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サイコフットボール ~天才サッカー少年は心が読めるサイキッカーだった!~  作者: イーグル
第5章 東京代表との戦い

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強豪達が見守る前で見せつける今の強さ

※登場する人物や学校やクラブなどは全て架空であり実在とは一切関係ありません。

 2次トーナメント開幕の日を迎え、立見は開幕戦からの登場となる。



 相手は1次予選から登場し、支部予選を免除されているシード校の空川学園。攻守共にレベルが高く、去年は真島の前に惜しくも敗れている東京の強豪校だ。




「GO! GO! 立見ー!」



 2次トーナメントの会場は広く、より多くの観客が収容可能となっている。立見の応援も規模が大きくなり、チアガールや吹奏楽部の応援もついていた。



 立見への期待が増している証拠だ。



「やっぱ女子からの、チアからの応援は嬉しいもんだよなぁ~。お、あの子とか可愛い♪」



 応援するチア達の姿に田村はその光景を眺めている。目当ての子を見つけたりと、分かりやすくモチベーションが上がっていた。



「チアに見蕩れてミスしやがったらケツ蹴り飛ばすぞ草太」



「まぁ、応援は嬉しいもんだからね。それも女子からとか」



「気持ちは……うん、俺もそれは否定出来ねぇわ」



 田村ではないが間宮、影山の二人も女子から応援されると、やはり男としては嬉しい。それが素直な気持ちだ。




「はーい皆さん、ご声援ありがとうー♪」



 立見の応援席の前に弥一は現れ、笑顔で手を振って応えていた。



「神明寺君! 今日もうちの孫と共にゴール守ってくれよ!」



 弥一へと応援席から立ち上がる重三が声をかけ、その隣に座る立江が「目立つからじいさん座って」と重三のシャツの袖を引っ張る。



「いやー、どうせなら相手ゴール一発ドカンと弾丸シュート行ってほしいなー」



「うむうむ、DFも守ってばかりじゃないしな。時には得点を決める事も求められるだろう」



「機会あったら勿論狙いますよー♪」



 応援席に重三と共に応援するのは、中華料理屋に通う常連の年配客達。彼らもサポーターとして応援してくれている。




「神明寺ー! 何時までアップやってんだ、早く来い!」



 遠くから間宮の声が聞こえ、弥一を呼んでいる。




「雷大きくなる前に戻りますねー、じゃ!」



「頑張れよー!」



 あまり待たせてチームの遅れが生じるのもよくない。弥一は最後に応援席へ声をかけてから、間宮の居る方向へ軽く走って戻った。






「どう見る? 立見と空川」



 立見の応援席とは別で、観客席には他校の生徒も見に来ていた。昨年の選手権で東京代表となり、全国出場を決めた真島高等学校。



 観客席に座る主務を務める真島のサッカー部員、そして横に座るMFでキャプテン。チームの司令塔を務める黒髪の坊主頭、峰山健太(みねやま けんた)が両校の試合を眺めつつ真島の主務に尋ねる。



「空川が実力兼ね備えてますけど、前の試合でエースが負傷したのが相当痛いですからね。新鋭の立見は此処まで支部予選と1次トーナメントを勝ち上がって、勢いある上に5戦とも無失点。古豪の前川に競り勝ったりとクジ運だけで来たとは思えない」


「つまり空川の負傷がある分、立見有利と」



 空川はこの試合の前にエースのFWが負傷している。彼はチームの要であり、抜けた穴は空川にとって非常に大きいと言わざるを得ない。



「確か立見は去年に要の一人が病気で亡くなったよな……そこから夏は欠場したけど選手権予選でベスト8。今年の新体制でこの成績。よく此処まで立て直せたなって、敵ながら感心しちまうよ」



 立見には去年までもう一人、成海や豪山と共にチームを支えた要が居た事を峰山は聞いている。その要を欠いて精神的にも計り知れないショックがあったはずだが、彼らは奮起し、去年の選手権以上の成績を残さんと、この夏の東京予選に挑んで来ている。



 快進撃の原動力が要となってる成海、豪山の二人だけとは思えず、今日の試合で峰山は見極めようとしていた。







「真島さんもわざわざお越しとは、意外と立見って注目されてんのかね? 空川目当てかもしれねーけど」



 遠くの席から偵察する真島の姿を見つけたのは、桜王学園の偵察隊。その中に冬夜の姿があった。



「冬夜、別にお前まで来なくても良かったのに」



「つれねー事言わないでくださいよ先輩ー」



「前言ってた立見の控えの奴がそんな気になるのか?」



 3年の主務に引っ付く冬夜に主務は気色悪いわ、と引き剥がしてフィールドの方へ視線を向けた。ベンチ付近で軽く走る優也の姿が見えると、主務と共に冬夜も同じ方向を見る。



「そりゃあね。途中出場で全試合ゴール中とあっちゃ、知り合いじゃなくても気になりますよ」



 同級生の幼馴染で今は敵同士。ライバルの姿を冬夜は静かに見て、そのサッカーをしっかり目に焼き付けようとしていた。






 2次トーナメントの戦いが今キックオフとなり、空川の攻撃から始まる。流石は強豪と言われるだけあって、洗練された速いパス回しだ。



 再び司令塔の8番へと折り返され、そこに影山が忍び寄る。突然詰め寄られ、気づかなかった空川の8番はキープ出来ず、転がったセカンドを間宮が取って立見のボールとする。



 間宮から影山、更に成海へ繋がり、攻守は一気に逆転して立見が攻勢に出た。



 成海へのマークが集中しようとしている。その前に左サイドへパスを送れば、受け取ったのは今回スタメン出場の武蔵。




 成海と豪山に注意が行っている分、武蔵のマークは甘く、左サイドをドリブルで進む。



 高いクロスがゴール前に上がって豪山が頭で落とすと、そこに行く事を予測したのか成海が絶妙なタイミングで走り込んで頭から飛び込む。



 DFの寄せが間に合わず、ダイビングヘッドで狙った球はゴール右隅へ向かう。



 キーパーの伸ばした手はボールを掠めるが、弾ききれずにゴールマウスの中吸い込まれていく。



 武蔵から豪山、成海と守りからの速い攻めで立見が強豪の空川を相手に、開始早々から先制点をもぎ取った。



 立見の応援席は先制点が決まると喜び、大いに盛り上がって声援も大きくなる。



 成海は立見の応援席の前に豪山達と共に行き、喜びを分かち合う。




「先制点ー♪さあさあ守備の皆さん、6試合連続無失点行くよー!」



「分かってるって、お前も緩めんじゃねーぞ!」



 1点が立見に入ると弥一は守備陣へ声をかけていき、間宮も弥一へ気を抜かないように注意する。二人を含めて立見の守備陣は、この試合も無失点を狙う。


 相手が強豪空川だろうと、エースの負傷があってもなくても、やる事に変わりは無い。





「空川、エースが居ない影響はあると思うけど動きは悪くないですよね」



「ああ、新設の立見と違って向こうの選手層は厚いはず。1人エースを欠いたぐらいじゃ崩れないだろ」



 2校の試合を偵察する中、空川の動きは峰山と主務の後輩達から見て、共に動きは悪くないと意見が揃う。それにも関わらず、今押しているのは立見。



 これ以上の追加点は許さんと、空川は必死の守備でゴールを守っていく。




「去年は主に成海と豪山、全国クラスの二人を軸に立見のサッカーが展開されてたよな」


「二人に頼ってたのもありましたし。抑えられたら脆い所があって、負けたりしてましたけど今年はその二人だけじゃない」



 峰山達の目は守備陣へ向けられる。



「DFのリーダーである間宮、右サイドバックの田村。あいつらのゾーンが相当堅い。その前に居る1年の川田も高さがあって守備も巧く、ガタイ良いから競り合いも強い。後は中々気づかれにくいけど影山が色々と良い仕事をして、攻撃でも守備でも機能している。あと……」





「いっただきぃー♪」



 弥一が相手から出されたスルーパスをインターセプト。これで既にこの試合3本目だ。





「……結構良いパスだったように見えるけどな。何故あそこまで、あの小さいDFは読めるんだ?」



 峰山には今のパスが何故、弥一が読めたのか不思議に思える。



「明らかにDF、それもセンターに不向きな体格で小さいですよね。それに補うような読みの鋭さ、今までの相手は多分彼の見た目で侮って読みの鋭さの前に攻撃が沈黙してしまった……といった所ですか?」


「この5試合を空川の方も見てきて此処でチビDFを侮る、なんて事は無いはずだよな。にも関わらず空川を手玉に取ってる。あいつ見かけによらず相当の実力者と見て間違い無いかもしれない」



 試合を見つつ峰山と主務による会話が続き、弥一も警戒しなければならない一人だと真島の間で決定となった。あの異常なインターセプト率を見れば嫌でもそうなるだろう。



 そして弥一が心を読める、当然ながら彼らは全く考えもしていない。






 川田から田村へボールが渡り、サイドを駆け上がると見せかけて中央の成海にパス。成海はすぐに右サイドへ折り返し、走り込んでいた田村が再びボールを受け取れば、かなり大きなワンツーとなる。



「(これぐらいの速さなら!)」



 右足で正確な低いクロスを上げ、速いボールに豪山は右足ボレーで合わせた。


 新たに導入した高速サッカーマシンの特訓で、田村の速い球もゆっくり迫るように見える。



 キーパーの反応が遅れて焦りながら足を出すも、足元をすり抜けて豪快にゴールネットを揺れ動かす。




 追加点が決まれば吠える豪山の元に立見イレブンが集まり、共にゴールを喜んだ。



「GOGO立見~♪GOGO立見~♪」



 応援も益々勢い、そしてノリに乗って歌い続ける。




 2-0。前半終了間際に大きな1点が入ってからハーフタイムを迎え、空川にとっては痛恨の失点だ。





 後半。空川も反撃へ出るが此処でも弥一のインターセプトが光り、更にオフサイドにかけられて攻撃のチャンスが貰えない。



 「大門来るよー!」



 「よし!」



 思い切ったロングシュートを放つも、立見GK大門が正面で受け止めてボールを抑える。



 弥一が相手のシュートを察知して備えられたおかげだ。





 時間は流れ続け、後半30分になると立見ベンチが動く。



 優也がユニフォーム姿となってフィールドに入ると、一際大きな歓声が彼を出迎えた。


 此処まで予選全試合ゴールを決めているスーパーサブにして、スーパールーキーの存在をもう皆が認識している。



 立見の無失点と同時に優也の連続ゴール記録も続いているので、彼にかかる期待は大きい。





 此処まで続けて立見の攻撃を受けている空川DF陣にとって、このタイミングでスピードスターによる速さで掻き回されるのは嫌だろう。



 この10分間で優也はきっちりと仕事をする。




 ボールを受けた武蔵は相手ゴールに向くと、DFとキーパーの間のスペースを狙って蹴る。いち早くスタートを切って、優也が前に居たDFを追い越していく。迫り来るキーパーに対して、開いていた股の間を右足のシュートで通し、ボールはゴールにそのまま転がっていった。




 3-0



 またしても優也がゴールを決めて、会場のボルテージは最高に達していく。脅威の6試合連続ゴールだ。






「ふうん……」



「どうだ? ライバルの活躍にやっぱメラメラ燃えてきたか?」



 冬夜の前でゴールを決めてきた優也。先輩の主務はこれにやはり冬夜は燃えてきたのではと訪ねた。




 すると不敵に笑った冬夜は答える。




「いや? 俺の方が速いなと思いましたね。昔も、今も」





 優也のゴールが決まると空川は希望が絶たれたのか、ガックリと肩を落としてしまい、試合はこのまま終了。



 エースが負傷で欠いていたとはいえ、攻守で圧倒の立見が強豪空川を相手に勝利。2回戦へと駒を進める。



 東京の各強豪も立見要注意だと、いよいよ新設サッカー部も無視されない所までやってきた。




 立見3-0空川



 成海1


 豪山1


 歳児1

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サイコフットボールの応援、ご贔屓宜しくお願いします。

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