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基地

「はかせー、盗ってきたぞ」


薄暗い部屋で終始画面を見つめてばかりのはかせが珍しく欲しいものがあると言ってきたのではじめて頼られた安田は嬉しくて嬉しくてウキウキでご所望のものを盗んできた


「ありがとうございます」


相変わらずの仏頂面のはかせにこんな指輪何に使うのか聞いてみたが、聞き流されたのか本当に聞こえなかったのか返事は来ない


まあそこまでプログラミングといったことには自信のない安田は指輪がどんな風に役立つか聞いてもどうせわからないだろうから別にたいして気にしてないが、この指輪を盗むよう頼んできた時はかせが言った一言が突っかかっていた

「このことは榎田さんには内緒にしてください」


これはアニキに知られてはいけないのか


色々と理由を考えてみたけれど全く思いつかず、頓挫してしまった


まあどうせあんな指輪がこの世界を滅ぼすようなものとは思えないし


「はははっ、まさかな」


ゲームのやりすぎで妄想が捗って仕方がない


自分で考えた壮大な指輪のストーリーを破り捨て、部屋をあとにする




トゥルントゥルントゥルントゥルンっ


この基地全体で警報機が鳴り響き


ドゥバーーーンッ


基地の入り口付近で爆破音がした


「おいおいマジかよ」


安田はなるべくアニキに怒鳴られないように誰よりも先に駆けつけようと努力しようとした









「ねえ、もっと他に方法があると思うんだけど」


爆発魔法を放っておいてなんだけど、もっとこっそりと侵入すればよかったんじゃないかという気がしてならない


「それじゃめんどくさいじゃん」


妹のめんどくさいというしょうもない理由を聞き唖然とするも、わからなくもないと思ってしまうあたり安達家の血がそうさせているのかもしれない


「おい、来るぞっ」


圭太の声とともに臨戦態勢へ入る


これだけの規模の基地なら数十人、数百人の敵が溢れ出て来るはずだ


爆発魔法で一気に倒してしまおうと魔力を集中させて待ち構えるものの


こない、敵が全然こない


1分経っても人っ子ひとりも現れず、まさか留守なのかなとおもってきたとき、ようやく1人現れた


「おい、なんだお前ら?」


中から出てきたのはちょっとやんちゃそうな二十代くらいの男だった


「あんたたちでしょ指輪を盗んだの、返してくれないかしら?」


「嫌だって言ったらどうする?」


「そうしたら、倒すまでよ」


交渉は決裂しいよいよ始まるのか


私はじめての対人戦が







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