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婚約者に裏切られた田舎娘は、異国の地で獣人に甘やかされる  作者: にのまえ


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最終話 幸せになろう

 今朝、買い物を済ませて大国ビーランを後にした。それは今日中に、エルデ国に帰る予定だから。


「ティー、俺たちの国へ帰ろう」

「ええ、帰りましょう」


 長かったレオとの旅も終わる。ルース村で両親のお墓に挨拶して、リオン君とキッチリお別れができた。


 帰路で、いろんな国をレオと回れて楽しかった。

 魔法国ミシャンルでユズリーナ王女が登場する、といった驚きもあったけど、比較的にのんびりと旅ができたと思う。


「ティー、疲れたら後ろで休んでいいからね」

「ありがとう、レオ」


「遠慮はいらないよ、俺はティーの旦那さんだから、奥さんを大事にする」


「私だって旦那様を大事にします、たくさんレオを愛して、子供もたくさん欲しいわ」


 エルデ国に戻ったらすぐ婚姻書だして。

 レオの休日に合わせて、みんなと一緒に獣人街の広場で、結婚式を挙げてお披露目会。


「子供は二、三人欲しいな。でも結婚してからは、しばらくはティーと二人で過ごしたいなぁ。一緒に薬草採取に出るのもいいね」


「薬草採取? 行きたい。国に戻ったら冒険者ギルドでギルドカードを作らなくっちゃ」


「そうだね。作ったら、いろいろ冒険もしようね」

「冒険楽しみ」


 荷馬車はユックリ自分たちの国に向けて走っていた。私はお昼休憩のあと、荷台に移り休んでいた。


「ティー、エルデ国の国境が見えてきたよ。この国境を越えれば、あと三時間か四時間で家に着くよ」


「ほんと、レオ、休憩はいい?」 

「そうだね、国境を越えて、すぐの街で休憩しようか」


 エルデ国ーー国境警備騎士に検問を受けて、私たちは自分たちの国へと入る。国境を越えてすぐに見えてきた、見慣れた風景にホッとして、帰ってきたんだなぁと旅の終わり感じて、少し寂しく思っていた。


「もうすぐ旅が終わるね。旅中、何事もなくティーと戻って来れてよかった。結婚をしたら近場になると思うけど、また二人でユックリ旅に出たいね」


「いいですね」


 じゃー休みが取れたら何処に行こうか? と話しながら進み、国境近くの街、ローレンで荷馬車を止めた。







 国境近くローレンから四時間かけて、自分達の屋敷へと帰ってきた。旅に出る前に森と屋敷の管理をお願いした、モコとルフがいるはず。


「ただいま戻った、モコ、ルフ」


 レオが屋敷のエントランスで声をかけると。屋敷の奥からドタドタと走る足音が聞こえて、二人の姿がすぐにエントランスに現れた。


「レオ、俺の剣は?」

「僕の薬は?」


「お前ら、俺たちにお帰りの一つもないのか? ……ハア、先に大切なペンダントを返すよ」


 レオはエルフとドワーフの国の入国書となる、ペンダントを二人に返した。


「モコさん、ルフさん、大切なペンダントを貸してくれて、ありがとうございました」


「お帰り、ティー、双方の国は珍しくて、面白かっただろう?」


「お帰り。ティーちゃん、エルフの国とドワーフの国どうだった? 僕の薬で獣人族になった感想は?」


 瞳を輝かせて、ワクワクしながら私に聞いてくる。


 それに、私は。


「ただいま戻りました。エルフとドワーフの国はとても楽しかったです。モコさんの薬でレオと同じ獣人になったのは驚いたし、双方の国は素敵ないい国でした。機会があるのなら、もう一度行きたいです」


 二人は声を揃えて『そうだろ、何度でも行きたくなるよな!』と声を合わせて笑った。


「お前ら、ティーに近過ぎだ」


 レオは二人に液薬、乾燥薬草、双剣を渡す。


「サンキュー、レオ」 

「ありがとう、レオ」


 モコは薬と薬草を受け取り、眺めながらニヤニヤ考え中で。ルフは鞘から双剣をだして、剣の感触を確かめていた。


「そうだ、ルフさん。貴重な包丁をありがとございました、大切に使いますね」


「シシッ、ドワーフの作る包丁はよく切れるぞ。それでレオと俺に美味いもん、たくさん作ってくれ」


「はい、料理。頑張ります!」


 二人は私たちに『戻ってきたばかりで、疲れているだろうから早く休め』と『結婚式を楽しみにしている』と言い、自分たちの家に帰っていった。


 二人を見送り。


「さてと、荷物を下ろして休もうか」

「えぇ、そうしましょう」


 私たちは荷馬車から荷物を下ろして、戻ってきた、自分たちの家へと入っていった。


 





 翌日から、レオは書類の山に書斎で埋もれていた。

 その仕事が落ち着いたのは、それから一ヶ月後。


「ティー、ごめん」

「いいよ、レオと結婚はしたもの」


 みんなもレオが忙しいことを知っていて、結婚式はいつ、だとか急かして来ない。大変だねとか、お手伝いはないかと、差し入れをしてくれたほど。


 そして、仕事を終えて迎えたレオの休み。

 時刻はお昼過ぎごろ、晴天なか、王都の獣人街で私たちの結婚式が行われる。


 この日の為にと、リコと一緒に刺繍をして仕上げたベール、ウェディングドレスを着て、手に真っ白なブーケを持った。ベールを止める花の髪飾りと小物類は全てモコの手作りだ。 

 

 待ちにまった結婚式、私は嬉しすぎて朝から涙が止まらない。さらにタキシード姿のレオが素敵過ぎて、もっと泣いてしまった。


「ティー、結婚式が始まる前から泣くなよ」

「だ、だって、嬉しい……こんなに素敵な結婚式をレオとあげれるなんて」


「それは、俺もだよ」


 みんなは獣人街の広場に花のアーチを作ってくれていた。そのアーチをレオと並んで抜けると、神父に扮したモコが待っている。


「ティー、行くぞ」

「はい」


 二人でアーチをくぐり、神父モコの前で誓いの言葉とキスをした。


「ティー、絶対に幸せにする、二人で幸せになろうな」


「はい、レオともっと、もーっと、幸せになります!」

「あぁ、もっと、もーっとだ!」


 この日、獣人街では『おめでとう!』『幸せになれよ!』と遅くまで、広場に灯りがともり賑やかだった。


 






 結婚式が盛大に終わり、披露宴も終わったけど、まだ、みんなは獣人街で飲んでいる。私たちは先に屋敷に帰らせてもらい、化粧を落としてお風呂は済ませた。


「ついに……」


 いまからレオとの初夜。……私は両親がいないからと、リコに閨のことは一通り習った。寝室のベッドの上で真っ白なガウンを着て、なかに大人っぽいネグリジェを着て彼を待っている。


「うわぁ、緊張する……」


 コンコンと寝室の扉を叩き。


「ティー、入るよ」


 同じ、真っ白なガウン姿のレオを見て、さらに張り詰めた想いが増した。レオは私のガウンを脱がせ、ネグリジェ姿を見て頬を赤く染めた。


「ティー、綺麗だ。そのネグリジェ似合ってる」


 熱のこもった瞳で見つめられて、レオが近付き優しくキスした。彼の手が震えている、レオも緊張しているみたい。


「ティー、なるべく、優しくするよう努力する」


「はい、レオ。……ンンッ、ん……はぁ、んん」

「ティー、可愛い」


「ンッ……」


 言葉の通りレオは優しく、まるで、壊れ物を扱うように私を抱いてくれた。


「ティー、愛している」

「私も愛しています、レオ」


 二人の愛の物語は続いていく。


お読みいただきありがとうございました。

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