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オバケ

「きゃーーーーっ!!!」


「屋根の雪が落ちただけですよ」


窓から入るわずかな雪明り以外に光が存在しない暗い暗い洋館の中を歩き始めてまだ1、2分しか経っていないのに奈々さんはこんな状態でわずかな物音1つするたびに私にしがみついてくる


私もこんな暗い不気味な場所は苦手なのだが、震える手で私の腕をぎゅっと掴んで離さない奈々さんを見ると母性本能?がくすぐられ、私が守らなきゃいけないという思いが私の恐怖心を薄れさせた


「それにしても、敵がいないな」


こんな攻略のキーとなる場所であるにもかかわらずモンスターは1匹も出現せず、そんなこと考える余裕のない奈々さん以外の3人は疑問に思っている


「お、ツリーがあるぞ」


居間のような広い部屋にツリーがあり、ツリーの足元にはサンタクロースが履きそうなプレゼントを入れる靴下が置かれている


「きっとこれが靴下だよな」


「そうね」


「じゃあさっさと持って帰るか」


圭太が靴下を拾おうと触れた瞬間、


「ぼくのプレゼントを盗っちゃうの?????」


「誰だっ?」


背後から聞こえた子供の声に私たちは振り返るも


「あれ?」


姿は見えない


「ぼくのプレゼントを盗まないでよ?????」


今度は上から声がして、すぐに見上げるが天井に人の影はない


「あ、あ、ツリーがっ?!」


奈々さんが指さしてクリスマスツリーに怯えてだす


「ぼくのプレゼントを返して!!!!!」


部屋中から子供の叫び声が響き渡る


ツリーに目をやると、ツリーがもそもそと揺れ動き次第に手が生えて足が生えて人型の化け物へと変身した


「カエセ」


「きゃーーーーっ!!!」


ただのモンスターすらオバケだと思ってしまう奈々さんは戦うことはできないだろう


「返すわけねーだろっ」


圭太が会心の一撃をくらわせ、ツリーは真っ二つに割れた


しかし、


「こいつ、死なないのか?」


真っ二つに割れたツリーはなおも動き続け、次第にくっつきだしてもとどおりになってしまった


ガタガタガタっ


「え??」


部屋中から自信が起きたような物が揺れる音が聞こえてきて、見渡すとそこには、


「なんなのこれ」


テーブルや椅子に置き時計に、部屋中のものが命を吹き込まれまるで虫のように宙を舞いこちらに向かってくる


「2人とも逃げよ!」


こんなにたくさん相手していたらジリ貧になってやられてしまう


奈々さんを無理やり引っ張って居間から出ようとドアノブを握ったが、


「あれ、開かないっ」


「はあ?あいそこどけ」


後ろから走ってきた圭太に言われたようによけると圭太はドアめがけて剣を突き刺した


バギッ


「はやく出るぞっ」


「うん」


ドアをぶっ壊し廊下を階段に向かって全力で走る


「なんじゃありゃ」


大量のぬいぐるみが眼前から飛んでくる


「私がやる!デウスマグナっ」


ぬいぐるみたちを一気に焼き払うために炎魔法を繰り出した


ギャウッ


ぬいぐるみは灰となって消え去った


「これ炎なら倒しきれるんじゃ?」


坂本が言ったとおり、炎で焼き払えば復活しないんじゃないか


たしかな手ごたえを感じながら私たちは階段目掛けて走りつづける








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