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タマの威嚇

 翌日僕は、再び寺に現れたタマを捕まえて、《変化(へんげ)》の事について尋ねてみた。


『ねぇ、どうやったら変化(へんげ)出来るの?』って。


 タマが来る前に、僕だって一応は一人で頑張ってみたんだよ?

 だけど、全然変化(へんげ)出来ない。どうしたらいいのか、さっぱり分からない。


 出来ないどころか、なれる気が全くしない。だって変化(へんげ)って、今の僕とは全く違う形になるんだよ? なれるって思う? 思わないよね?

 いったいどうやれば、姿かたちが変わるんだろう……?


 いくら考えても分からないから、《これは尋ねてみた方が早い!》と、僕は結構早い段階で結論づけた。



 だから僕は、前の日の夜中から、 タマが来る夜が待ち遠しくて仕方がなくって、お寺の門の前でジッと座って目を凝らして、今か今かとタマが来るのを待ってたんだ!


 だからやっと来たタマを、僕は離すつもりは無い。

 僕はギュッとタマのしっぽを掴んで、頑張った!


 だけどタマも負けてはいない。これでもかってほどに毛を逆立てて、僕をギラリ……と睨むんだ。

『フーっ! ニャにするニャん!!』


 見事な猫パンチが炸裂した。

『ふぎゃ』

 ……痛いよ。タマ。


 だけどまぁ、……そりゃそうか。



 タマはムスッとして、(あご)で《離せ!》とばかりに、しきりに言ってくる。

 だけど、そういうわけにはいかない。どんだけ僕が待ってたって思うの? 丸一日だよ? かなり待ったんだよ!?


 絶対に、離さないし……!



 僕は、ぺしぺしっ! と繰り出されるタマの猫パンチに耐えながら、ギュギュッと そのしっぽを握りしめた!


『フギャッ! やめろニャ! 離すニャ!!』

 タマは必死だ。

 けれど僕だって必死だ!


『嫌だァ! ねぇ、ねぇ、変化(へんげ)って、どうやるのぉ!』


『シャーッ! お前、それが人に物を頼む態度だと思ってるニャか!?』

 タマは耳を伏せて、これでもかってくらいに僕に向かって威嚇する。


 そんなに怒ったって僕、……こ、怖くなんか、ないんだからね……っ!



 僕は震えながら耳を伏せる。



 そもそも、タマが住んでる場所さえ教えていれば、こんな手間いらなかったんだ。

 家に押しかければいいんだから。


 だけどタマがどこに住んでいるのか、誰も知らない。

 最近来た僕は当たり前だけど、ずっと前からこのお寺にいる和尚さまですらも、知らなかった。



 少なくとも、タマはこの古寺には住んでない。

 毎晩お寺の仕事の手伝いをしたら、そそくさと帰って行くから。


 弦月(げんげつ)和尚さまにタマの事を尋ねたら、毎日決まった時間になると、この寺に現れるんだよって教えてくれた。

 けれどタマは、寺の用事を済ませるといつの間にかいなくなる。


 後をつけようにも、気づいたらいないんだもん! 住んでる場所を見つけるのなんて、不可能に近かった。


 タマはさすがは猫の妖怪。

 そのすばしっこさと、誰にも見つからない静かさは天下一品だ。


 和尚さまはそんなタマに、一度『一緒に住まないか?』と聞いたことがあるらしい。


 けれどタマは、『瑠璃(るり)姫さまがおわすところに、共に住むニャど畏れ多くて……!』と言って断ったらしい。

 なんで断るの!?


 ……こんなにも、居心地のいい場所なのに。

『……』


 考えることは、人それぞれなんだなって思った。僕は一人が嫌だったけれど、きっとタマは、騒がしいのは好まない。だけど完全に一人になるのも嫌なんだろうなって思う。


 だからタマは、この寺に遊びには来るけれど、一緒に住もうとは思わないんだと思う。

 住んでる場所も、当然、教えてくれない。


 だからここへ来たその時が、絶好のチャンスなんだ。

 この好機を逃したら、後は明日になるのを待つしかない。

 でも、そんなに待てるわけないだろ!? 僕は今すぐにだって、九尾になりたいんだ!

 今すぐなれなくったって、無駄に時間を使いたくなかった。だから僕は焦った。


 あせってこうやって僕は、タマを待ち構え、ずっとずっと見張っていたんだ! そして、やっと捕まえたタマ。


 絶対に離す訳なんかない!

 めちゃくちゃ威嚇されても、(少し怖いけど……)僕、頑張るんだからね……!



    挿絵(By みてみん)


          × × × つづく× × ×


   ┈┈••✤••┈┈┈┈••✤ あとがき ✤••┈┈┈┈••✤••┈┈



     お読み頂きありがとうございますm(*_ _)m


        誤字大魔王ですので誤字報告、

        切実にお待ちしております。


   そして随時、感想、評価もお待ちしております(*^^*)

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