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無性に消えたくなった日。

 僕は、町の(あか)りを目指して、空を駆けた。


 点在する都の灯りは、星々のようで、とても暖かな色をしていて綺麗だった。



 けれど、真っ暗な夜空を一人で駆けていると、時々上と下がどちらか分からなくなる。


 どこへ行こうとしたのか、ここがどこなのか、……そして、自分が誰なのか。分からなくなるんだ。

 そう思うと、とても恐ろしくなって、体が石のように固くなる。



 そんなとき僕は、わざと狐火を消してみた。


 すると僕は、下に向かってヒューンと落ちていく。

 ……ふふ、当たり前だよね?


 空と地面の区別なんて簡単だ。


 力を抜いて、何もしなかったら、落ちていく方向が地面。


 落ちて行きながら僕は、《あぁ、こっちが地面なのだ》とホッとする。上と下が分かると安心して、また空を一人で駆けていく。


 でも、駆けていきながら、僕は思う。あぁ、なんで僕って、ひとりなのだろう……?


 この暖かい光の中、みんな大好きな誰かと一緒にいるのに違いない。

 僕はぼんやり、そんなことを思う。


 そう思うと、無性に悲しくなった。

 いっそこのまま、地面に叩きつけられてしまおうか? ……って。

 一人孤独に過ごすより、そうした方が、ずっと楽なような気がした。



《僕は何のために、生まれたの…?

 ひとり暗闇の中を、上も下も分からずに、駆けてゆくために生まれたの?》



 そんな事に、なんの意味があるのだろう? 僕はとても虚しくなる。


 ずっとひとりで、これから先も、生きていかなければならないのだろうか?

 これからどれ程の時を、ひとりで過ごさなくてはいけないの……?


 ぼんやりと、そんな事を思いながら、夜空を駆けた。



 暗闇に取り込まれそうになって、本当はこのまま、消えてしまいたかった。



    挿絵(By みてみん)


          × × × つづく× × ×


   ┈┈••✤••┈┈┈┈••✤ あとがき ✤••┈┈┈┈••✤••┈┈



     お読み頂きありがとうございますm(*_ _)m


        誤字大魔王ですので誤字報告、

        切実にお待ちしております。


   そして随時、感想、評価もお待ちしております(*^^*)

     気軽にお立ち寄り、もしくはポチり下さい♡


        更新は不定期となっております。

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