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16話 『道を塞ぐものはミンチにしてやる』

宴会、宴会、宴会。

つまり大騒ぎ!!

 ―――クラディ 視点―――


 何か派手な音と塗装の二輪の乗り物に乗った男達が俺たちを囲んでいた。

 ミケに聞いたら暴走族なるものらしい。

 これは、この中の全員が持っているであろう不幸体質に感謝の気持ちと死刑の宣告を言い渡さなければならない。

 見ることさえ少なくなってきたとミケは言うので本当に珍しいんだろう。

 そして、俺たちはそれに囲まれている。

 こんな体験は貴重だ。やった~なんて思わない。

 危険なだけなのだから。

 ……相手が。

 何ていうか、姫様は聖剣をこの世界へ持ってきていたらしい。

 ミケほどの頭を持つ者がごろごろ居るのであれば危険だろうと言うことらしい。

 まぁ、それは当たっている。

 俺たちがここへ来た瞬間、何か高速で動く物に当たるところだった。

 そこを、運動ができる人たち、姫様、フィーカ、ボフストに助けられ命を繋ぎとめた。

 車と言うらしい。で、目の前にあるのがバイク。


「殺さない程度ならやってもいいですよ」


 苛め抜かれているミケは、こういう裏事情にも詳しいらしい。

 暴走族は族というだけあって自尊心が高いらしい。現代の貴族ここにありと茶化していた。


「何処が弱点か……そのけたたましい音が響いている部分か……」

「そこはダメです。爆発しますから」

「爆発?その殺し方は好きではないな……」

「いや、そういう問題じゃ……」

「そうです。部品を再構築するのに手間が掛かります」

「そうか。向こうでもこの高速で走る物体を乗るために破壊はしないで置こう。シア、解析を頼んだ」

「任せてください奥様」


 この集団は一体なんなんだろう。

 出会ったばかりだが、暴走族より危ない集団に見えてきた。

 だが、暴走族より強い。

 剣を一振りし、衝撃を放つ姫様。

 面白いように倒れていく。

 彼等に隙と見せ場を与えない姫様は最強と言う名に相応しいのだろう。


「わかるか?」

「そうですね……あぁ……私では無理です」

「オーバーテクノロジーってやつだね。できないのも無理ないよ。最初、人間は蒸気を使った乗り物から始まったんだからね」

「蒸気ですか。でも、湯気でどうやって……」

「考えるのは後だ。さぁ、旅でも始めようじゃないか」

「あぁ、待ってください」


 ミケがこの世界の事を話し始める。

 この世界の不良と言う魔物に似た存在。食文化も米と言うものを主食にしているらしい。

 しかし、パンもあるそうだ。


「何か、すごいバランスを取っている国だな……。何か一つが与える影響力が大きすぎる。それを拡散させなければ」

「王の資質ってやつですか?」

「たぶんそう」


 姫様は天才にして凡才だからね。

 時折本能のままに動く時があるからね。


「そういえば、私たちは何処で寝泊りするんですか?」

「……城を描け」

「水道、電気、ガス。色々出ませんし、いきなり出てきたら騒ぎになります。それに、能力が発動するかもわかりません」

「あぁ、それなら大丈夫だ。クラの能力は異世界にも通じた。つまり、この世界でも使用可能ということだ。お前も似たような能力だし可能だろう?」

「……納得しかけてしまった。その前にこの国での人権を取得しましょう。騒ぎを起こしそうで恐いんで」


 俺に、ここに居るミケを除く全員の人権取得を書かせたミケ。

 俺たちはここに長く滞在するつもりでない事はわかっているが、騒ぎが絶対に起こるという未来予測は素晴らしいといえる。


「とりあえず、僕の家……いや、ダメだ。騒ぎになっていると思うし、警察とか居るかも……」

「警察?」

「国が所有する兵士、しかし、戦争には参加権が無い国民の為だけにある自衛団的なものです。まぁ、権力に弱いのですが……」

「サルタだな」

「あぁ、サルタだ」

「サルか」


 サルタを知らない人意外は満場一致で警察はサルタのような男が集まってできている集団と言う認識になった。

 なんともわかりやすい例えだ。


「はぁ……、兄さんの家に行きましょうか。すごく不本意なんですが……。あの人のお姉さんはある程度警察に顔が利くんです。……理由はわかりませんが……」


 それなりの地位に居る人物の友人だったのか。

 やはり、こちらの世界でもミケは優秀なのだろう。


 それからしばらく道なりに歩く……なんてことはしなかった。

 瞬間移動という外道の粋を集めたような技で一気に家の前まで来た。

 その家は、俺たちの居た世界とは違う、何ていうか高級そうだが、平凡を形にしたような家だった。

 たぶん、この家の価値を下げているのは、中から響いてくる音だろう。


「この音なに?」

「えぇと、働かないお姉さんが熱中する遊びの際でる音です。難しい説明は省きます」


 何ていうか……大音量だ。

 だが、周りの住民は家から出てすら居ない。

 いや、出られないと言うところか……。


「これ、耳栓です。耳に付けてください」


 いつの間に描いたのか耳栓を渡される。

 しかし、それをも無効化し俺の脳内に響いてくる。

 その、警察とか言う組織もこの超音波にやられて朽ち果てていったんだろう。


 少しの間、手をあわせておく。


「さ、行きますよ」


 平気という顔をしているミケが扉を開く。

 俺の意識は、ここで途絶えた……。



 ☆



 ―――魅化流 視点―――



 玄関の扉を開けると、大音量の周りに迷惑しか及ぼさない音波が僕の耳を襲う。

 この耳栓には命一杯防音耐性をつけたはずなんだけど……。


 そんな事は気にせず、何故か冷静を保っているお姫様と一緒にその他の耐えられなかった人たちを家の中に運ぶ。


「ん?ミケか?久し―――ミケ?」

「兄さん久しぶり。ゴメン、この美人さんと一緒に倒れている人を介抱してくれないかな?」

「我が弟分ながらナイスな提案だ。その案を採用してやろう」


 ハイテンションな貴恵兄さんを送ると、僕は二階へと歩いていく。

 音の元凶、麻美姉さんに文句を言うためだ。


 従姉(いとこ)なのに、うちの姉さんとは全く性格が違う。

 捻くれたのは僕みたいに苛めにあっているからだろうか?

 いや、この町の不良を占めている麻姉さんだ。苛めを受けたら地球を真っ二つにする勢いでいじめっ子の顔面に包丁を突き刺しながら救急車を呼ぶだろう。


「麻さん五月蠅い。近所迷惑」

「ふにゃ?これは猫っちお久しぶり~」


 相変わらず、変な従姉である。

 僕の訴えが通じたのかやっとネットゲームをやめてくれる。

 コレだけの音声が出るネットゲームを配信している会社を今なら潰せそうな気がする。


「猫っち、背、伸びた?」

「いや、それはいいですから。少し事情があって……数人泊めてもらえませんか?」

「音、大丈夫?」

「約一名だけ」

「……はぁ……、しばらくお預けみたいだね~」


 パソコンの電源を落とす。

 年中無休で動いていると思われるパソコンに敬意を込めて敬礼する。


「それで、単位を十分取ったからという理由で休み続け挙句、その生活にドップリ嵌ってしまった麻さん」

「失礼な。猫っち、私はれでぃーなんだからね」


 でも、人外。

 いや、人だけど規格外と言っておこう。


 僕の溜息を知ってかしらずか、服を脱ぎ始める麻姉さん。


「ちょ―――」

「あぁ、ゴメンゴメン。お年頃だったね~」


 何か勘に触る言い方だが、今は許そう。

 しばらくお世話になるのだから。


「それじゃあ、お願いしますね」


 僕は、自分の家に一度帰らないとな……。

 服も着替えたいし……。


「一度帰りますから」


 扉の向こうにいるであろう麻美姉さんに言う。

 返事が帰ってきたのを確認すると、準備も無いのでそのまま玄関へ向かう。

 クラさん達は目覚めてなかったみたいだけど、大丈夫だろうか……。

 やっぱり、あの二人に任せない方がよかったのかも知れない……。



 ☆



 ―――クラディ 視点―――


 俺が目を覚ますと、隣に鼻血を流して気絶している男が居た。

 心なしか笑顔だ。


「え、えぇと……」

「あぁ、クラ。変態の近くに居ると変態になる。早くこっちに来い」

「え?」


 とりあえず、姫様の近くに寄る。

 すると、抱きつかれる。

 さて、俺は何か悪い事でもしただろうか?


「希少価値ある美少女を虜にするその容姿……しかと見た。しかし!!」


 突然立ち上がる変態と言われた男。

 少し待って欲しい。理解するから。


「異世界。そう、異世界だ。クククッ、クハハハハハ」

「ちょ、何が起きたんだ」

「変態に相応しいな」


 ……俺には、理解できないんだが……。


「と、まぁ、話は理解できた。麻姉さんも許可してくれると思うし、部屋も空いてるから勝手に使ってくれ」

「ゴメン。野宿した方がいい気がする」

「な、何故だ!!」


 いや、何故って……。何故だろうね。

 分かりきっているから言えないことってあると思うんだ。


 現実を見てそう思う。


「あれ、ボフスト達は?」

「……今は放っておいてやれ」

「何があったの?」


 何か落ち込む事でもあったんだろうか。


「麻姉さんに着せ替え人形にさせられている。つまりっ!羞・恥・心!!」


 この人は本当になんなんだろう。

 ミケみたいな人が多いのならすごく技術が発達した国だと思ったんだけど。


「馬鹿が多いな」

「馬鹿って言った。馬鹿って言ったよ。ねぇ?」

「ゴメン。馬鹿だと思う」


 名前も知らないんだが、思う。


「えぇと、名前は?」

「切り替え早いな……。あぁ、えぇと、小坂(おさか)貴恵(きえ)って言う。異世界流の礼儀とかある?」

「特に無いですね。俺は、クラディ・ネクストって言います。麻姉さんってのは?」

「僕の姉さん。小坂麻美(あさみ)。職業ニート。世間体で言う関わっちゃいけない人」


 話していて思う。

 最初に会った人がこんな人でよかったと。

 別に、驚かれてもいいのだが色々と説明するのが面倒。

 必要な事以外聞かない気配りのできる人なんだろう。


「本物のお姫様だっ。スリーサイズいくつ?」


 気配りのできる人なんだろう。

 年頃にしては胸の小さい姫様に言っちゃいけないと思うと言うのはまやかし。

 幻想。

 夢。


「なぁ、こいつが死んで喜ぶ人間がたくさん居ると思うんだ」

「それと同時に、悲しむ人もいるでしょうね」


 この手の人間は人脈作りに長けている。

 社交的というのはそういうのに役に立つからいい。


「く、クラ……」


 突然、後ろから枯れた声で呼びかけられる。


「え?うわっ、どうしたのボフスト」

「ふふっ、ふふふ……」


 何だか危ない状態になっているんだけど。


 顔色が優れないボフストをソファーに乗せると、俺はボフストが来た道を通って原因を突き止めに行く。

 後ろには姫様と貴恵が居る。


「ここ。ここが麻姉さんの部屋だ」


 一つだけ頑丈そうな扉の部屋が目に入る。

 そんなに危険な部屋なんだろうか。

 ここまで来たなら開けるしかない。


 姫様を先頭に部屋に突撃する。


「ふわっ……えぇと、これは……その……何と言いますか……。この女です。私ではありません!!」


 フィーカが命一杯叫ぶ。

 その姿は、一言で言うならメイド。

 簡単に説明するなら、猫のような耳を付け、無駄にふわふわ感漂う生地を使い、泣きそうな顔をしているフィーカ。

 彼女の意地(プライド)はここで粉々になっただろう。

 できれば、同姓を愛してしまったところで粉々になってほしかった。


 だから、俺はフィーカの肩に手を乗せてこう言った。


「……わかってる。何も言うな」

「死ね!!」


 ―――ガッ


 素手で殴られた。

 痛いという次元を通り越して痺れた感覚を感じている俺を何度も踏みつける。


「このっ……このっ……」

「声に似合わず痛い!!姫様止めて!!」

「……そうだな……。名前で呼んでくれるならいいだろう


 ……気にしていたのか。

 まぁ、恥ずかしさというか、それが俺を止めていたんだが、命の危険が迫っているのだ。

 俺を止めるものは何も無い。


「し、シタ。止めてくれなかな?」

「ふふっ……ダ~メ」


 殺意って言うのかな?

 なんだろう。すごくムカムカする。


「フィーカやめて。痛いから」

「私の主人は姫様だ。お嬢様、コイツを始末します」

「お、鬼だ!!」


 その間、貴恵はカシャカシャと光を放つ何かを顔に当てとめてくれなかった。



「イタタ……」

「は~い、沁みるよ」

「ギャッ」


 何かわからない液体を掛けられ、猛烈な痛みが俺のでこに走る。

 体を溶かす液体か?


「あぁ~、そうだね。これは、消毒液。傷の直りを早くするんだよ」

「消毒液?」


 ……字は読めない。


 わからないがそう書いてあるらしく、麻美は書いてある文字をなぞっている。

 痛みには慣れているが、少し種類が違うものだったので少し驚いた。


「あ、飲み物じゃないからね」

「それくらいはわかります」


 後で、ここの言語を使えるように書き加えておこうと思い、消毒をしている麻美を見る。

 ここの世界の人間はこうも若い人ばかりなのだろうか?

 こっちに来て、最初に見たのは、キラキラ光っている顔だった。

 顔全体が妙にでかく、黒で統一されていた。

 髪の毛もなかった。


 それを話すと、ヘルメットという物だと教えてもらう。

 この人は変人でないと思う。


「それと……これを……」


 頭に何か乗せられる。


「わんこシリーズ!!ハスキーわんこ耳!!」

「はい?」


 触ってみると、ふさふさしたものがある。


「……これは?」

「わん―――」

「いや、そうじゃなくて。これはどうして取れないんですか?」

「……あぁ、呪い……。えぇと、何でかな?」

「聞こえてましたからね。呪いって何ですか」


 言語と同時に外すように書いておこう。

 何だか、能力の無駄使いをしている気分になる。

 やっぱり、この人も変人だ。


「そういえばシアは?」

「町でお散歩。服は私の小さい時の貸したよ」

「俺も後で行ってみよっと」


 文明が発達しているところの建築物や乗り物を見るのはいいかも知れない。

 そう決めて、俺は姫様を誘いに一階へと向かった。



 ☆



 ―――イルシア 視点―――



 ここには構造の分からない物がいっぱいだった。

 言葉は通じるので近くの人に構造を聞いたりしたが、1LDKなどわからなことだったので諦めた。


「ほえぇ~」


 地面を突く。

 この丈夫な素材はなんだろう。


 ―――キィィィイイ


 気づいた瞬間、私は誰かに手を引っ張られ、道の隅に来ていた。

 隣には少女が居て、私の目の前に居る乗り物から降りてきた男の人に謝っていた。


 私も謝らないと。


 そう思ったときには急いでいるのか、乗り物に乗ってしまっていた。

 なので、隣に居る同年代くらいの少女にお礼を言う。


「ありがとうございました」

「ううん。こちらこそ。何をやってたのかな?お姉さんに教えて」

「同年代だと思うんですが……。その、この地面に敷き詰められている物体はなんなんですか?」

「え?」


 一瞬だけ呆けたような顔をする少女。


「あ、あはは。これはね、コンクリートって言うの。最初はどろどろしてるんだけど、時間が経つと固まって、こんな風になるんだよ」

「へぇ~」


 時間が経つことで変化する物体。

 何だか面白そうな感じです。


「君、変わってるね。名前は?」

「私は、イルシア・アルーって言います。以後、お見知りおきを、若き騎士様」

「騎士かぁ~。憧れるけど、この世にはもう騎士なんて存在しないんだよね~」

「女の騎士はいないんですか?」


 国によってはそういうところもあるが、トルトでは居たので勘違いしてしまったようだ。


「……ゴメン。今の忘れて」

「何のことですか?」

「あ、えぇと、自分に言い聞かせてたの」


 ……変わった人です。


 その変わった人は笑顔でまたねと言うと、走っていく。


「あ、名前……」


 気づいた時には、もう見えなくなっていた。

 私は、少し鈍いんだろうか?



 ☆



 ―――魅化流 視点―――


「はぁ~。短かったから警察とか動いてなかったけど、町中には知られてた……」


 姉さんには本当に心配をかけたようで、親に苛められていたことを話そうとも思ったと言っていた。

 姉さんの中では僕が死んでしまっていたらしい。酷い話だ。

 たぶん、姉さんが生きている限り僕は自殺しないと思う。


「あ、猫」


 黒猫が僕の前を通る。

 ここは、お姫様的思考で通り過ぎる前に捕まえるのもいいかもしれない。


「とりゃっ」

「ニャッ」


 ……捕まえられた。

 別に能力を使ったわけじゃない。

 でも、黒猫の方から歩み寄ってきたのだ。


「……どうしただろう?」


 これなら、無視していた方がよかったのかもしれない。


 寒気を抑えてから、黒猫を地面に置き、何も見なかったかのように歩く。

 やはり、僕もあの人たちのことは心配だ。



 ☆



 ―――クラディ 視点―――


「この、寿司とか言う料理は中々うまいな。魚とはこんなに美味だったのか」

「私も久しぶりに食べた~」

「うちの国は内陸にありますからね」

「ほぉ~、塩で保存したりして持ってこないのか?」

「塩も一応高いからね。しかも、海から一番遠いから時間が掛かる。金だって掛かるから、そこまで食べたいものじゃないんだよ」

「色々と大変で。日本は島国だから海の幸が豊富だよ~」


 ここに居るうちは魚を食べるのもいいかもしれない。


 そう思ったのもつかの間、シアがなにやら気になる事を言う。


「そういえば、今日でっかい乗り物にぶつかりそうになっちゃって―――」

「なっちゃって?」

「女の人に助けられたんです。黒髪で、黒目。奥様とは違う種類でカッコいい人でした。同時に可愛かったです」

「……私は可愛いか?なぁ、クラ?」


 そういうのを俺に聞くのは間違っている。

 交際歴が白紙の俺に女の子を褒める言葉なんてほいほい浮かぶわけが無い。


「可愛いよ」


 とりあえず、無難に言っておく。

 だが、それが火をつけてしまったらしい、涙を流しながら抱きついてくる。

 その顔は、少し赤い。


「ちょ、姫様に酒を飲ませたのは誰ですか!!」

「ふにゃぁあ!私だよぉ~」


 この人は、酔っ払っているのかどうなのか分からない。

 素晴らしい性格をしているな。


「姫様がこんなに酒に弱いなんて……」

「猫っちどうぞ~」

「うわっ」

「麻姉さん!止めておくから、そっちを頼んだ。水を飲ませて」

「わ、わかった」


 はぁ……、そういえばフィーカが襲ってこないな……。

 思って、向こうを見る。


「海鮮を、取り扱うようにお父さんに頼もうか……。うまいな」

「こんな新鮮な魚は食べた事ないな」

「おふひ~へふ」


 満喫しているみたいだった。


「ほら、水です。口をあけて」

「口移し。口移し。口移し……」

「耳元で囁くように言わない。さ、飲んで」

「これ以上飲んだら吐く……」


 この人はどれだけ食べたんだろう。


 わからないが、大きく膨れ上がったその腹は、なんとも悲惨なものだった。


「眠い。寝る」

「もたれかからないで―――」


 ―――ゴンッ


 鈍い音が響く。

 そこから俺の意識はなかった。


『後書きと言う名の調査プロフィール』


フィーカ・アルド・ウェラリー 女 15才


説明 甘い恋を求める百合。父譲りの才能をフルに使ってクラ達のメンバーの中で最強となっている。(姫様じゃないんだなぁ~)


『人生表


0歳~1歳


父親が傭兵をやっていて帰ってこないので泣く。


1歳~3歳


父親が傭兵をやめる。自分がやめさせたとは知らない。


3歳~5歳


父親から剣を教わる。しかし、下手。独自の武器を探す。


5歳~10歳


少し形が変わった槍を自分専用の武器にする。


10歳~12歳


才能があるのか父親に鍛えられぐんぐん育つ。


13歳


目覚める。


13歳~15歳


姫様に憧れる。


15歳


クラという恋敵と共に姫様の隣を争う。


以上』


容姿


赤色のショートヘア。顔は母親譲りなのか美人。だが、百合は何処から受け継いだのかわからない。


能力


特殊武器牙(ピックアップアーム)


概要


特殊な武器を使いこなす。重ければ重いほど自身の力を倍増でき、軽ければ軽いほど自身の素早さを倍増できる。武神(ぶしん)カレディエルを信仰。


残念ながら、一般的な武器は使いこなせなる。一時的に加護を打ち消す事が可能だが、その反動は体が半分引き裂かれるほど痛い。


作者から「君は、登場から今まで自分の期待を裏切り続けてくれました。何かもう諦めます。その道を極めてください。それが最後のお願いです」


フー『その道?何だそれは。異世界の言葉か?まぁいい。次回予告をやらせてもらおう』


フー『あぁ、姫様素敵すぎる……。っと、また新しく……。次回!『妄想聖剣メルヘンファンタジア。略してファンタ』……長ったらしいな。ファンタだけでいいだろう。……何?飲み物と被るからダメ?五月蠅い!!』


※(サブタイは変えません)


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