いざ行かん、海底神殿!
「チサ……本当にそれでいいの? あなた一人で解決できる問題じゃないのよ?」
「ここで親の手を借りたら、わたしは自力で王になる資格がなくなる気がする。これは、わたしに与えられた試練。わたしが解決すべき問題」
あくまでも、自分のことと捉えているようだ。
「ボクも同じ意見です、ロイリさん、亜神さん、お二方の好意はうれしいのですが、甘えるわけには」
『そうか。そこまで言うなら、手助けしない。それでいいか?』
「ありがとうございます」
話がまとまりそうな所で、亜神が付け加える。
『ただ、本当にダメだと思ったときは手を貸す。それでよろしいか?』
「構いません。よろしくお願いします。でも、どうして?」
『子を心配せん親はおらん。今回のケースは、ホンマにあかんのや』
どうやら、神でさえ把握できない問題が生じたようだ。
「とにかく、お気を付けて。我々も、早急に原因を突き止めます。それでは」
ロイリさんが、去って行く。
「ダイキ、ごめんなさい。ワガママを言って」
「ボクはチサちゃんの意見に賛成だ。自分のことだもんね。これは、チサちゃんの、だけじゃない。ボクたちのワガママだ」
でも、パーティのみんなにまで責任を押しつけるつもりはなかった。
「エィハス、ここから先は危険だ。みんなは外で待ってた方が」
「何を言うか。ここまで来たんだ。ついて行くぞ」
武装し直して、エィハスは帰ろうとしない。
「オンコも、同じ意見?」
「もち。海底神殿のお宝を拝まずに帰れるかっての」
上腕を撫でて、オンコは力こぶを作る。できていないけど。
「二人を説得してよ、ゼーゼマン」
「今日ほど、仲間の絆を感じたことはないのである。早く行くのである」
危機的状況には極力立ち入ろうとしないゼーゼマンまで。
「ダイキさん、これはもう、あなた方個人の問題ではないのです。第二層全体、いや、この世界全体の問題なのです。我々が一人一人取り組まねば、全滅も不可避かと」
神妙な面持ちで、ベルガが告げる。
「分かった。でも、危なくなったら全力で逃げて! お願いだから」
もう、みんなまでカバーすることはできない。ボクはハッキリと告げた。
「もとより、覚悟の上」
息巻くゼーゼマンに続き、オンコが自分の顔を叩く。
「やったろうじゃんっての! ビビっても前に進めないからさ!」
「魔王もダイキも、命の恩人だ。今こそ恩に報いるとき!」
装備を確認し、エィハスも行く先を見据えた。
「ダイキ、わたしたちは素敵な仲間を持った」
「そうだね。みんな、ありがとう!」
じゃあ行こう。海底神殿へ。




