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第-?話 現れるは終焉を知らせる大罪

 ■■の変換を開始します、一人目変換完了二人目変換完了……すべての人の認識変換完了、観測者様へこれから■■は大罪へと変換されます。


 君たちは七つの大罪を知っているだろうか、傲慢・強欲・嫉妬・憤怒・色欲・暴食・怠惰、別の言い方をすればルシファー・マモン・レヴィアタン・サタン・アスモデウス・ベルゼバブ・ベルフェゴールとも言える、諸説はあるが。


 まあそれは前提条件だ、ある世界ある島国に八百万の神々という教えがある、その教えは例えば君がこの物語を呼んでいる媒体、それにも神は宿っており大事に扱わないとだめですよ的なやつだ、ならば神の敵対者と言っても過言ではない大罪も八百万に宿っているのかもしれない。


 すべてのものにはそれぞれ犯してしまった罪もあるだろう、ならば八百万の大罪もあるのではないかそうは思わないかい。


 まあこんなところで本題に戻ろうか。


 オーダーがこの地に来て1年経った、オーダーは人が多くいるこの地で人の何たるかを学んだはずだ、それは人の善の部分も悪の部分もしかしオーダーが見たそれはまだ氷山の一角だ。

 

 オーダーは時には隣国へ行き、人を救ったりなどをしていた。まあそんな経験を度々していたので、ここに来てからもオーダーは人間味というものを得ていった。それは罪を得る機会が多くなったことも意味しているが


 オーダーとザブラは家の側を歩いていた、その日はひどく晴れ渡っていて頑張れば遥か遠くの国の首都までも見通せそうなほどだった。


「今日は晴れてよかったね、最近雨ばっかだったしね」


「ああそうだな」


 最近は雨も多く修行もろくにできていなかったので久々にやる予定だったのだ。


「水たまりもないしね」


 ザブラは空を見ている。


「そういえば、あの人見なくなったよね」


「浪人のことか」


「雨が多かったから別の場所行っちゃたのかな」


「貧弱だな」


 まあ昔は雨が降っても、雪が降ってもはあそこで人々は暮らしていたので、ザブラからすれば貧弱なのだろう。


「最近なんか騒がしいよね、シェフに理由聞いても答えてくれないし」


「そういえば食ってねえな、今夜にでも食いに行くか」


「そうだね」


 ザブラがオーダーの方を向くとオーダーはキラキラした目でザブラを見ていた、それはザブラにとってたまらなく可愛かった。


 二人はいつもの稽古場所につくと、準備をし始めた、修業をするにしても戦うところを整備する必要がある。しなくてもいいが久し振りなのだ、少しぐらいはいつもの場所を長く使うために整備位はしてもいいだろう。


 この場所には人があまり来ないので静かなはずだった、しかしその日は少しうるさく感じるほどの音が周りの響いていた。オーダーも気づいたのかあたりを見渡す。


 10度20度30度辺りを見渡し、森に目を配らせたとき人と目があった。1人2人3人、多くの人がそこにいた、胸のあたりには神聖ワクテカ王国の国旗を飾り付けており、ある人は剣をある人は弓をある人は槍をある人は盾を持っていたことから軍人だと一目でわかるようになっていた。


 軍人たちはオーダーに気づかれたのを察するとすぐに弓兵がオーダーに向かって矢を放つ、複数の矢がオーダーに向かうその内の一本は確実にオーダーの心臓を捉え、素早く迫る。しかし心臓に手を伸ばした矢は何者かに防がれた。


 オーダーが目を瞑っていたのを開けると、そこには矢に貫かれたザブラの姿があった、そんな姿を見ても軍人が顔色を変えることはない。すぐに2射目に移り次は複数本の矢がザブラを貫く。


 絶望がオーダーの上に滴り落ちる。


「あ、あ、ああ、あああああああああああああああああ」


 言い表せぬ悲しみがオーダーを襲い、発狂に至らしめようとしていた。


―どうして、どうして、どうして守ったの


「ああ良かった、大丈夫かオーダー」


 ザブラは血をダバダバと流しながら、安堵しきった顔でオーダーに笑いかけていた。それとは対称でオーダーは心が壊れてそうなくらい悲しそうな顔をザブラに向けていた。


―どうして守るの、どうして射つの、どうして殺し合うの


「生きろよオーダー、幸せに生きてくれ」


 ザブラも自身の死期が分かっているようだった。もうオーダーとともにこの先を歩めないことが、脳の奥底で理解してしまっていた。そんな言葉が出るくらいに。


―どうして人同士で、ああ誰かが笑ってる


「あいつ、人を守ったぞ」


 一人の人間の兵士が隣の兵士に心底驚いた顔で喋る。


「獣人のくせに」


 また違う兵士が嗤いながら、恨みがこもった顔で喋っていた。獣人に被害を被ったわけではないというのに。


―どうして、ザブラが私を助けちゃだめなの


―私は⋯あなた達を⋯許さない


 時に彼女は暗転する。


 オーダーは浮いていた、ただ一人浮いていた。憤怒を身に収めながら、人を見つめていた。


 オーダーの周りに闇が影が集まる、闇は輪郭を帯びオーダーを包み込む。それは風通の人には身に余るほど、美しく、醜く、素晴らしい黒であった。


 今ここに『終焉の大罪』が現れた、終焉の大罪がこの世界の終焉を知らせに。


 終焉の大罪は漆黒の目と髪を携え、黒き翼に、神秘を秘めた漆黒のドレスを身に纏っていた。


 終焉の大罪は人を見下ろし、手をかざす。すると兵士達は足からどんどんと消え去り終焉を迎えた。下をもう一度見るとそこにはザブラだけが残っていた。


 そこに、違う罪を背負った一つの大罪が現れた。


「終焉の大罪よ、我が名は時の大罪貴方の配下であります。私は何をすれば」


 終焉の大罪は前を見渡し、時の大罪に目配せをする。その目配せで時の大罪は全てを察したようであった。


「わかりました」


 時の終罪が指を鳴らす、その瞬間この世界の時は完全に停止した。


 終焉の大罪が遠くを見るとそこには勇者がいた、こちらを見て剣を抜き出そうとしている所で止まっている。


 オーダーは勇者に届くように力を使って囁く。


「遅すぎたんだよ勇者」


 オーダーはそれを言った後再び停止する。終焉の大罪が目を見開き、時の終罪が行ったように指を鳴らす、するとすべての生物が心臓から黒に染まっていき、完全な闇へと姿を変えた後に、この世界に傲慢たる生物の終焉が訪れた


 そして終焉の大罪は手を地面にそして水にそして空に触れた後に起こったのは終焉の大罪とザブラ、そして時の大罪のみを残した。


 時の大罪が終焉の大罪に問うた。


「アレはどうするのですか」


 終焉の大罪は弱りつつある自我のもと、灰色の瞳で時の大罪を見つめた。


「何をするおつもりで?」


 時の大罪は終焉の大罪を睨む。終焉の大罪は羽を落としながら時の大罪に近づきながら、時の大罪へと手を伸ばそうとした。


 時の大罪は舌をつきながら、この世界の時をめちゃくちゃに壊そうとした。


「へえ、私の考えていたことを予想ううできるくらいの頭は持ち合わしていましたか」

 

 時が崩壊するさなか、終焉の大罪は時を終焉に帰させ、ここより前と先の時を終焉に導いた。時の大罪は思考もままならぬ中、夢見心地に終焉に向かってしまった。そして今このとき、時の大罪は終焉の大罪の一部と成った。


 世界はそのまま終焉に導かれ、跡形もなく消え去ってしまった。そしてザブラは支えをなくし、広大な虚無の地へと近づいてゆくのだった。


 終焉の大罪は手を取ろうと、少しずつ闇の輪郭を外しザブラに近づき、空にいるザブラに対し、手を近づかせ、傷ついたザブラを抱きしめた。


「ザブラ」


 オーダーの声が漏れる


「オーダー」


 ザブラは足からどんどん終焉に向かっていた、終焉の大罪によって。それに気づいたオーダーは闇を体から放出しながら涙を流した。


「ザブラ、ごめん」


 オーダーは終焉の大罪の罪を背負った。


「大丈夫だ、オーダー」


 どんどんどんどんザブラの体は終焉に近づく、それを終焉の大罪たるオーダーが止めることはできなかった。


 ザブラは全てをオーダーに託す準備を始めた。胸はもう露出しているというのに


「オーダーお前は頑張って生きろ、これがお前の原罪かもしれねえ。けどお前が行った善行をお前の根っこの部分を信じてる、あの黒色野郎じゃなくオーダーをだ。救え今お前が殺した人の倍を何倍も救って救って救え、この世界に、お前の中に一つの秩序を作れ。そしたらまた何処かで会おうなオーダー、俺はお前を愛して」


「る」と言おうとしたときザブラの体は終焉に帰した。崩壊させた体からは細かい塵が出ることもなく、触ろうとしてもそこに存在しないものは触れなかった。


 今ここにオーダーの罪が加算された。


 罪が消えることはない、どれだけ善行をしようとも


 罪が軽くなることはある、雀の涙ほどの善行で


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