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チョキ

「では改めて、今回はこの5層攻略の作戦会議を行います。クリア条件は私たちの調査により、ツリーの先端につける星、そしてプレゼントを入れる靴下、この2つを中心にあるツリーに捧げることでボスが現れ倒すことでクリアとなるそうです」


いつになく気合の入った会長は語気を強めて話す


「こんなとても人が住めないような極寒地獄を早く抜け出すためにみんなが協力することが重要です。そこで部活や委員会やクラスで分担したいんですけど...」


口ごもる会長に目を合わせないように下を向く皆さんを見てわかった


みんな寒すぎてやりたくないんだ


おそらくさっきの加熱した議論はただの分担の押し付け合いが行われていたようだ


「寒さに強そうな外でやってる運動部がやればいいんじゃないの?」


「はあ?合唱部だってアホみたいに外で歌ってるだろうが」


先輩たちの不毛な言い争いにが繰り広げられる


それを見かねた会長が立ち上がる


「もうこうなったら、正々堂々じゃんけんで決めましょ」


じゃんけんという確かに平等で実力がでないが比較的幼稚な方法を提案した会長に皆会長を見つめて驚く


「各部の代表がじゃんけんをして負けた部が今回の攻略に参加してもらいます。それでいいですよね?」


早くこの灼熱地獄のこの部屋を抜け出したいのか、異論は出なかった


「てことで、あいちゃんは帰宅部代表ね」


「えええ?何で私が」


「だって他にいないからね。私は一応写真部だし、奈々ちゃんは華道部で真衣ちゃんは英語部だから」


「はあ、わかりました...」


おそらく最大勢力であろう帰宅部の命運が私のじゃんけんで決まってしまうのは後から何か文句を言われると思うと気が重いが仕方がない


「男女の区別を失くすと全部で30の部活があるので、そのうち負けた6つがアイテム回収を担当してもらうので、じゃあ5人でじゃんけんして負けた部が担当でいいですね?」


異議なし


皆口にはしないが早速じゃんけんの対戦相手を吟味し始めていて、なるべく友達同士で潰し合いが起こらないようにしようとしたいらしい


私は誰一人として知っている人はいないからそんな必要もないから適当な近くの人たちに混ざって戦うことにする


「みんな、恨みっこなしね」


たしか合唱部のメガネをかけた女部長のかけ声で、私の戦いは始まった


「じゃんけん、ぽいっ」


私の勝負手、チョキを繰り出したが、まさか5人でじゃんけんをして1回で敗者が1人決まるという低確率な事象を引き当てるとは思わなかったし、私の鋼鉄のハサミで切ることのできない硬い硬い岩を全員が繰り出してくるなんて夢にも思わなかった


つまりどういうことかというと、











私は見事にじゃんけんに負けた











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