クライマックス
「本当申し訳ないね、自爆機能なんてものを付けてしまって。まるで君を兵器のように扱ってしまって」
「なぜあなたが謝るんですか?私をこんな風につくりあげたのは米国ですよ?」
「その米国につくらせたのがおれだからなー」
2人以外誰もいない静かな世界は、壊滅の危機など時間が経っても訪れそうにない
「だからあなたは簡単に解除できたんですね。でも別に私が爆破しても全員無事に元の世界へ戻れましたよね?私が爆破したところでこの層1つしか破壊できないですから」
「いやいや、君に爆破されちゃ困るんだよ。中堅国家の国家予算並のお金が君に費やされているんだ。日本にはそんな金も技術もないから是が非でも君を手に入れたかったんだよ。日本が国力を取り戻すためには君が必要なんだ」
すごい薄っぺらい理由だけど、欲されることに理由なんてこのAIはいらなかったようだ
「わかりました、全力で手伝わせて頂きます」
「さすがAI、非常に懸命な判断だと思うぞ。さっそく現実世界の方へ行こうか、と思ったけどもう少しここで待たないといけないみたいだ」
正義と悪が手を取り合い巨大悪を倒す第一歩を踏み出すのかと思われたが、正義にも悪戯心があったようで
「まだおれからのプレゼントを処理しきれてないみたいだ、まあゆっくりモニターで観戦しますか」
あいたちがいるはずの仮想空間の様子を2人でモニタリングし始めた
「なーんでこんなに敵がいるわけ?」
仮仮想空間から仮想空間へやってきてさっさと みんなを現実世界へ送り届けようとしたら突然ファイナルミッションなるものが発生して30分以内に敵を全滅させろと言われ、敵なんてもう真衣や圭太が倒したではないかとミッションはすでに達成されてると抗議しようかと思ったところさっきまでいた世界とここを間違えたのか送り込まれたのかモンスターたちが出現した
そういえばミッションを読み上げる声は聞き覚えあったような
世界を救うために命を懸けてあっちの世界に残ったはずの父親がやったのか悪の手先がやったのかはわからないが、そんなことを考えられないくらい窮地に追い込まれていた
この世界は現実世界に即しているから魔法は使えないしチートもできないし、私はただの女子高生に成り下がってしまった




