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おっさん、魔王の玉座になる -幼女魔王と一緒に座っているだけでレベルMAX!-  作者: 椎名 富比路
第四章 「おさんぽ」という名の迷宮探索

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第60話 魔王からの指令

「話は分かった。その上で、一つ聞きたい」


 指を一本立てて、チサちゃんがヱッチに質問した。




「どうぞ」





「エィハスが傷ついた。それはプランの一つか?」


 尋ねながら、チサちゃんはヱッチを外に出す。






「個人的な事情だ。言っただろ。女の子になりたいと」




「たったそれだけの理由で、わたしの友達を危険にさらした?」





「冒険に、犠牲はつきものだ。キミらも冒険者なら、それくらいの覚悟はできているだろ?」





 やはり、彼は敵だ。





「ギルティ。ダイキ、【スキル:黒龍拳】発動!」




 ボクの両手に、黒い龍の模様が浮かぶ。


 両腕が、目の前の敵を打てと命令してくる。




 指図されるでもなく、ボクは戦闘態勢に。




「うおお!」




 ボクは容赦なく、エルフゾンビに連続パンチを浴びせた。


 急所とは言わず、全身スキマなく拳をぶつける。





「なぜだあっ!」





「仲間を傷つけるヤツには容赦しない!」


 トドメに、全力アッパーを叩き込んだ。





 エルフのゾンビは、空高く舞い上がる。




 突然、ブラックホールのような空間が、空に現れた。




 力を失ったエルフゾンビは、ブラックホールに抵抗せず、吸い込まれていく。




「あのゾンビは? 逃げた?」


「パパが回収した」




 改めて、冒険者ギルドにヱッチ討伐を報告する。




「おめでとうございます、ダイキ様。レベルが五アップしましたよ」





 またスキルポイントが増えたけど、まだ使わない。


 試練があるって言うなら、温存しておこう。


 時が来たら、一気に。




「では明日、装備を必ずお持ちください。強化させていただきます故」




「はい。よろしくお願いします」




 ドワーフたちは帰って行く。




 残ったのは、ギルドの職員だけ。




「申し訳ありません、チサ様。なんなりと処罰を」


 受付嬢が非礼を詫びた。




「処罰はヱルダー・リッチに全部押しつけた。ギルドはパパに利用されていただけ。それでいい」




「ありがとうございます。今後、このようなことのないように努めます」




「お返しはパパに全部やり返す」


 チサちゃんが、空をねめつける。






 夕方、ボクたちの元に魔王から課題が出されていた。


「チサ様、これを」


 セイさんから、紙を渡される。




「指示書によりますと『生産スキルで無双せよ!』とのことでした」




 無双って言われても。




「村の生産物は、オレンジと麦、カボチャ。畜産は鶏がメイン、肉牛と乳牛が少々」




 それ以外の産業は、パッとしない。


 オレンジのジュースは売れているが。




「まさか、大きいカボチャを育てて売りましょうってのはないよね?」




 地球では、農家の人がオバケカボチャを作る競争をしているけど。




「競技性は求められていない。売り上げや市民への貢献度が一番大事みたい」




 成果主義なんだね。




「ボク、生産職スキルなんてロクなの取ってないよ」




 せいぜい、地球のリアル知識があるくらいだ。


 しかし、この地で通用するかどうか。




 その成果は、後日試されることになる。

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