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2人ぼっち?

「圭太?」


ドアを開けとりあえず名前を読んではみたものの、返事はなかった


恐る恐る奥へと進んで行くがどこにも姿がなかったので少しホッとしてしまった


「どこ行っちゃったのかな」


幸いベッドはちゃんと2つあったので緊張で眠れないということはなさそうだ


勝手に窓側のベッドを使うと決めてしまいそのまま倒れこむようにベッドに横になった


一応明日は大事なボス戦だから、倒せないということはないだろうけど私には自分の目の前で誰も死なせないという縛りプレイのようなものをしているので、誰も悲しませないように私が頑張らなきゃいけないから


いっそのことやられても復活し放題にしたりゲームオーバーになっても死なないことを説明することも考えはしたんだけど


いろいろと辻褄が合わなくなって混乱が生じるのが目に見えてるので断念した


管理者メニューを開くとまずでてくるのがこのゲームのクリア状況、サーバーの状態、そしてプレイヤーの状態だ


右下にある8という数字はゲームオーバーになった人数をあらわす


8人とも死んだと思われていて、それぞれ関わりのある人たちがその誤解によって苦しんでいるだろう


その中には圭太もいる




自分が私利私欲のために作ったこのゲームのせいで誰かが傷つくなんて思いもしなかったから


しかもよりによって圭太を悲しませるなんて


ゲームは全ての人を楽しませることができると信じてたのに


「もうこんなゲーム、終わらせようかな」


「ああそうだな」


私の呟きに誰かが応えた


いるとは思わなかったので焦って体を起こす


「なっ?!」


上は裸、下はタオルだけというまさに風呂上がりの格好で女の私の前でも躊躇なく部屋に入ってきた


「あんたなんでそんな格好でいるのよ」


「うん?うわああ、ごめんごめん、まさかあいがいるとは思わなかったからさ」


自分の格好にやっと気づき廊下に戻って顔だけ見えるように壁をうまく使った


「いや私も声かければよかった...」


「・・・」


この特異な状況がとても気まずくしている




「そういえばお前そんなにこのゲーム嫌いなの?」


こんなとき気を遣って会話を切り出してくれる優しさは嬉しいけどその話題には触れて欲しくなかった


「嫌いだよ。だって、ゲームオーバーになったら本当に死んじゃうかもしれないんだよ?こんなゲームなんかで人の命が奪われていいわけないじゃん」


あくまでも私が開発者だとは悟られないように、一般論を言い放った


都合のいい嘘をつく自分のせこさに怒りをぶつけるように強く言い放った


「まあそうかもな。部長ももしかしたら死んじゃったかもしれないよな」


彼の優しい口調でもその言葉は私の心をえぐるように

通り抜けていった


「でもまだ死んだって決まったわけじゃないだろ?坂本が勝手に死ぬとか言ってるだけでこのゲームの中にそんなのどこにも書いてないんだから」


今にも泣きそうな私の正体を見透かしたかのような彼の言葉に私はドキッとした


「このゲームを作った人はそんな悪い人じゃない気がするんだよ。敵もめちゃくちゃ強いわけじゃないし、風呂とかベッドとか料理とか、俺たちのことをちゃんと考えてくれてる気がする。それにこのゲームさ、めちゃめちゃおもしろいから」


「うぅぅっ、圭太〜っ」


思わず圭太に飛びついてしまった




彼は気づかないうちに私を何度も何度も救ってくれるから



だから私は



圭太のことが好きだ





「...あのね、圭太」


「ん?何?」


「わ、わたし、ずっと前から」


勢いに身を任せ、圭太に思いの丈を伝えようとした


圭太が私の思いを受け入れてくれて


晴れてこの物語にひと段落つけ


私が参考にしたあの作品のように夫婦としてともにこのゲームをクリアしていくのだと思った




「す、す、すk」

「圭太ー、助けてくれよー」


すばらしく間の悪い登場をするのはおそらく彼しかいないだろう


「あー坂本か、何の用だろ?」


すたすたと扉の方へ向かっていく


「ちょっと、圭太、その格好じゃダメだって」


「あああそうだったそうだった。服着なきゃ。坂本ーちょっと待ってろ」


とりあえず服を着せないと


何か変な疑いが持たれたらまずい


「あれ、服がないんだけど」


「服はメニューの装備で着れるから。早くメニュー開いて」


「おーい、とりあえず中に入っちゃうよ」

「うわ、入ってくるっ」

「いやこの部屋には許可した人以外は入れないから大丈夫だって」


「ん?許可って何?」


「え、もしかして設定してない?」


「たぶん」


猛スピードでこの部屋の情報を見てみると、残念ながら全てのプレイヤーが入れるようになっていた


「もうっ、なんでちゃんと設定しておかないの?」


あまりにも不用心な彼を叱責しているうちに坂本のことなど頭から抜け落ちていって


「え?え??2人ナニしてたの?」


「あっ」


またもや気まずい空気が流れた


「そうだよな、2人ともいいお年頃ですもんね。邪魔して悪かったね」


違う、違うんだよ坂本君


「お邪魔しましたー」

「おい坂本、違うからな、おい待てって」


猛スピードで逃げていく坂本を必死に追いかけようとする圭太


あまりにも事が起こりすぎてショートしかけているが


とりあえず


「圭太、せめて服、服着てー」


好きな男の子の公然わいせつを未然に防ぐことしかてきなかった








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