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その後

やり過ぎてしまった


勝利の瞬間、嬉しさはもちろんあったがそれよりもボスを一撃で倒してしまったことで自分の正体がバレてしまうんじゃないかという不安のほうが大きく、冷や汗をかいていた


けれども私が万全の対策(2人が見えている敵のレベルを一時的に下がるようにした等々)をとっていたからなのかお2人が鈍感すぎるからなのかわからないけれど、戦闘後まったく不審がられなかった


唯一残念だったのはあのボスは3層のボスではなかったということかな


これで攻略は振り出しに戻ってしまい少しめんどくさいなという気持ちでいっぱいだが、もっと長くこの快適なワールドにいれることへの嬉しさも多少はあるのは否定しない







あの古いRPGにでてくるような小さな村に戻ってくると


「みんなー、大丈夫だった?」


真衣先輩が超人的な回復を経ていつもどおりのテンションで駆け寄って来た


「もう私たちにかかれば余裕だったよ」


主に私1人で倒したが会長がそうおっしゃるならつっこみはしない


「そうだ、あの牧師さんにお礼をしなきゃね」


CPUにさえも感謝の気持ちを忘れない会長に対して


「いやいいですよCPUにお礼なんてしなくて」


トゲのある真衣先輩


2人の掛け合いを見ると実家のような安心感があり、直面してる問題のことも忘れられる




「もう、真衣ちゃんはもっと優しくなった方がいいよ」



「もう十分優しいですよ。ね?」


傍観していた私に突然振ってきて


「あはははは...」


困った私はただ笑顔を浮かべるしかなかった


「本当に優しい人は自分のこと優しいなんて言わないでしょ」


「くっ」


奈々さんのキレキレの一言に押し黙ってしまった


その様子を見て大笑いする会長も含めて


この光景がずーっと続けばいいのになって改めて思った


「ふう、じゃあ戻ろっか」


涙を拭いながら会長はそう言った


そのとき私はとても大事なやり残したことを思い出し

たので


「イタタタタ」


「え、大丈夫?」


「ちょっと急にお腹が痛くなって」


「じゃあ早く帰らないと」

「え?いや帰らなくていいんですけど」

「あいちゃん早く転移装置出して」

「いやだから、あっ」


無理矢理転移装置をつかまされ起動されてしまった


さっきの誰かさんのように体調不良を訴えここに留まりたかっただけなのに


会長が必死になって私のためにしてくれているのはすごいありがたいのだが


あそこまで心配してくださると申し訳なさすぎて本当にお腹が苦しくなってきた気がする
















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