5層
「ううっ、さぶいっ!」
しんしんと降りそそぐ雪を恨めしく思いながら、会長たちと合流するために寒空の下を歩いていた
初めて見た雪はとても幻想的で、思わず地面に薄っすら積もる雪を手にしては、そのふわふわとした感触を楽しみ、なんて雪とは美しく楽しいものなんだろうと感動していたけれど、30分も経つと段々と見飽きてきて、積もった雪も歩きにくくて鬱陶しくなってくる
「お姉ちゃんなんでこんな寒いワールドつくっちゃったの?ほんっっとに辛いんだけど」
私より若いはず妹は私よりも寒がっていて、子どもは風の子なんて嘘っぱちだったんだということがよくわかる
私たちがいるのは北欧をモチーフをモチーフにした5層である
あの安田さんとの戦いの後、勝手な行動をするなと怒られ、罰として私たち姉妹は5層の中心から外れた場所へワープさせられ、この厳しい気候の中歩かされる羽目になった
ちなみに深手をおった圭太は回復しきったあと5層の宿へ父親が運び届けてくれるらしい
長時間寒空にさらされると、人は次第に不機嫌になるようだ
しかもこの寒さの原因がこんな寒いワールドをつくった私にあるのだから、妹の機嫌は通常より早く悪化していく
しばらく2人とも黙って必死に歩き続け、なんとか街の灯りが見えてきたとき、私たちは嬉しくて嬉しくて走りだした
灯りは次第に縦長になっていき、何か高いものが輝いているのがわかった
その縦長な何かは、
「クリスマスツリー?」
巨大な一本の針葉樹が街の中央にそびえ立ち、電飾や多種多様な飾りがつけられ暖かな光を発している
この常に雲に覆われて陽の届かない街にとっての太陽のように照らして街を輝かしている
「きれい...」
思わず出た言葉が被ってしまい、目を合わせてしまう
「...綺麗だね、この街」
「でしょー?」
再び幻想的な雪景色に素晴らしさを見いだした私たちは、機嫌を戻して再び宿へと歩きだした




