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吸血鬼が始めるダンジョン経営 ~アトラクション化で効率的に魂採取~【祝8万PV】  作者: 近衛 愛
第10章 物の怪の新たな人材と朝活デビュー

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【078】営業6日目 営業開始その4 朝活デビュー

「にゃ~。ミリィもついにニャンスタデビューにゃ~」


「ということで、これ渡しておくね。」


 と使っていないスマートフォンを渡した。アカウント名は『ダンジョンマート金沢店』に設定した。


「やったにゃ~やったにゃ~。ミリィもスマホゲットだにゃ~」


 自分のスマホが出来て大喜びである。といっても契約してないから、wifi経由でしか使えないんだけどね。それでも自分だけの電話とかって嬉しいものだよね。


「では、宜しく頼みましたよ。ニャンスタ広報営業部長ミリィ殿。」


「はっ、にゃかりましたにゃ~」


 語尾がにゃ~だとしまらないものもあるが、付き合ってくれて感謝する。僕のスマホでも早速フォローしておく。動向はパソコンからだけじゃなく、自分のスマホでもたまにチェックしておきたいからね。


 さて、ダンジョンの流行などはこれでミリィがチェックしてくれるとして、問題は、その増えた場合の人員の対応だよな。最近は朝はシフト表やダンジョン設計をしていて、時間がとれないし、夜は夜で雪山ダンジョンのテストプレイ(息抜き)をしているから、まったくもって人材を探しに外に出歩く時間がとないんだよね。どうしたものか。


 ◆ ◆ ◆ 翌日 ◆ ◆ ◆


 結局昨日も、天魔さん雪那さん、ミリィの4人で温泉のテストプレイという名の一時交流をしに行っていた。もちろんテストプレイも兼ねているので、修正した温泉の温度が適切かどうかを確認したし、雑談とはいいつつも結局、どうやってこの温泉をもっと心地よく使えるかというガチの経営談義(度を超した趣味)とも言う。


 そのガチの談義内容に関しては、就業時間中にデザイン設計をすることになり、また夜にテストプレイするのだという。この分だと、スキーのテストプレイもガチで休日を1日潰してやることになりそうかな。


 今日はいつもより1時間早い5時にアラームをセットして起きている。今回は天魔さん雪那さんの二人には、朝は出かけるのでいないよと伝えてある。私服に着替えて、出かけようと受付ホールまで降りると……。


「「オーナー(ウィーンさん)おはようございます」」


 とその二人が既にそこにいた。天魔さんはスーツ姿、雪那さんは雪女の衣装の白い着物姿である。


「お二人ともおはようございます。それにしても早いですね。どこか行かれるんですか?」


「どこ?って決まっているじゃないですか。私も雪那さんもウィーンさんのお共で一緒について行くんですよ。」


「そうですよ。一人だけ、面白そうな所には行かせませんよ。」


「いや面白そうな所って、石川の物の怪の会合にちょっと参加してくるだけですよ。それも、物の怪のスタッフを探しに行くので、私用というよりは仕事に近いんですよね。」


「人を探しに行くなら、一人よりも二人、二人よりも三人ですよ。それに欧州の物の怪の吸血鬼がいきなり来たら、びっくりするかもしれませんので、日本古来の物の怪である天狗の私と、地元癒着型の物の怪である雪那さんがいてくれた方が、きっと受け入れてもらいやすいですよ。」


「それもそうですね。実は初めて行くところなので、緊張していたので、お二人が来てくれるととても安心できます。」


「そうでしょ。そうでしょ。さっさっ、せっかくなので早く行って、初めから参加しちゃいましょう」


 と雪那さんが急かしてくるので、僕達は足早に目的地のカフェへと向かった。


「カラン、コロン」


 扉を開けると、鈴が鳴った。


「おはようございます。物の怪の朝活に参加の方ですか?」


 元気のよい明るい女性が声をかけてくる。


「はい、そうです。3名でお願いしますね。」


「わかりました。こちら、種族とお名前を書いて下さいね。参加料金はお一人500円になります。食事はそちらにあるパンをお好きな物を2つと珈琲またはお水を持って行ってくださいね。セルフサービスになります。席はご自由にお座り下さい。」


 僕達は一人一人、名前を書いていき、パンとコーヒーを持ってテーブルについた。バラバラに座るかどうしようか迷ったが、せっかくなので集まって座り、各自が参加者に挨拶に言って情報を集めてくることになった。


 天魔さんは、さっそく色々な方に挨拶をしに行った。名刺を交換している…………。ここってビジネスの場なの?いや確かに、経営者や従業員の方も来るって聞いてたけど、名刺交換までするんだ。あちゃ~、僕は名刺持って来てないよ。そういえば従業員候補を探して、どうやって連絡するかを考えてなかったや。名刺があれば、必然的にそのやりとりで相手のお名前や仕事の内容も連絡先まで分かるから、確かに名刺は会った方がよかったかな。


 雪那さんは、せっかくなので女性のお友達を作りにいったようだ。高校生くらいの女性と早くも話に花を咲かせてキャッキャッしている。ふ~こっちは、名刺交換はしていないので、マストではないようだ。よかった。


 郷に入っては郷に従えというが、そもそも日本の風習に慣れていない上に、完全にアウェーなので、どうしていいかわからず、天魔さんと雪那さんを見ていただけになってしまった。


「おはようございます。初めての方ですか?私、リンって言います。みんなからは、リンたんって呼ばれているので、そう呼んで下さいね」


 と言って、挨拶と同時に名刺を渡してきた。

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