【020】ダンジョンマート金沢店オープン:2日目その1
イイね、高評価、ブックマークありがとうございます。
とても嬉しいです。これからも宜しくお願い致します。
2日目の朝になった。睡眠時間が不足していて、ちょっと眠いけどなんとか6時に起きることが出来た。
「ミリィ、おはよう。今日も宜しくね」
「おはようだにゃ~。ご主人。今日もミリィは一杯頑張るにゃ~。も、ご主人眠そうだけど、大丈夫かにゃ~。もう少し寝た方がいいにゃ~。心配ならミリィが後で起こすにゃ~」
「ありがとミリィ。大丈夫だよ。でも、眠そうか。ま~眠いんだけど、ちょっと顔洗ってさっぱりしてくるよ」
冷たい水を顔につける。このひんやりとした感覚が僕の意識を活性化させ眠気をふき飛ばす。よし、これで眠気は吹き飛んだ。さらに珈琲でカフェインを接種して万全だ。
今日はオープン2日目なので、オープン当日とは違い、出勤時間は9時からになっている。それでも、昨日と同じ行列が出来ると思っているので、昨日の教訓を生かし、早めに見に行くことにする。朝一番で、1階に降りて、ビルの外を窓の隙間から確認する。
朝7時にもかかわらず、既に5人ほどのお客様がいた。みなさん早いな。やっぱりそれだけダンジョンが金沢にオープンするのを楽しみにしてくれていたんだな。昨日の皆さんには整理券を配布したとはいえ悪いことしちゃったな。最高尾なんて、おそらく3時間待ちくらいになってたし。
整理券配布していたとはいえ、整理番号を読み上げて、その場にその人がいなかったら、次の人を先に入れるから、並ばなくてよいのが、オープン前の時間帯だけで、それ以降は整理番号順にならんでもらわないと、飛ばされてしまう可能性があるんだよね。
難しいとこだわ。なんとか対処したい案件ではあるけど、どうにも良い案が浮かばないし。一旦保留しておこう。
扉前の人数が少ないことを確認すると、30分は余裕ありそうだし、今の内にやれることをやっておこう。昨日作成した、ダンジョンの1Fフロアマップを受付と反対側の壁にぺたぺたと貼り付けた。これで受付で待っている時間に確認できるよね。
後は2階に上がって、食料品の確認。お弁当は温かいのを食べてもらいたいから、配達にしたけど。飲み物が少なくなっているね。残量を確認し、隣のビルに入っているコンビニでペットボトル1.5リットルを10本と、紅茶と珈琲のティーバック、あとはちょっとつまめるようにお菓子も買っていく。
「ありがとうございます。全部で、4,156円になります。」
「はい、これでお願いします。領収書お願いします。」
「領収書の宛名はどうなさいますか?」
「ダンジョンマート金沢支店で。備考には、菓子代でお願いします。」
「はい、こちらが領収書になります。ありがとうございました。また、お待ちしております。」
受付のお姉さんの朝から元気溌剌とした姿が僕にはまぶしかった。今の時間に働いているなら、僕よりももっと前からきっと働いているだろうし、領収書のやりとりも戸惑うことなくスムーズに出来ている。よほど、頑張って仕事の内容を覚えたのだろう。
僕がコンビニでバイトしても、ここまではきっと出来ないだろう。でも、僕はダンジョンマート金沢のオーナーになってしまったのだ。彼女以上に頑張ってやっていこう。
コンビニから戻り、買出ししてきた飲料水を冷蔵庫に入れ、ポットの湯の残量を確認し足りてないので満タンまで継ぎ足した。ふ~~~っ、これで準備はあらかた終わったかな。コップは洗っておいたし。水も食べ物もある。ソウルデバイスと冒険者カードの受付への補充は昨日帰り際に大輔さんがやってくれたし、うん、大丈夫だ。
準備が終わって、一階に戻ってまた、窓の隙間からこっそり覗いてみる。うん、そろそろまずいな、人が集まりだしてきている。昨日の人たちなら整列してくれているのだろうが、今日も今日とて、早く来るのは新規の方ばかりだ。
手元のレモンウォッチで時間を確認すると、7時50分となっていた。あ~もうこんな時間になってるわ。急いで、プラカードをもって裏口がから玄関にまわった。
集まっている人に挨拶をし、並んでもらった。昨日とは違い、整理番号を配布しながらなんてことはしなかった。どうも並んで整理券をもらっては、列から離れて、また列に並んで整理券を取りに来る人がいるのだ。
注意してやめてもらったが、その他にも2~3人いたので、流石に全部の顔を覚えているわけではないのでなくなく。整理番号の配布の時間を1時間前にしたのだ。そのため、列に綺麗に並んでもらい、最後尾に昨日と同じ用に僕が並んでお知らせする形となった。
時計を見ると9時5分前だった。それで、人数はざっくり257人だろうか。2日目になるのに未だに盛況にお客さんが並んでくれる。ダンジョンマート金沢店への期待の表れである。
そうこうするうちに妲己姉さんが来てくれた。なんでわかったかって。前の方から元気よく
「おはようございます。お綺麗ですね!!ありがとうございます」
に近い言葉が次々と聞こえてきたからである。
「ウィーンさん。おはようございます。今日もわらわが列の整理を行うわん。みんな準備終わってるから行ってあげてん。」
「妲己姉さんおはようございます。では後は宜しくお願いしますね」
と言って、列を離れた……妲己姉さんの衣装は、ダンジョンマートの制服ではない。もちろん今日は、フォックスガールの衣装でもない。狐耳と尻尾は昨日と一緒で出しているけど。
中国の民族衣装であるチャイナドレスを着てきたのだ。しかも、昨日より露出面積は確かに減っているだ。でもドレスの横のスリットは腰の位置まであるし、ドレスの裾は膝上よりも高く、肩はあいかわらず露出しるし、胸の谷間はドレスの前が開いているタイプなのでもろ見える。
あんたはどこの会社の踊り子さんですか!!!突っ込みたい突っ込みたいけど、我慢して我慢して気を落ち着かせた。怒りを収める方法は書物に書いてあったっけ、ノルアドレナリンは落ち着くまでに6秒かかる。それを2~3回の深呼吸で一服おいて落ち着かせるといいって。
「す~~は~~す~~は~~……」
ふ~、冷静になれた。今日もお客さんや周囲の方のために喜んでもらうために妲己姉さんも衣装選んでくれたんだもんね。感謝こそすれ、怒るのも突っ込むのも間違ってたわ。気分が落ち着いたとこで、受付ホールへと戻った。
「おはようございます」
「「「おはようございます」」」」
「ウィーン。おはよう。やるやないかい。朝ワイらでしようと思うとった準備が全部終わっとる。経営者として、上に立つものとしての心構えが出来てきたやないかい。」
と珍しく上機嫌で僕の方をヨシさんが
「ポンッ、ポンッ」と叩いてくれた。
「ウィーンちゃん。このマップもう作っちゃったの?早いね。頑張ったんだね。お利口さんだね」
と言って、次はサクラちゃんが頭をなでなでしてくれた。僕はちなみにしゃがませられている。サクラちゃんは僕より小さいのでナデナデなんか手が届かないのだ。
「うぃ~~んさん。これすごくよい出来でごわすな。うちの店でもやろうかと思っているので参考にしたいでごわす。写真とってもよいでごわすか?」
「ええ、どうぞ大輔さん。遠慮なく撮ってください。」
昨日、眠いのを疲れているのを我慢して、頑張ったかいがあった。人の頑張りを見ている人はちゃんと見て、評価してくれているのだ。
「そうだ、みなさんにお願いしたいことがあります。」
「なんや?」
「なに?」
「なにかしら?」
「なんでごわすか?」
「大輔さんには、今日は僕の代わりに受付に入ってもらいます。僕が代わりに皆さんのフォローをします。昨日、終わってから考えてました。皆さんのプロの受付、人員の誘導、保険契約の説明、入口での注意事項の説明どれをとっても、僕よりも数段上で手の届かない領域でした。
今日の営業が終わってしまったら、みなさんはご自身の支店に帰ってしまいます。そうなると、僕の素人丸出しの接客になります。お客さんにそれでがっかりさせるのは余りにも申し訳ないです。そこで、今日皆さんの横について、フォローすることで、皆さんの技術や心構えを少しでも取り込んで、目標の位置となる場所を明確にしたいと思いました。今日一日皆さんについて、勉強させて下さい。お願いします。」
誠心誠意お願いをし、また、頭を下げて礼をした。
「たまもちゃん。私たちの接客プロだって。なんか照れるよね~」
「そうね。サクラちゃん。私たちは普段通り接客してるだけだものね」
「ウィーンよう言うた。おまえの意気込みはようわかった。しっかり、今日できることをお前に叩きこんでやるから、覚悟しとけ!!」
「はいっ」
僕意外のみんなはテレッテレである。普段経営者で、支店のTOPの人達だから当たり前、やって当然、出来て当然、スタッフの見本だからあまり褒められないのだろうか?
僕にも、応援に来てくれた人たちに対して、出来ることがみつかった気がする。みんなにこれだけ喜んでもらえるなら、僕の出来る範囲でみんなを褒めたい、出来る限り感謝の言葉を口に出して伝えたいと思う朝のひと時であった。
お読み頂きありがとうございます。
少しでも面白い、続きが読みたいと思いましたら、
ブックマークや評価★★★★★を付けて頂けると今後の励みになります。
ぜひ、応援お願いします。
◆◆評価は↓の広告が表示されているさらに↓◆◆
【ポイントを入れて作者を応援しよう】ってあるので、そこで★をクリックして評価できます。
あとで変更も出来るので、現状抱いている評価を入力してもらって大丈夫です。




