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微熱

昨日今日といろいろなことが起こりすぎて何が何だか理解しきれていないが、ただひとつはっきりしているのは、起きたこと全てが私にとってはいいことだけだったということだ


舞踏会で圭太と仲直りできたのはもちろんいいことだし、私が実は人間であることや父親や妹の存在を知れたことも戸惑いはしたけれど、やっぱり嬉しかった


私が人間だということは、もしもこの世界がなくなったとしても圭太と一緒の時を過ごすことができる。そう考えるとやっぱり嬉しいという気持ちがこみ上げてきたから、私はどこかで人工知能であり実体のない自分に負い目を感じてしまっていたのかな


叶うことはないと思っていた本物の圭太に触れたいという思いが叶うかもしれない


人間の体温36度を機械が再現したものしか圭太の温もりを知らないから、実際に圭太に触れて、圭太の36度を感じてみたい


自分の左手をあの人の手だと想像しながら右手で優しく触れてみる。今度はギュッと握ってみる。次は大胆に指を絡めて恋人繋ぎ


昨日の舞踏会で握った手を思い出しながらその感覚を私の手に反映させては1人で妄想を掻き立てながら、早朝5時の静かな、まるで私以外に人がいないような寂れた街を闊歩している





「なーにニヤニヤしてるの?おねえちゃん」


急に真衣さn、妹が背後から飛びついてきた


よりにもよって妹に私のふやけた顔を見られるとは


ここは姉としての風格で圧倒してさっき見たことを忘れさせよう


姉というのはどんな風に立ち振る舞えばいいかよくわからないけど上品な言葉を使えばいいはず


「なんでもないですわよ」


「ふふっ、どうせ圭太くんのことでも考えてたんでしょ?」


完全に私の心を見透かされ顔が沸騰するくらい熱くなっていく


「ち、違うからっ」


「キャー逃げろー」


「ちょっと、待ちなさーい!」


逃げる妹を慌てて追いかける


熱を帯びた私の身体は37度はありそうだ






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