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ワンダーボックス   作者: 良七
2/10

中身は魔法使いだった。

ゴホン

「小娘よ、お前が我の封印を解いたことには感謝しよう、だが貴様は我の存在を知ってしまった……

それが何を意味するか分かるか?」

わざとらしく咳払いをして、気を取り直してから真を指さしそう質問するルシュファー

「……う~ん、分かんない」

「そう、貴様を排除するのだ、実に残念でならな

い」

適当に返事をした真だが、気にせずに続ける

ルシュファー、メンタルが強いとも言う

「見られたの根に持ってるだけじゃない?」

「うるさいぞ、そこのヘアピン! とにかく、貴様は消す! 決定事項だ! 」

ふらふらと人差し指を真と界で行き来していたが最終的に真にとどまった。

「お? 決定事項だって良いな、流行らすか?」

「……今言わなくても良いよね」

やんわりたしなめる真。

うん、今言わなくも良い。

「ルシュ、ちょっと落ち着けってば、別に消さなくても良いだろう?」

そう言って真とルシュファーの間に入る界。

ルシュってルシュファーのことかな? と適当に考える真。

「いいや、良くないね、こういう知られたら排除とか言うのは、定番なの!」

「なの! じゃねー!!」


なんだろう? 何故こうも私は危機感が感じられないのだろう。

まぁ、取り敢えず私に危険が迫っているらしい、

うん、それだけわかっていれば大丈夫。

「私、帰って良い?」


「「駄目だ」」


「……ですよね」

ハモった、薄々思ってたけど、この二人仲良いいのではないか?

「どちらにせよ貴様の指図など聞く耳持たん、ちょうど良い、貴様ら二人まとめて始末してくれる!」

するとルシュファーは界達に向かい手のひらをつき出す。

「ちよっ、おい、あんたここは逃げるぞ! 」

それを見て界は顔を青くして真の手を掴む

「はい? どうやっ



……て、あれ? ここは?」


真達はいつの間にか室内にいた。

本当に一瞬、不意にまばたきした感覚があり、次には真の見ていた風景が入れ替わっていた。

そこはどこかの物置で静かでホコリっぽい。

跳び箱の台があり、畳まれて腰の高さまで積まれた

マット、後はバスケットボールのボールが沢山入ったかご、掃除するためのモップがある。

「体育館の倉庫だ、結界もはったしすぐに見つかることはないよ」

そう言って、界は積まれたマットに腰掛ける。

「……瞬間移動? 結界? あの変態天使といい、君って何者なの?」

さすがの真もこの事態には混乱してしまい、界に説明を求める目で見つめた。

それに溜め息をつき、仕方ないか、と界は自分の正体を口にする。

「僕は、魔法使いだよ」


「魔法使い、信じられない? あ、それと君の名前をまだ聞いてなかった」

そういえばそうだったと自己紹介する真

「まこと、三帝 真 ……魔法使いね、まぁこんなの見せられたら信じる信じないも無いよ」

論より証拠と言うことである。

一瞬の間に学校の屋上から体育館の倉庫まで移動するなんてありえないことを実体験したら、それは

信じるしかない。

「そっか、じゃあ話しが早い、状況はわかってるとうり君がルシュファーを箱から出してしまいルシュファーは自分のナニを君に見られてしまって君を消そうと、つまり殺そうとしてる」

結構真剣な顔して言ってるけど、多分理由は

そこじゃない。

「ああ、私のうかつな行動のせいで、悪かったよ、

ゴメン」

……放置です

「いや、今はそんなことはいい、取り敢えずルシュをどうにかもう一度この箱の中に封印しなきゃならない」

界は、どこから出したのかあの多面体の箱を手に持っている。

「私の身を守りながらってことね」

「そう言うことになるな」

そう答える界の顔には余裕がない。

「……難しいの?」

「膨大な魔力に高い戦闘力、神様を倒すって世界中飛び回っていて、放っておくと本当に神様倒しちゃうかもしれないから、何とか捕まえてた、と言う

感じ」

それを聞いた真は、自分の軽率な行動に反省する。

あぁ、しまったな、いまさらだけど厄介な封印を解いてしまったものだ。

だけど言わせて欲しい、どうやって、箱を開けたら天使が出てきて命を狙われると思う? 無理だろ

「……ん? じゃあ、なんでこの学校の屋上にその箱があったの?」

真がその疑問を口にすると界は表情は変えず肩だけピクッと動いた。

「……今はそんなことはいい」

誤魔化した。

「……おい」


「……ました」

「はい?」


「お、落としたんだよ! 捕まえた三日前に! 空飛んで帰ってて浮かれてて、それで鳥にぶつかって……

その、落としちゃった、テヘッ」

「テヘッ、じゃねー!!」

真はつい、憤慨して界の胸ぐらを掴む。

一応ヒロインですけどね。

「何やってんだよ、飛んで帰ってんじゃねぇよ、

瞬間移動出来んだろが!!」

ヒロインですけどね!!

「わー! 悪かったって! おあいこだろ?

な? 落ち着いて、兎に角ルシュファーをどうにかしなきゃだろ?」

「くそー、殴んぞこらぁ……」


「……ふー、もうそんなに難しく考え無くても良いんじゃない?」

なんとか落ち着いた真はそんなことを口にする。

「と言うと?」

「あんたら二人ともなんか抜けてるから、勝てそうな勝負とか仕掛ければ? 例えば……鬼ごっことか?」

真が簡単にルールを作る。

こっち二人が鬼でルシュファーが何人か人を集めて逃げる側にする。

学校の近くに公園があるらしく、その敷地内だけ

で、一時間制限

「いや、いくらルシュがアホでも、そんな部の悪いのに乗る分けないって」


「はい、フラグ立った! あえて乗ろう! 我がそんな遊びで負けるはずがないだろう!」


壁から上半身だけルシュファーが現れた!

決して書き間違えではない!

「うわっ! きもっ! どっから湧いて出た!?」

飛びのく様に引く真

「まぁコイツだしどっかからカサカサ出てきても不思議はないけどな」

そしてさらっと罵倒する界だった。

「君ら酷すぎない!? Gと一緒にするな!!」

ぶつぶつ言いながら壁から抜け出して来る

ルシュファー

そして壁にはなんの被害もなかったのだった……

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