家族…
膝が痛いな…どうやら教会に戻ってきたようだ。
膝が痛い。
「どうやら終わったようだね。いいスキルはあったかい?」
父様がはなしかけてきた。どうやらあまり時間はたっていないらしい。
「すべては創造神様のお示しのままに。どのようなスキルでも当人次第ですからな」
神父様も俺が終わったのを確認し仕事に戻ったようだ。
「さあ、ルーク家へ帰ろうか。」
父様に手を引かれ俺は教会をあとにした。
帰りの道中スキルについての詳細を聞かれたが魔法が使えないことを正直に話した。そして神様に会って直接報告されたことも。どうなるかと思ったがたまにいるらしく喜んでくれた。だが、魔法が使えないことはとても残念がられた。どうやら家は魔法使い家系らしい。重苦しい空気の中俺たちは家に到着した。
「おかえりなさいませ。」
メイドの4人衆が出迎えてくれた。
黒髪のポニーテールで少しきつい目つきだが心根はすごく優しいミーニャ。正直なところ元日本人の俺にとっては一番心が安らぐ。しかも美人。赤ちゃんのころはミーニャに世話をされていた。すごく迷惑かけたが今でもかわいがってくれている。表情と体が薄いのが偶にキズ。
そして次にマリー、この子は茶髪のウェーブがかかったショートカットでタレ目でおっとりしたメイド。偶に皿を割ったり転んだりしている所謂ドジっ子である。だが感がとても鋭いらしくて脱走した俺を見つけるのはほとんどマリーである。
そして次にリアとロラである。この2人はどちらも金髪を結ってはいるが短めで背が低い。それを気にしているらしい。そして2人は双子で未だに区別はつかない。
「ただいま〜」
そういった俺は素早く居間に入った。
そこにはソファーでくつろいでいた母様がいたが扉を開けた瞬間姿勢を正した。めちゃくちゃはやかった。どうやら父様に見られたくないらしい。そして成功したようで父様は少しあとに入ってきた。
「ただいまシルヴァ」
「おかえりなさいアルノ」
このいちゃつき様である。あなた達の子供がここにいるのにお互い見つめ合いうっとりしている。砂糖が大量に口から出てきそうな空間で遠い目をしていると母様から
「ルークもお帰りなさい」
「うん。今日ね教会に行ってきたんだ。」
「話は聞いているわよ。どうだったの。」
「実は…」
ここでも自分は神様に会ったこと魔法が使えないことを正直に話した。途中泣きそうだったが最後まで躓かずに話すことができた。父様も視線を落とし空気が重かった。
すると母様は静かにこういったのだった。
「魔法が使えないのは残念ね。ルークも悲しいと思うわ。でもそれだけだったわけじゃないでしょあなたはまだ5歳なの。これからの未来にもまだ期待ができる。将来があるの。魔法のほかにも剣術やスキル、それがなくても経営や商売なんでもなれるの。だから悲しむ必要は全くないの。」
「でも母様父様魔法家系だから…」
「あなたは家を継ぎたいの?」
「それは絶対に嫌。」
父様も母様も少し落ち込んだ気がする。なんでだろう?
「だったら魔法がなくてもいいじゃない。」
「たしかに」
何を悩んでいたんだろう。確かにそうだ。魔法が使えないのは残念だが何でここまで落ち込んだかというと…
「なんでこんなに落ち込んだんだろう。」
わからなかった。じゃああんまし関係ないのか。
「私たちは魔法の家系だけど使えなくても追い出すなんてことはしないわ。家を継ぐのもカークがいるでしょ。だからあなたは自由でいいの。次男だからといって私たちの子供には変わらないの。
」
「そうだよルーク僕も残念に思ったけど思ったのは魔法を教えられない。将来に役に立つこと何も教えられないということさ。僕には逆に魔法しかなかったんだ。だからこそ他のことは素人に等しい。自信を持って教えられない。ただルークへのことはシルヴァと同意見だよ。」
つくづくこの二人の子供で良かった。
「ありがとう。」
自然と言葉が出た。この2人にはかなわないな。
「さあ、そろそろ夕飯にしましょうか」
「そうだね僕もお腹がすいたしそうしようか。」
この日の夕飯はなんかすごく美味しく感じた。