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何かが、おかしい弟
今日もまた、放課後の図書室に向かう。
いつもの席に座ろうとしたら
煩わしい奴が先に座っていた。
学校の共有スペースなのだから
私の場所というわけじゃないけど…
私がいつもそこに座ることを知っていて
敢えて座っているコイツを見ると怒りたくもなる。
「この間は質問の仕方を間違えた。」
「…質問?」
なんか言ってたっけ?
興味無さ過ぎて覚えてない。
「弟、いたでしょ?今は離婚して離れ離れだけど。」
「確かにいたけどそれが何?
なんで私のこと色々知ってんの?」
「僕の名前なんだか覚えてる?」
「櫻葉 藍斗でしょ?」
「じゃあ、紺野さんの弟の名前は?」
「は?…たしか……………………あ、」
弟の名前は……紺野 藍斗だった。
「会いたかったよ…”お姉ちゃん”…」
煩く泣き喚く弟を静かにさせるためについた
大人のつくような”いつかの話ウソ”
それが現実になっただけ。
※一応、これにて完結ですが、続くかもしれないので連載の表示のままです。