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【連載】Dark × Marriage[ダーク×マリッジ]〜死せる花嫁と漆黒の護衛騎士〜  作者: シロヅキカスム
▼ショートカット/シナリオ版 

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シナリオ #01

 その少女の名は、フィオナ・ベルベット。


 交易都市ドレシアを中心とした領地一帯を治める侯爵、イゴール・ベルベット卿のひとり娘です。


 母親はフィオナを出産後すぐに亡くなり、父親は仕事に一辺倒の人物であったため、彼女はとても孤独でした。

 館での唯一の相手といえば、お付きとして迎えられた少年──ディオス・シュスだけです。


 七歳になるとき、さらなる悲しみが彼女を襲います。


 父のイゴール卿が再婚したのです。

 継母とアマンダと、その連れ子で義妹となるリリアという新しい存在は、少女の心に暗い影を落としました。


「ああ、ついにわたしはお父さまから見捨てられてしまったのね。

 継母に、血のつながらない妹……きっと、手ひどく虐(いじ)められるにちがいないわ」


 かわいそうなフィオナ嬢。


 継母らを館に迎えるその日、彼女はディオス少年とともに、亡き母の部屋に忍んでいました。


 肖像画でしか知らない母の姿──そのぬくもりが残る夫人部屋に出入りできるのも、今日かぎりです。

 馬車が到着するまでの時間……フィオナは思い出のつまったこの部屋で、従者の少年にみずからの考えを打ち明けました。


「わたしは哀れで無力な子ども……。

 でも、そんなわたしにもたった一つだけ、ほかの子どもにはない『特別なもの』を持っているの」


 それは『侯爵令嬢』という、高い身分でした。


 しかし、身分を持っているだけではダメです。

 より価値のある存在になるためには、教養を身につけ、稽古ごとに尽くし──その品格を輝かせなければなりません。


 貴族の令嬢として、最上の『白嶺(しらね)の華(はな)』を目指すこと。


 愛されない自分が幸せになるには、それが唯一の道であると、少女は少年に語ります。


「花はか弱いの。ディオス、あなたはわたしを守る剣に──護衛騎士になりなさい」


「……はい」


 華と生き、剣と生きる。


 フィオナ嬢と、従者ディオス。

 二人の子どもは互いに、己の運命を誓い合うのでした。

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