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妖狩:特異超常現象捜査課  作者: 定春
シーズン2

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EPISODE 73「Crimson blaze(紅い炎)」

風雅は何者かによる衝突事件の犯人と思われる烏人間ことクロを追い詰める。


しかし自らを弾丸にして突っ込むクロの術式「“黒鳥弾頭バードストライク”」をくらい、身動きが取れなくなってしまった。


そして一度人間態に戻ったクロが風雅に見せたのは、手の甲に刻まれた「16」という数字。

彼もあの日財団HANDの人体実験の被害者の一人であった。


しかしクロは力ない人たちのために力を使うのではなく、力なき人間たちをこの地球から絶滅させるために力を行使しているのだ。


クロは再び“武装”して鳥人間の姿となり、身動きができない風雅に向けて黒い羽根を飛ばした。


絶体絶命のピンチに陥ると思ったその刹那、風雅の目の前で羽根が燃えて地面に落ちたのだ。

そして彼の背後から現れたのは、頭にゴーグルを付けた赤髪の青年であった。


「追い詰められるなど、君らしくないな風雅。」

「お前…!」


「その髪の色、まさかお前は…!」


妖狩エージェント:『朱雀』、ミッションを遂行する!」


突如現れた新たな妖狩エージェント。彼は『朱雀』と名乗り、周囲には紅色の炎のようなオーラが立ち昇り始めた。


「『朱雀』、“武装”!」


と唱えると、彼の腰に一本の刀が現れた。銀色の刀身に炎の装飾があしらわれた赤い刀だ。



           「形態モード:“炎刃カグツチ”」



『朱雀』は刀を抜いてクロの元へと走る。

クロは一切の躊躇なく、黒い羽根を投げつけるが、それらを全て切り捨て、クロの体を斬りつけたのだ。


切られた部分からは炎が点き、燃え盛る。


「ぐあぁ!熱い、熱い!!」


そして掌をクロの体に当てた。その瞬間掌から炎が発射され、クロの全身を紅い炎が包み込んだ。


火だるまになったクロは熱さと痛みに悶絶しながら転げ回る。

そして地面から「“黒鳥弾頭”」を発動して、風雅のいる池の方へ突っ込んだ。


自身に纏わりつく炎を消火できたクロは、そのまま漆黒の翼を広げて大空へと羽ばたき、そのまま飛び去っていった。


『朱雀』はそのまま追うことなく、“武装”を解除して池に浸かった風雅に手を差し伸べた。


「大丈夫か風雅、立てるかい?」


「ありがと、でもパンツまでぐっしょりだ気持ちわりぃ…。ところで、追わなくて良かったのか?お前だったら追って瞬殺できたろ。」


「相手が何者か分からないのに殺してしまっては意味ないからな。」


「相変わらず頭かったいのね。」



一方八雲邸にいる花は雷牙が買ってきたスイーツを作戦室の冷蔵庫から勝手に拝借しようと、侵入した。

冷蔵庫へと手を伸ばそう、したが、誰かの気配を感じた。


ゆっくりと首を横に向けると、不気味なオーラを放つ謎の黒ずくめの人物が立っていた。

顔にはペストマスクを着け、身長は2メートル近いバスケ選手並みの長身、そしてその場から一切動かない。


不気味そのもののような存在が花のことをじっと見つめていた。


「どどどどちらさま…!?」


「……。」


謎の人物は何も喋らなかった。しかし、黒いローブの中で何かが動いた。

腕だった。黒い手袋をはめた指が何かを指していた。


その指の方向にだんだんと目線を合わせていくと、花が今手に持っているプリンに向けられていた。


「もしかして、これ?プリン食べたい…の?」


マスクの人物はゆっくりと頷いた。

花は恐る恐る近づいてその手にプリンを乗せてあげた。

すると今度はとてつもないスピードでプリンを回収し、花から一歩下がった。


ローブが大きすぎて足先さえも隠しており、まるで浮いているように移動して見える。


「だ、誰なんだろこの人…風雅くんの知り合いなのかな…というか何も喋らない!」


花も怯えて何も動けなくなっていた所に、作戦室の扉から風雅と『朱雀』が帰還した。


「あっ、風雅くん!…とまた誰!?」


「こいつは妖狩エージェント:『朱雀』こと、紅 アスカくんでーす!とにかく真面目な坊っちゃんだ。」


「やめろそういう言い方。ところで、『器』を見つけたようだな“ナユタ”…!」


黒ずくめの人物はナユタと呼ばれ、再びゆっくりと頷いた。

それを合図と受け取ったアスカは再び“武装”して刃を花に向けた。


「おい何してんだよ!」


「彼女は一度厄災となった。君には悪いがここで処分させてもらう。」


「お前遠征ミッションで頭打ったか…この子は厄災なんかじゃねぇ、花ちゃんだ!」


風雅はアスカを止めようと肩に手を置いた瞬間に刀の柄で彼の鼻を殴打した。

鼻血が出ようが今度はアスカの腕を掴んでなんとか花から引き剥がす。


「花ちゃん逃げろ!」


花は作戦室から出ていこうとするが、ナユタはローブの中から銀色の針を飛ばして花の周りを囲んだ。


「そうだった…特異課で一番厄介なやつがいたんだった。ナユタ、絶対その娘を殺すなよ…殺したら、お前の大好きな兄貴を俺が殺す…!」


ナユタに向けて殺気を放ち、一瞬たじろいだのか、金属の術式が少し弱まった。


その時だった、琥珀と凱がたまたま八雲邸に帰ってきた。


「うぃーす邪魔するぜぇ兄弟…はぁ!?」


「あんたら何やってんのよ!」


琥珀はすぐに重力を使って二人の動きを封じて、凱が花を保護した。


「おいアスカぁ久々に会ったと思ったら、何兄弟のダチ襲ってんだ!」


「頭、俺たちは悪事を働く妖を狩る妖狩エージェント…支配の厄災が消えても彼女が第二の厄災となる可能性があるのだ!」


「アスカ、今はそんなことしてる場合じゃないだろ!俺たちはNo.16を…クロのことを解決するのが先じゃあないのか!」


「風雅、俺は知っているぞ。君、厄災だけではなく鴉丸先生を殺した奴と親しくしているらしいじゃないか…そこまで堕ちたか!」


「堕ちたのはお前さんだ。シンはボスを殺してねぇし、花子は厄災になるような奴じゃねぇ!兄弟どうするよ…。」


「仕方ない、殴って頭冷やさせる!」


風雅はアスカの腕を引っ張って扉の中へと入っていく。

凱たちも後を追って扉をくぐった。



ワープドアによって転送されたのは、「きさらぎ駅」でも訪れた異界だった。

しかし山村のような異界ではなく、荒野のような場所で二人は取っ組み合いながら荒野の坂を転がり落ちていった。


凱たちやナユタも異界の荒野に訪れ、二人の大喧嘩を観戦することになった。


「おいおいなんだこんなことに…。」


「アスカ、焦ってる…鴉丸が死んでから焦ってる。」


とノイズ混じりの声でナユタが呟いた。


「本当はあなたのことを襲いたくなかったの…ごめんなさい。」


ナユタは花に謝罪し、花はそれを怒らずに受け止めた。


「アスカ、昔からちょっと不安定な所があるんだ。」


そして再び刀を抜いて風雅と対峙する。


「なぁアスカ落ち着けよ!」


「これが落ち着いていられるか!恩師の死に目に会えやしなかった俺の気持ちが分かるか!!」


怒りを吐き出したと共にアスカの体は炎に包まれた。刀身にも炎が伝わり、炎の模様がより赤く染められた。



          ー「“イグニッション”」ー

『朱雀』こと紅 アスカの術式。自身の身体を“点火器”に見立て、妖力を炎に変換することが出来る。



「俺を…怒らせるなよ!!」


そう言い放ったアスカは刀を構えて、風雅に向かって斬りつけるのだった。


      EPISODE 73「Crimson blaze(紅い炎)」完

           次回 第74話

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