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吸血鬼が始めるダンジョン経営 ~アトラクション化で効率的に魂採取~【祝8万PV】  作者: 近衛 愛
第6章 新しい仲間との新たなる船出

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【048】新しい仲間との新たなる船出 その4

「雪那さんでは、行きましょうか。受付の机の引き出しに、整理番後の札がありますから、それを持って行きましょう。そう、そうそこの引き出しを開いてくださいね。」


「はいっ。あっ、この番号が1って書いてあるボックスに入っているものですか?」


「そうです。行列でトラブルが起きる原因としては、並んでいるお客様の入る順番が前後することです。せっかく長いこと並んでいたのに、後から来た人が割り込んで、自分の前に並んでしまうとイラッとしてしまいます。そうならないように、こちらの整理番号を配布して対応してます。」


「なるほど、ではその整理番号を配布してくれば宜しいですね」


「では、さっそく外に出て整理券を配布してきましょう。整理番号を配布する際も、まだダンジョンマートはオープンしていませんから、裏の従業員出入口から出て行います。私がお客さんに並んでもらうようお願いしますので、雪那さんはその整理番号を1から順番にお客様へお渡しください。」


 裏口からこそこそと出て、正面入り口に回っていく二人。


「みなさん、おはようございます。整理券を配布致しますので、順番にお並び下さい。トラブルが発生した場合は、一番最後にお渡ししますので、ご協力お願い致します。」


「おはようございます」


 と挨拶を返してくれて、並び始めるお客様がた。ある意味早いもの順番になってしまっているが致し方ない。列をあらかじめ、作ってお客様が自発的に並べるように『よく、お店で使われているベルトパーテーション』を設置した方がいいかもしれないな。朝の短い時間帯に少しだけ設置させてもらおう。5人も並んだら、順番だとわかり、自発的に並んでもらえるだろう。


「おはようございます。今日も暑いですね。これ整理番号です。並んでもらってありがとうございます。」


 順々に雪那さんが整理番号をお客さんに渡していく。

 うん、順調だ。それにしても、今日は並ぶ人は男性の方が多いな。女性の割合が確か3割なのに、これは一体どういうことだろう???


「お姉さん。おはようございます。僕、天宮寿也あまみやとしやっていいます。トシって呼んで下さい。それでお願いなんですけど、僕の連れの分を1枚整理番号を余分にもらえないですか?」


 若い高校生くらいの男の子が整理番号を受け取っている最中、雪那さんに声をかけてくる。

雪那さんは、初めての事態に、どうしてよいかわからず判断を仰ぐようにして、僕を見てくる。


「お客様、整理番号はご本人様のみにお渡しすることになっております。ですので、余分に1枚をお渡しすることは出来ません。必要であれば、お連れ様にもお並び頂くようご連絡下さい。」


 毅然きぜんとした対応で僕は接した。このご本人様のみというのも、実の所そこまでの効力はない。どなたに、どの整理番号を渡したかなんて、一一覚えていられないのだ。ここはお客様の良心にお願いするのみである。


「わかりました。無理なお願い聞いてもらってありがとうございます。ちょっと連絡して確認します。」


 と言って、整理番号をもらった天宮君は、金沢駅の方へ消えていった。


 うん、こういう子はたまにいる。特にオープン初日は多かったな~。連れ待ち、呼び戻し。なんか一人で行列並んでて、途中でその連れの子が5人も来たケースもあった。その時は僕が何をするわけでもなく、周りの並んでいる人からのクレームで帰っていった。その子も帰って行ったし。


 おっ、いいこと思いついたよ。新規登録者は出来ないけど、冒険者カードを持っている子は、整理番号の配布ではなく、IDカードの読み取りをして、システムに転送すれば、整理番号がなくても問題なくなるし、他の連れの人に整理番号を渡す事も出来ない。


 いや、やっぱりこれはなしだな。行列が早々起きるわけではないと思うし、そこまでのシステムの管理と作成は難しいわ。あと単純にその場合、うちのスタッフがバーコードリーダーをもって、行く必要があるから余計に手間がかかるから。やっぱりなしだね。


 改善って、そう簡単には上手くいかないか。人手のかかる作業を減らしていかないと、業務が溜まって酷いことになるからな~


 そうこう考えているうちに、雪那さんは最後の人まで整理番号札を私終えていた。

 うん、多少のトラブルはあるけど、少しずつ覚えて行ってくれれば、雪那さんでも十分対応できそうだな。


「店員さん。ちょっとお尋ねしたいことがあるんですけど、良いですか?」


 並んでいる社会人のような大人の男性からの質問が飛んできた。


「妲己ちゃんは今日は行列の整理をしてくれないんでしょうか?妲己ちゃんの演舞や歌声を聞きたくて朝早くから並んでいるんですけど……。」


 う、ん、そう、こういう困ったお客さんも出てくる。ダンジョン目当てではなく、うちの綺麗なスタッフ目当ての人が……。さて、どうやって料理しようか?ごふんごふん。間違えました。どう対応して、納得して頂きましょうか?

お読み頂きありがとうございます。


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