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22、外出
玄関から一歩外へ出ると、やはり外だ。結局、なにか買うのに困るような金額ではないということを、どうにか把握した。
「外は初めてだな」
俺はつぶやいた。ここに来てから、ずっと家の中だけで生活していたから、外の光景は初めて見る。何の変哲もない、住宅街の一角だという印象だ。ここだけ切り取れば、表世界か裏世界か、きっと分からないだろう。だが、表札は見たこともない筆記体のような文字で書かれていて、やはり異世界なんだという謎の安心感がある。
その住宅街をすでに慣れているように、マハラは歩き続ける。
「どこに行くつもりなんだ?」
思わず、どこへ行くかわからない俺は、マハラに尋ねた。マハラは3歩ほど先を歩いていたが、そこで立ち止まる。思わず俺も立ち止まり、それからマハラがこちらを振り向いた。
「コンビニ。この辺りだと一番身近にあるお店だし、たまには行かないとね」
コンビニなら、なんとなく雰囲気がつかめる。そうかと俺はホッとした気持ちで言った。どこかわけのわからないところに行くよりか、まだ勝手がわかるレベルの店へ行くほうがはるかにマシだ。




