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プロローグ
少女が一人、立っていた。
―私は、一人立っている。初めて見た景色はどこまでも続く闇、昔のことは思い出せないというと語弊がある。私は確実に覚えていた、私が歩んだ道を物語を出会った人々を、しかしそれはお風呂の栓を開けて、入っている水が外に流すように、記憶はいつしかすべて消えてなくなり、思い出せなくなる。残ったのは、常識と私の名前だけ。
少女の目の前には、一つの機械がある。例えるならばSF映画などで見る、コールドスリープの設備だろうか。少女はその機械を一瞥し、その使い方を思い出した。
―私はあれを知っている。あれはきっと私に必要なものだった。きっとあれは私が欲しいものをくれる、そんな確信が私の脳内を満たす。使い方は知っている、私ならきっと使える。
少女は機械に触れる。よく機械を見てみると、そこには世界転送装置試作機、世界転移と書いてあった。
―私の夢は何だったんだろうか。思い出せないが、一つ夢ができた。私は誰かを助けたい。




