20、各魔術師、各魔導師
「この世界の魔術師は、公式には魔術師称号と呼ばれる資格になる。魔術師見習い、魔術師、三級魔術師、二級魔術師、一級魔術師、主席魔術師がある。またその上の階級があり、魔導師協会員、魔導師、席次魔導師、高等魔導師ときて、全世界でただ1人の最高魔導師というピラミッド状になっている。また、一部の刺客や階級には人数が決まっているものがある。上から、高等魔導師が10人、席次魔導師が30人ときて、主席魔術師は試験ごとに1名ずつ選ばれる。この主席魔術師は一級魔術師試験が行われるたびに選ばれ、その試験中最高得点を取ったものが選定される。通常は得られない魔導師試験の受験資格が発生することになる。もっとも、実際に魔導師試験を受ける者はそうそうおらんがね」
「そうなんですか」
俺はそう言い返すのがやっとだ。ちなみに、俺の階級は魔術師見習いの下で被召喚者と呼ばれるらしい。特に何かあるというわけではないが、基本的に魔術師にはなれない。そもそも魔術を扱うことができないからだ。だが、何百年に一度か二度、魔術を扱うことができる被召喚者が現れ、魔術師としての刺客を得ることができるそうだ。
ちなみに、魔術師見習いは魔術師試験1次試験の合格者、魔術師は魔術師試験2次試験の合格者。三級、二級、一級魔術師はそれぞれ三級、二級、一級魔術師試験の合格者。魔導師協会員になるためには一級魔術師試験で顕著な成績を得て主席魔術師になるか、何年にも及ぶ研鑽を積み、3名以上の魔導師からの推薦が必要になるそうだ。これで魔導師試験をうけるための受験資格ができるというシステムらしい。
魔導師になるのも、魔導師試験という試験を受ける必要がある。この魔導師という名称、魔術師を導く者という意味らしいが、実際のところ、魔導師の人数が少ないため、一級魔術師や認可を受けた二級魔術師も師匠として魔術師の育成に努めなければならないというのが実情だそうだ。席次魔導師は第一席から第三十席までの30人、高等魔導師はまるで内閣のように、この世界の行政権を握っている。最高魔導師はさながら国家元首だ。ほぼ独裁というほどの権力を持っており、司法権、一部の立法権、行政権の権限が与えられている。もっとも慣習によるものらしいが。
法律というのはあることはあるそうだが、よく変わるらしく、昔ながらの慣習法が息づいている。と、ここまで教えてくれたところで、マハラが財布とかばんを持って帰ってきた。




