【055】雪山と雪女と・・・その1
昨日は結局ご飯終わったら、すぐ寝てしまったな。制御室で報告書を書き乍ら、夜ご飯を軽くつまんでそのまま寝落ちしてしまったようだ。
背中には風を引かないように、薄いシーツが掛けられている。ミリィが気をきかせてやってくれたようだ。6時に起きたは起きたけど、開店準備は9時からすれば間に合うので、それまではゆっくり出来そうだ。
ミリィは、冷たいクーラーの風がびゅんびゅんあたるソファーの上で毛布を被って眠っている。なにがそうまでクーラーを求めているのだろうか?
そうだ。忘れてた。サクラちゃんに新しい子が入ったって連絡してないや。昨日、一昨日は全然眠る時間もなかったし、朝から雪那さんの新人教育に、天魔さんにダンジョンマートの案内してて、バタバタしてたもんな~。MOILEで報告しておこう
『サクラちゃん。おはようございます。昨日うちにヨシさんからの応援1名と、新人の雪女さん1名と人間のバイト2名が新しく加わりましたよ。朝からバタバタしてましたけど、スタッフが入ってくれたおかげで、今日からのんびりできそうです』
これでよしと。人間の子二人がダンジョンの秘密を探っているのは言わなくていいよね。心配させてもしょうがないし。サクラちゃんにはいつも笑顔でいてもらいたいからね。そうそう、天魔さんから昨日の終礼でこんなことも言われたんだた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「オーナー。僕たちスタッフの食事は準備しなくてもいいんですよ。」
「えっ。初日、二日目はスタッフ分全部用意してたから、てっきりお店で準備するもんだと思ってましたけど。」
「それは、一日目、二日目がバタバタして忙しいから、短時間で済ませられるようにという配慮と、各支店からのオーナーの応援だったからですよ。僕たち一般の平常時のスタッフまで用意することはありません。オーナーの負担が増えるだけですから。」
「それもそうか。では、明日からは各自で昼食等用意お願いしますね」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ってやりとりがあったんだ。確かに全員分の食事用意してたら、時渡さんや天宮君の分も追加で購入することになって、朝の買い出しが大変なことになってたよ。てな感じで僕は昨日買っておいた残りの物を朝食にして食べていた。
「コンっコン」
「おはようございます。雪那です。」
おっと雪那さんまだ6時なのにもう起きているんだ早いな。
「は~~~い、今開けますよ」
扉のとこまで行って、鍵を外して扉を開ける。
「雪那さんおはようございます。朝お早いんですね。」
「えぇ、雪女にとって眠ることは大して重要ではありませんからね。」
「それで、どうしたんですか?」
「はいっ、せっかくなので、お食事を一緒にどうかと思いまして」
「あぁ~、そうなんですね。僕も今食べていたとこなんですよ。さっ、ぞうぞ」
と言ってテーブルと椅子の所に案内した。ソファーはまだミリィが眠っているからね。
雪那さんは大きな買い物袋をテーブルの上に置いた。
『どさっ』
「結構な量を買われたんですね。何をそんなに沢山買われたんですか?」
「ウィーンさんが昨日買ってくれたかき氷が思わぬ美味しさでしたので、教えてもらったコンビニまで行って買って来たんですよ。」
と中からレモン味のかき氷、抹茶味のかき氷、シロクマ君アイス、ピノ、ガリガリ君など氷系のお菓子が山ほどでてきた。
思わず引いてしまった。
えっ、雪女さんって、こんなに沢山氷を食べるの?いくらなんでも食べ過ぎではないですか?それに砂糖結構入ってますし、糖尿病にならないかな?って、そもそも雪女さんって、新陳代謝とか、病気とかってあるのかな?ちょっと女性には僕は聞きづらいかも。
「すっ凄い量のアイスと氷の山ですね。全部朝に食べられるんですか?」
「はいっ。あっ、ウィーンさんが食べたいのあったらどれでも食べて下さいね。」
「はははっ、ありがとうございます。ではこの抹茶アイス頂きますね」
いや、欲しいから言ったのではないのだが、そんなに純真な笑顔で勧められると断れないな。
朝は僕はアイスは暑くても食べないんだよね。昼とかお仕事した後とかに食べたくはなるんだけど。でもせっかく勧めてくれたんだし、断るのも悪いから抹茶アイスの袋を破って口に入れる。
「あっ、この抹茶アイス美味しいですね。朝から食べるのも頭がすっきりしていいですね」
「そうなんですよね。それに私もそれ美味しそうだなって、目をつけてたんですよ。確かもう1個買ったと思うんですよね。」
と言って、袋の中をごそごそ探し始める。
「あれっ、ないな~、オカシイな。もう1個確かに買ったと思ったんだけど。」
「あっ、なんかお目当ての物取っちゃったみたいですね。僕が口を付けちゃいましたけど食べますか?」
「う~ん、なんか勧めといて、逆におねだりする形になってしまいましたね。でも、味は気になるので一口だけ。」
と言ったので、僕は雪那さんの方にアイスを差し出す。僕はてっきり手に取って自分で食べてくれるものだと思っていた。
雪那さんが顔にかかっていた白い前髪を分けて、アイスに当たらないように手で押さえて、そのまま「えいっ」と可愛らしい声で、アイスを一口食べた。
「う~~~ん。美味しいですね。抹茶アイスもいけますね。」
ありゃ~、なんか恋人同士の「あ~~ん」みたいな光景になっちゃったぞ。でも、雪那さん気にしてないみたいだし、僕もそんなことは考えないようにしよう。
「ウィーンさん。ダンジョンの2階の雪山どうするかって決めました?昨日の終礼でデザイン設計を進めるって言ってましたけど。」
「えぇ、朝の時間も空いているし、今からちょっとだけやろうかなって思ってたとこだったんですよ。」
「よかったら、私も一緒にデザイン設計してもいいですか?自分の寝ているフロアだけ合って、やっぱりちょっと気になるんですよね。」
「えぇ、いいですよ。僕一人のアイデアでは、多分難しいので、女性側の意見も取り入れたいと思ってましたから。こちらから逆にお願いしたいくらいですよ。1Fの砂漠はミリィが手伝ってくれたおかげで、女性陣には大好評でしたから。」
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