まさかの…詰み?
ぐにゃって!
ヤバい!何が起こった?
こんな時は深呼吸よ!
ヒーヒーフー。
ヒーヒーフー。
って、それ違うぅぅぅ。
ううん。ここは何処?
歪みに飲み込まれたと思ったら、真っ白な空間に出た。
「やっ、久しぶり」
そう声を掛けてきたのは、地球の神様だった。
「はぁ。お久しぶりです。えっと、状況が理解出来ないのですが」
「取り敢えず座ろうか」
何処から湧いたのか座卓が二人の間に出現する、勿論、座布団付き。
座卓の上には、急須と湯呑みのセット。
神様が座ったので、もう一枚の座布団に私も座る。
座った私の前に、湯呑みが置かれた。
「まぁ、喉を潤してよ」
「いただきます」
はぁ。久しぶりの緑茶。
美味しい。あの世界はハーブティーとかばかりで緑茶は飲まれてないようだったから、本当に久しぶり。
「さてと、ゲームの事だけど。色々と揉めたけど一位になったよ」
「へ?まだ村から出てないけど良いんですか?」
「ああ、その時点で他の参加者が死亡してるからね。錬金術師として活躍する必要が無いんだよ。ポイント順位は最下位でゲーム順位は一位で決定だよ」
めっちゃ不機嫌な様子の神様。
ポイント景品の推しのアイドル景品が貰えないのだから仕方ないのかもしれない。
「では、私は当初の約束通りに日本に転生させて貰えるんですね」
ボソボソ何やら口籠る神様。
ん?なんか怪しいぞ。もしかして約束は守られないとか?
「えっとぉ、約束では日本の中流の上流寄りの家に転生させてくれるでしたよね」
「それなんだがな。無理だ」
「え?ちょっとなんで?約束したじゃ無いですか!それを条件に、あのゲームに参加するって」
バンバンと座卓を叩く私に、神様は深々と頭を下げた。
「すまない。地球は魂の器が染まっていると転生出来ないのだ。魔素が無い世界では魔素は異物としてみなされ排除される」
え?なにそれ、初耳なんですけど。
「そんな事最初に教えてくださいよ!」
「すまない。まさか器が染まるとか考えてなかった。地球人は器を染めるのが圧倒的に不利な人種だから考えてもなかったんだ」
んんん?今、何やら聞き捨てならないワードが出てきたよね?
圧倒的に不利だとぉー!
なにそれ、聞いてないんですけど。
「で、その器を染めちゃった私はこれからどうなるんでしょうか?」
「それなんだよなぁ」
神様はお茶を飲み溜息を吐く。
「神として、当初の約束は果たさなくてはならないが、地球で産まれたら即死亡ととなり天寿を全うするのは不可能。かと言って地球外だと約束を反故にした事になる」
「はぁ、つまり行き詰まってると?」
「ぶっちゃけるとそうなんだ」
「詰んでるんですね」
私もお茶を飲み溜息を吐く。
「で?呼び出したからには何か対策があるんでしょう?」
「まぁな。特例として他の星に転生するとか」
「あっ、それは却下で」
神様に速攻で返事をする。
「却下って、地球に転生は無理だぞ」
「分かってないなぁ。転生の条件。記憶引き継ぎで中流の上流寄りの家に転生して、趣味を金銭的に不自由無く満喫して自分の好きな食べ物を食べること!なんですよ」
それを聞き、神様が固まる。
「だから、他の星に転生とか無理なんですよ。私の趣味はゲームに漫画や小説を読む事。アニメも観たいし。温泉巡りやご当地B級グルメなんかも楽しんだりとか。それらを叶える為の転生だったんです」
「温泉巡りにグルメは分かるけど、ゲームにアニメとかその歳で趣味とか」
「じゃかましい!好きな物に年齢は関係無いでしょ!婆さんがゲーム好きで何が悪い」
「…いえ、悪くないです」
そりゃ、年齢的に反射神経が落ちてるからアクションとか無理だけど、コロニーシムとか面白いんだぞ。
私はぶちぶちと呟くと、残りのお茶をグッと飲み干した。
「詰んだな」
「詰んでますね」
二人して溜息を吐く。
その時私は思い付いた。ラノベのよくある展開を。
「んじゃさ。ラノベによくあるユニークスキルで地球とのネット取引とかは?」
「ん?なんだそれ」
「ネットだと動画は勿論、ご当地グルメの取り扱いもあるし、食品も本やゲームに円盤も扱ってるでしょ?勿論再生するには電気や家電が必要だから、それらを安全に使える空間も必要。ネットだからパソコンも必要だよね。パソコンゲームも遊びたいな。自分だけの安全な箱庭的な空間にネットがあれば、他の世界で転生も仕方ないと諦めます。あっ、当然温泉付きですよ。露天風呂に檜風呂とか露天風呂からは海とか山とか毎回景色が変わるとかだとなお良し。時間は箱庭の外と連動で」
これ以上条件は落とせないよ!神様を見つめる。
「記憶引き継ぎとか言い出したの誰だよ…」
小声で呟く神様。
「記憶引き継ぎは神様が言いましたよね。今なら記憶引き継ぎも出来るとかなんとか」
お茶が無いので、新しくお茶を淹れながら私は神様に話し掛ける。
「ぐはっ。あの時のボクを過去に戻って止めたい」
「へぇ。流石神様ですね。過去に戻れるんだ」
「んな事出来るなら悩まんわ!あの時のボク!何を考えてたんだ!」
うん、多分、ゲームに参加出来るので舞い上がってたんだろうね。
神様でも舞い上がって、色々とやっちゃう事あるんだ。
「そんなユニークスキル付けれる訳無いよ。一般人に」
「一般人じゃなきゃ大丈夫なんですか?」
「そんな力を持つのは神の眷族とか使徒とかになる」
「じゃあ、眷族になればいいのかな?」
「無理だね。ボクの部下は多いのは知ってるだろ?もう枠一杯なんだ」
ずずずっとお茶を飲む神様。
そうだった。地球ってやたらと神様が多い世界だった。楽をしたいからって、部下に地域を割り当てて治めさせるヤツだよこの神様は!
「んじゃ、それも詰んでるって事かぁ」
はぁぁ。
力が抜け座面にうつ伏す。
拙い文章ですが読んでいただきありがとうございます。




