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吸血鬼が始めるダンジョン経営 ~アトラクション化で効率的に魂採取~【祝8万PV】  作者: 近衛 愛
第3章 ダンジョンマート金沢店 オープン2日目

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【027】ダンジョンマート金沢店オープン:2日目その8

 ダンジョンマートに着いたら、二人でミリィのいる最上階の控室までやってきた。


「ただいま~」

「お邪魔しま~す」


「ご主人。サクラちゃんお帰りだにゃ~。」


 暇を持て余して、眠いのをこらえて待っていたのか飛びつくように出迎えに来てくれた。


「はい、ミリィにお土産。またたび酒と、おつまみセットだよ~~。よかったら、3人でオープン成功の打ち上げ祝いやろうと思って買ってきたんだ。」


「やるにゃやるにゃ。ご主人ありがとにゃ~~~」


といって、僕にミリィが感極まって抱き着いてきた。


 よっぽどみんなでの打ち上げに参加したかったんだね。ごめんねミリィ。今度からは、ここでやることにするよ。と心に決めた。


「人数分のコップとお皿を持ってくるにゃ~。二人はここで座っているにゃ~。」


 なんとも、言い終わらない内に凄いスピードで取に行ってしまった。面倒だから、その辺も買ってきたのだが……何もいうまい。そっと隠しておこう。


 ぴゅーーーーーっつと走って、スライディングのように正座しながら迫ってくるミリィ。眠かったんじゃないのか?


「お待たせだにゃ~。さ~お酒継ぐにゃ~ミリィに継がせてにゃ~」


「じゃ~僕はいつものブラッドワインを頼むよ」


「私は、アルコールはいいので、ノンアルコールの缶でお願いしようかな」


「任せるにゃ~」


 威勢のよい掛け声とともに、ボトルから血のように真っ赤なワインを。チューハイの缶から、シュワットでる液体を注ぎこむ。


「ありがと、じゃ~ミリィの分は僕が注ぐね」


 と言って、またたび酒の瓶の蓋を外した瞬間ミリィの瞳孔が開き、次にトロンとした表情になった。大丈夫かなと思いつつも、そのままミリィのコップにお酒を注いでいく。


「さ~みんな飲み物の入ったコップあるかな?」


「あるにゃ~」

「は~い」


「それではダンジョンマート金沢店のオープンと成功を祝して乾杯」


「乾杯」

「乾杯だにゃ~」


 3人の中央に飲み物の入ったコップが集まり、「カンっ」と甲高いおとをたてる。3人は各々のコップに口をつけた。僕は普段飲んでいるブラッドワインなので、酔うことはない。サクラちゃんはノンアルコールなので、これ以上酔うことはないけど……ミリィは………。


「こっこれ、すんごく美味しいにゃ~~~。」


 あ~~~、一口飲んだだけで酔っぱらってしまったようだ。


「ねぇ、ウィーンちゃん。ミリィちゃん大丈夫かな~」


 と心配そうに聞いてくる。


 僕もミリィにお酒を飲ませたことはこれまでもなかったし、またたびを与えたのもこれが初めてである。なんか心配になってきたので、急いでネットで調べてみる。


「またたび酒」と「猫」で検索…………………


 どうやら、ネコにまたたび酒というか、お酒を与えてはダメらしい。アルコールによる有害なアセトアルデヒドをどうも分解することができないため、中毒状態におちいりやすいみたいだ。


 あっちゃ~せっかくミリィのために買ってきたのに、やってしまった。人型タイプの猫族なので、アルコールの分解機能は普通の猫に比べればあるのだが、どうも酔っ払いやすくなるようだ…………。これでは…………なんのための打ち上げなのだろうか…………。


ひとまずまたたび酒の瓶をもって、別の部屋に行き隠してくる。


「あ~だめにゃ~ご主人。独り占めはだめだにゃ~。ミリィが全部飲むにゃ~~~」


 もうダメダメである。矛盾している言葉を平気で放っている。仕方ないので、コップにお水を入れて持って行き、枕も一緒につけて上げる。


「さっ、ミリィこれ飲んで。」


「うみゃ~~、これまたたび酒じゃないにや~。ごくんごくん。でも冷たくて美味しいにゃ~~」


 バタンとそのまま寝てしまう。ま~これでアルコールも薄まったはずだし、これ以上飲むこともないし大丈夫だろう。


「ごめんねサクラちゃん、せっかく来てもらったのに、ミリィが酔いつぶれてしまったよ」


「ふふっ、ミリィちゃんすっごく喜んでくれてたから、その姿見るだけで、私は来た甲斐かいがあったから気にしなくて大丈夫だよ。ウィーンちゃん。」


「さて、どうしよう。せっかくだし、明日の予定でも確認する?」


「うん、しようしよう。」


「明日は、さっきの飲み会では大輔さんとヨシさん、エリックさんが朝一番の新幹線と特急電車で各支店に戻ると。で、残った女性3人は、楽しみに待ったオアシスに午前中行くんだったよね。」


「うん、今もすっごい楽しみだよ。そこで3人で水着着て一緒に泳ぐんだ~。もちろん、そこでお休みになっているミリィちゃんとウィーンちゃんも一緒だよ。」


「ええ、わかってますよ。僕としてもその方がありがたいですし。最近はミリィはずっと僕と一緒だったので、他の人と仲良くなる機会がありませんでしたので、こちらから是非ともお願いしたいと思ってましたから。」


「ふふふっつ、ミリィちゃんが可愛くて仕方ないんだねぇ~~」


「ええっ、お姉ちゃんタイプの猫耳娘はずだったのに、いつの間にか手のかかる妹タイプですから。可愛くて可愛くて仕方ないですよ。」


「その後は、玉藻姉さんは11時に特急サンダーバードで京都に帰って。妲己姉さんとサクラちゃんと僕の3人で午後からは金沢観光に出かけるんだったよね。」


「そうだよ~。飲み会の席で妲己ちゃんも「わらわもいく~~って」行ったときはビックリしちゃったよ。それにしても、ウィーンちゃん妲己ちゃんに、なんでも一つお願い聞くなんてお話してたんだね。」


「そっそれは、やむにやまれず言うか、あの時は承諾せざるを得なかったと言いますか」


僕はしどろもどろになって、サクラちゃんに応える。


「ダメだよ~。好きな女性でもない人になんでも言うこと聞く~~~なんて。あ~~もしかして、ウィーンちゃん、妲己ちゃんのことが好きなの~~~。時々目が嫌らしく、妲己ちゃんの方に視線が向いているから、もしかしたらもしかして……。」


「ええ~~~~っ、違いますよ。妲己姉さんは姉さんであって、好きは好きですけど、仲間として好きという感じで、恋愛とかの感情ではないですよ。それに視線だって、あの姿でうろつかれたら、誰だってそうなりますって。」


「ふふっ、わかっているよウィーンちゃん。ちょっと揶揄からかってみただけだって。」


「やだな~もう、揶揄わないでくださいよ。」


「でもよかったね。その願いごとがなんとかなるもので。妲己ちゃん面白そうに言うの渋ってたもんね~」


「ホント、みんなして僕を揶揄ってるんですよ。年下だからって。でもよかったですよ。無理難題でなくて、お願いが『わらわを連れて、満点の星空を飛んでだもん』で。若くてイケメンの男100人用意してとか、わらわと一緒に一晩とか、色々と考えてたので、僕にも出来ることでよかったですよ。ま~そのおかげで、夜までの時間潰しに一緒に観光することになったんですけどね。サクラちゃんは大丈夫でした?妲己姉さんがいても」


「ふふっ、大人数になるのは大歓迎だよウィーンちゃん。妲己ちゃんがいると色々ハプニングが起きそうだから、きっと楽しいと思うよ」


「いや、っそれお腹がキリキリ痛むやつだからね。」


「でも、いいな~私もお空を飛んでみたいな~。きっと満点の星空の元、下の街頭や町の灯りを見て、飛ぶ空は綺麗なんだろうな~」


 サクラちゃんが飛ぶことを想像して、物思いにふけっている。う~ん、今日は一緒にミリィとお祝いしに来てくれたし、何かしてあげたいな。よしっ。


「サクラちゃんさえよければ、今度金沢に来たときでも他の件で会ったときでも、一緒に空を飛びませんか?」


「えっ、いいの?でも悪いよ、妲己ちゃんはなんでも聞くってお願いだからいいけど、私はそんな約束してないしね。」


「ううん、今日こうやって、ミリィのために足を運んできてくれたし、ミリィもすぐつぶれちゃったけど、喜んでくれたし、明日もオアシスで遊んでもらえるからね。そのお礼ですよ。」


「うん、そう言うことならお願いしようかな。はいっ」


と右手の小指を差し出してきた。


「えっ」


 と小指を見てると、サクラちゃんが僕の右手を取って、小指を絡ませてきた。いったい何をするんだろう?女性に接触されたことと、この先起こることがわからずドキドキしてきた。


「日本ではね。古来から約束するときはこうするんだよ。指切りげんまん、嘘ついたら針千本飲~ます。指切った」


といって手を放した。


「えっ、なんですかこれは?」


「日本のおまじないみたいなものだよ。でも約束破ったら針千本飲んでもらうんだからね」


 と笑顔で言ってきた。どこまでも純粋で無垢むくそうな座敷童様である。この子が一緒にいてくれるだけで、不安なことを忘れて幸せな気持ちで一杯になってくる。


「そういうことですか。約束は破りませんよ、サクラちゃんとの約束ですからね」


「ふふっっ」


と二人で笑いながらその日は解散となった。長いオープン2日目の夜が幕を閉じたのだった。

お読み頂きありがとうございます。


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