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遠吠え村

「ほらよ、地図だ。ったく。」

ランドが買ったばかりの地図を放り投げてくる。


「ありがとう、ランド。」

「うん。概ねランドの言ってた通りだね。」

受け取り、地図と、さっきランドが言っていた場所とを照らし合わせる。


「概ねってなんだよ概ねって。」

結果にランドは不満があるようだ。それも当然か。

自分で歩く世界地図と言っていたのだそれくらい地理に詳しいという自負があるに違いない。

なのに全く一緒ではないと暗に言われたのだ。少し不満は出るだろう。


「ランドが冒険してる時にはなかったのかもしれない。

遠吠え村って聞いたことある?」

少しフォローを入れながら、ランドには言われなかったけど地図に描かれていた名前を聞く。


「遠吠え村だと!?」

突然、ランドの気配が変わった。少しふざけた気配から、

空気がピリつくほど緊迫した気配を出し始めた。


「知ってるのか?」

知ってるならなんで言わなかったんだ?


「ああ、知ってる。遠吠え村ってのはな、災厄の村だ。」


「?どういうことだ?」


「神出鬼没。突如どこかに現れて、そこら周辺を片っ端から破壊していくんだ。

その村が出た日からは狼の遠吠えがいっせいに聞こえる。

次第にそれは大きくなって、過去最大の遠吠えが聞こえた時、

周囲の村や街は無数の狼に蹂躙される。

生物の災害の代表的な例、それが遠吠え村だ。」


「神出鬼没だから、ランドでもわからないのか。

その蹂躙の範囲は大体どこら辺までかわかるか?」


「いや、そこまではわからない。遠吠え村は最後の遠吠えが届く距離を蹂躙するらしいが、その遠吠えの大きさはバラバラなんだ。」


「そう、か...。ランド、少し無理をしてでも先に進もう。

いつ最大の遠吠えが聞こえるかわからない。いや、聞こえない方がいいんだが、念のため。」

ここはどう考えても遠吠えが聞こえる範囲だろう。


「いいけどよ。どう進む気だ?」


遠吠え村は俺たちのいる場所から見て北にある。

俺たちが進みたいのは北。別の方角に歩いたら遠回りだ。

結果、進もうとすれば、遠吠え村に接近することになるのだ。


「──」

唇を噛む。


「ランド、戦えるか?」

1つ無謀な作戦を思いついた。


「ん?戦えるぞ?...まさかアデル...。」


「言ったな?よし、強行突破だ。邪魔するやつは倒して進む。できるだろ?ギルド長になれるくらい強いんだから。」

ランドに微笑む。


「人使いの荒いリーダーだな。いいぜ、突っ込もう。」


俺たちは飯を近場でとれた果物で終わらせ、早々に北に向けて歩き始めた。



「ランド...。」

しばらく歩いていると、前方から、血の匂いが漂ってきた。

少し、ではなくとても濃密な血の匂いだ。


「ああ、近いな。」


口数が減り、冷たい汗が増えてくる。





グシャ

アオオオオオン


音が、聞こえた。

狼の、遠吠えも...。


ランドが静かに剣を抜く。


俺も、ゆっくりと構えをとる。




カサっ


音の発生場所は前方の草むら。


そこから、紅い四つ眼の狼が、悠々と歩いてきた。


見ただけでわかった。こいつは強い。


俺なんかじゃあ到底手に負えない化け物だ。

目を逸らしても引き戻される圧倒的な威圧感。

佇まいから感じる強者としての余裕。


俺だけを見てこの態度ならうなずけるが、ここには人類の最強候補、元ギルド長だっているんだぞ?

二人でかかっても倒せない。そんなイメージを持たされる。


「アデル!意識をしっかり持て!あいつはそんなに強くない!

今お前は洗脳されかけてる!しっかりしろ!」


「そこまで、強くない?」

嘘だ。あんなに圧倒的な強さを見せているんだぞ?強くないわけがない...。こいつは俺をまた裏切るつもりか...。


「ちっ、完全に洗脳されてるな。少し待ってろ。」


言うやいなや、ランドは四つ眼の狼に一瞬で肉薄し、

狼の体を二つに割った。


途端、さっきまであった恐怖が消えた。

「あ、れ?」


「な?強くないだろ?」


「あ、ああ。」

今では逆に、何故怖がっていたのか疑問だ。


「気をつけろよ。洗脳は怖いからな。」


「ああ。助かった。」


「じゃあ、進むか?それとも休憩とるか?」


「いや、大丈夫だ。それに、早くいかなきゃ、間近で遠吠えが起こってまっさきに襲われるかもしれない。」


「だな。あ、また洗脳なんかにかかりやがったら殴るからな。」


「わ、わかった。」

評価をつけてくださると今後の執筆のモチベがあがるので、もし続きが気になる、面白い等思われましたら評価をつけてくださるとありがたいです。

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― 新着の感想 ―
[一言] 話の展開が突拍子もなくて(例えばギルド長がなんで辞めてきたのかとかわかんない)読んでいくのがキツかった。
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