルガンは左右に揺れながらデスランドへと消えていった。



篠原が上機嫌で告げる。


「できれば仕留めたいところでしたねぇ。でもこれでぇ敵の既存戦力は全滅ですぅ。ここからが本番ですよぉ。賢い子。軍師みたいな子が出てくるはずですぅ!敵の動きが一気に複雑になりますよぉ!」


「足立さん、埼玉から半分移動したあれぇ。使えますかぁ?」


足立は誇らしげに答える。


「ああ。2ヵ所とも準備万端だ! みんな、ここが踏ん張りどころだぞ!!」


言葉通り、時を開けずにデスランドから新たなUFBが現れる。


だが、それはただのUFBではなかった。

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