↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
71/186

71,一生の宝物と甘く濃密な時間とすっぽんぽん

 伸が、少し照れくさそうに言う。

 

「細いけど、一応プラチナだよ。ユウに持っていてもらいたいと思って」


「あ……」


 うれしいのと驚いたのとで、チェーンを持つ手が震え、鼻の奥がツンとする。

 

「ありがとう! 一生の宝物にする」


「一生だなんて、大げさだな」


 そう言いながら、伸もうれしそうだ。

 

 有希は、チェーンを持った手を差し出して言った。

 

「伸くん、着けて」


「じゃあ、向こう向いて」


 伸が、有希の首元にチェーンをかけて、後ろで金具を留めてくれる。有希は、伸に向き直って言った。

 

「どう?」


「うん。よく似合っている。もう少しボリュームがあるほうがいいかと思ったけど、ユウの細い首には、ちょうどいいかな」


 有希は、しなやかに肌になじむ繊細なチェーンに指先で触れる。

 

「僕もこれ、すごく好き。うれしい。もうずっと外さないよ」


 すると伸が、いたって常識的なことを言った。

 

「でも、学校には着けて行けないだろ? 校則違反になるんじゃないか?」


「シャツの中に入れて、ちゃんとネクタイを締めておけば、外からは見えないから大丈夫だよ。あっ、でも、体育の授業のときは外さないと駄目かな」


 これがあれば、伸に会えないときも、いつも伸を近くに感じていられる。もしかして、そういう意味で、寂しがる有希のために、伸はこれをプレゼントしてくれたのだろうか……。

 

 ふと顔を上げると、優しい眼差しで伸が見つめている。

 

「伸くん!」


 有希は、伸の胸に飛び込んだ。

 

「大好きだよ」


「ユウ」


 見上げると、ゆっくりと伸の顔が近づいて来る。唇が重なり、甘く濃密な時間が始まる……。

 

 

「伸くん。お願い……」


 唇と唇が離れた後、有希は、吐息混じりに言った。体の奥のどうしようもない疼きを、伸になんとかしてほしい。

 

 伸は、黙ったまま有希の肩を片手で抱き寄せ、奥の部屋へと向かう。有希は、ベッドの手前で、着ているものをすべて脱ぎ捨てた。

 

 体の中心部が、すでに変化しているが、それを恥ずかしいとは思わない。自分は伸のことを愛していて、今、伸のことがほしくてたまらないのだから、こうなって当たり前だ。

 

 伸は、自らもシャツを脱ぎながら、裸になった有希を、濡れた瞳で見つめている。

 

 

 体が揺れるたび、首のチェーンもさらさらと揺れる。ひとつになった伸と有希の動きに合わせて、有希の喉元を優しく愛撫するように。

 

 切ないほどの快感に身をゆだねながら、有希は思う。

 

 これは、僕と伸くんを繋ぐチェーンだ。たとえ離れていても、このチェーンを着けている限り、僕と伸くんは、心も体も繋がっているんだ……。

 

 

 

 伸が風呂を沸かしてくれていたので、終わった後、一緒に入った。例のごとく、風呂の中で、再び淫らなことをして、ずいぶんと長風呂になり、汗だくになった。

 

「顔が真っ赤だよ。大丈夫?」


 伸が、ふかふかのバスタオルを渡してくれながら言う。そう言う伸も、首筋や裸の胸に、汗の雫をしたたらせている。

 

「暑い……。ねぇ、アイスある?」


 有希の言葉に、伸が微笑む。

 

「あるよ。ユウの好きなやつ」


 裸のまま、肩にバスタオルをかけて冷凍庫をのぞいていると、腰にバスタオルを巻いた伸がやって来た。有希は振り返って言う。

 

「伸くんも食べるでしょ?」


「うん」


 有希は、ファミリーパックのアイスバーの箱を開け、中から二本取り出して、一本を伸に差し出す。

 

「はい」


「ありがとう」


 アイスバーを袋から取り出しながら、伸がくすっと笑う。

 

「ユウ、子供みたいだね」


 有希は、アイスバーをしゃぶりながら聞く。

 

「え、何が?」


 風呂上がりにアイスを食べることだろうか。だが、伸が言った。

 

「そんな恰好でうろうろして」


 有希は、アイスバーをガリっとかじり、咀嚼しながら言う。

 

「すっぽんぽんでってこと? おかしい?」


 伸には、体の隅々、それこそ自分では見たことがない部分まで知られているし、恥ずかしい状態になったところも、数えきれないくらい見られている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。