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プロローグ
初めてだけどよろしくお願いします。
ああ、こんなものか。
燃え盛る炎で崩れ落ちる建物を眺めながら、リアはうっすら皮肉げに笑った。
周りはすべて火に囲まれ、逃げる場所もない。煙も充満し、いつ意識を失ってもおかしくない。普通の少女なら泣き叫んでもいい状況に、リアは座り込んで、皮肉気に笑っていた。
なぜなら、こうなった過程を知っているから。
私生児として生まれ、すぐに見放された存在。父から捨てられ、異母兄弟たちから憎まれ、父の妻から何度も殺されかけた。
それだけでも最悪なのに、周りの貴族たちからも目を付けられ、ほんの少し関わっただけで人生が坂を下るように悪化していった。それが今の状況だ。もう笑うしかない。
煙が回ってきたのか、突然目眩がしてきた。耐えきれずに横に倒れる。
ふと、リオの声が聞こえた気がした。
リアの最悪な人生の中で、唯一の味方で、信頼する人で、家族で、大切な双子の弟の声が、聞こえた気がした。
返事を返そうとするも、咳き込むばかりで、まともな声が出なかった。
薄れる意識の中で、これまでの17年間の人生が走馬灯のように駆け巡った。