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気苦労の多い日本さん  作者: 蓬莱
第1章 世界戦争
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2人の独裁者の妄想

投稿しまーす

 その夜、だいたい8時頃だろうか、佐藤はシュードルに呼ばれ彼の質問に佐藤は答えていた。


「やはり不思議じゃ。テンノウという地位が伝説を含め2700年弱、数えられるだけで1500年強…話を聞く限りじゃとそのテンノウという存在がかなり薄く、何かある意味分岐点とも言えるところで深く絡むという性質なのかの…」


「そうでしょうね。まぁ天皇制をあまり快く思わない輩もいますが…」


「先ほども同じようなことを言っておったな。なんなのじゃ?その快く思わぬ輩とは」


 佐藤は少し渋い顔をする。それだけの汚点なのだアレらは。


「共産党…つまり共産主義者の政党ですね。彼らは旧支配階級の廃止と人民による政治。財産、産業の国有化などを掲げ、旧支配階級に天皇制が当たるとして撤廃を主張しているのです。類似で社会主義があるのですが、その両者ともいわば理想論に近く、また必然的に強大な指導者が現れ、独裁になる傾向があります。そしてその影響で官僚の腐敗が著しいため、寿命が長いとは言えません。そして社会主義、共産主義は我々の世界では人類史上最悪の独裁者、『ヨシフ・スターリン』という男を生み出してしまったのです…」


 ヨシフ・スターリン。本名はイオゼブ・ベサリオニスジェ・ジュガシヴィリという名のジョージア系ロシア人で佐藤が言った通り、人類史上最悪の独裁者である。ヒトラーも最悪など言われるが、ヒトラーが最悪などでは到底あり得ない。少なくとも粛清人数だけならば。その数は5000万とも言われ、それ故スターリンの死後、次代の書記長フルチショフによってスターリン批判が起こり銅像がなぎ倒され、破壊された。尚復権の動きがある模様。

 佐藤はそのことをシュードルに話すと彼の顔が引きっていた。


「そ、それは…凄い数じゃの…」


 佐藤も佐藤であははは…と苦笑いである。

 そんな感じで歓談していると突然扉が開き、子供が入ってくる。

 そしてシュードルに駆け寄り、勢いそのまま抱きつく。


「おじいさまーーー!」


「おお、おお。アナスタシアか!よくきたのお」


 すると子供の後から小さな子供を抱えたメイド服の女性がはいってくる。


「ア、アナスタシア様!ダメですよ、陛下は今お取り込み中なのですから。陛下、申し訳ありません、アナスタシア様が制止を振り切って…どうかご容赦を…」


 メイド服の女性はシュードルに深々と頭を下げ、謝罪している。

 シュードルは、はははは!と笑い飛ばす。


「良い良い。せっかく可愛い孫が来てくれたんじゃ。私は嬉しいのじゃよ、テレサ。おお、アレクサンドもおるのか。どれ、抱かせておくれ」


「は、はい。陛下」


 シュードルはそういうとテレサと呼ばれたメイド服の女性から子供、アレクサンドを受け取りよしよしてあやす。


「だぁ、だぁ」


 アレクサンドは手を振り、シュードルのほっぺをペチペチしたりしている。


「はははは、元気がいいのお。おお、おおよしよし。そうじゃ、佐藤殿を忘れるところであった。申し訳ないの。これが孫娘のアナスタシア、私の腕の中におるのがアナスタシアの弟のアレクサンドじゃ。アナスタシアは今年で4歳、アレクサンドは今年で1歳になる。ほれ、アナスタシア、こちらはニホン国の首相のサトウ殿じゃ。ご挨拶なさい」


「はい、おじいさま!こんばんは、サトウさま。おはつにおめにかかります、アナスタシア・ラメノフスキーです。いごおみしりおきを」


 佐藤はアナスタシアの夜にもかかわらぬ元気な挨拶に笑って返事をした。


「こちらこそお初にお目にかかります、アナスタシア皇女殿下。日本国首相の佐藤と申します」


「さぁアナスタシア、今夜はもう遅い。もう寝なさい」


 シュードルは挨拶を終えたアナスタシアに寝るように言う。

 アナスタシアは少しむくれた顔をしたがおとなしく寝室へ向かった。もちろん元気な返事つきで。


「可愛いさかりですね」


「そうじゃろう…わしももう長くないからのう」


「何を仰いますか。まだまだお若いのに…」


「ははは、すまんのう。おっともうこんな時間か…すまぬな。老人の話に付き合ってもらって」


「いえ、こちらも良い勉強になりました。それでは私はこれで」


「では、また。今度は会場での」


 佐藤とシュードルの会談は幕を下ろした。



  数年前、魔界のとあるところ


「Hier ist, wo bist du?(ここはどこだ?)」


 おっさんが浜辺を歩いていた。しかもドイツ語話しながら。

 そして反対側から、


「Вот ты где?(ここはどこだ?)」


 とロシア語話しながら歩いていた。

 さてこのおっさん2名にはある特徴がある。

 一方はなんかちょび髭。一方は筆髭。そして2人は視認圏内に入れるとハッとしてともに駆け出し、そして殴り合える距離に入った時点で、なぜか同じ言語で、


「「なんでテメェがここにいるんだ畜生!」」


 それから数十分、おっさんにしては長々と殴り合いの末、気づけば2人の足元には大量の魔物が膝をつき傅いていた。


 それから数年後…

 某リフォーム番組も驚くほどの開拓が魔界地下で起こっていた。なぜならば…


「むはは、飛行機も船も、戦車まで作れるとは思わなんだぞ!遺跡とはすごいものだな!」


「そりゃ伍長、俺だって同じだ。なんでだろうな?」


「まぁいい!この風景を絵にしたい!」


「おいバカやめろ、お前の下手くそな絵なんて誰も見たかあねーよ」


「チッ、まぁいい。あと少しで大陸から出れるぞ。さすれば世界は我々のもの」


「「ははははははははははははははは」」


 …何話ぶりだろうか。忘れている方もおるだろうから書いておく。

 世界とは何があるかわからないし、矛盾に満ち満ちているものだ。と。

 現に、このおっさん2人がそうである。気づけば意気投合し、原始的だった魔物の世界を統一。そして国家を作り上げた。


 そして時は世界圏内会議2日目へとなる。

 だがここで思わぬ事件が発生する。そしてそれに誰よりも敏感に反応したのはシュードルだった。


 ズドン!



 議場にとんでもない重圧がメンバーにかかる。

 そしてその源は異様なほど、そう御歳74歳が放つ魔力とは思えない量の魔力を垂れ流していた。思わず一部が頭を抑え、呻いているなか、1人佐藤だけケロリとしていた。とはいえシュードルの放つ雰囲気にはさすがに引いていたようだが…

 佐藤がケロリとしていられる理由を理解した者は議場ではただ1人、パルティシュラ連合議長の

 サンサール・バルカだけであった。


(⁈あの若造、あの膨大な魔力防いどるやと⁈一体どうなって…‼︎)


 サンサールは目を凝らし佐藤を見る。亜人は魔法適性が非常に高い為、中には魔力を識別できる者がごく稀にいる。サンサールもその1人だ。

 そして彼は、佐藤の周りに、シュードルが放つ魔力よりも強力な魔力を佐藤が身に纏っているのに気づいた。


(あの障壁みたいになってる魔力…人間がもてる領域を超えとる…いや、だが…)


 すると議長の扉が開かれ、佐藤の秘書が駆け込んできた。


「そ、総理!」


「なんですか?会議中ですよ。ノックぐらい…」


「大変申し訳ありません。ですがそれどころではありません!」


「だから一体なんだと言うのです?」


「先ほど本土よりこの画像が」


 秘書から渡された画像を見てみる。


「衛星画像ですか…ん?これは…」


「はい、未確認艦隊です。戦艦、空母、駆逐から巡洋艦と大軍で、航空機も多数確認されます。」


「こ、これは今どこに向かっていますか?」


 佐藤の脳裏に嫌な想定が浮かぶ。それこそ最悪の。

 そしてその想定は的中してしまう。


「進路は…ここ、バルショイグラードです…」


「くっ…各艦に出撃命令を!全く…マーフィーの法則とは本当によく当たるものですね。嫌になりますよ。シュードル陛下、こちらに未確認艦隊が多数確認されております。我が軍には指示は下しましたが…」


「見ておればわかっておるよ。こちらも先ほど知らせが入った。幸運にも総旗艦は海域におらず無事じゃ。じゃが当該海域におった監視艦隊は見事に壊滅しておる。…許せん!よくも我らを虚仮にしてくれた!総旗艦は今どこにおる!」


 シュードルはいつもの温厚な声と表情からは予想できない怒号と表情をしている。

 そのまま側近に総旗艦、戦艦サザンクロスの位置を聞き出す。


「そうか、近いな…直ちに帝都に帰港し、補給。私自ら出る」


 その発言に側近どころか議場全体が騒然とした。

 しかしその内容は老人が戦場へ赴くことへの驚きではなく、シュードル個人が戦場へ赴くとうことに原因があるようで、皆一様に、ついに…シュードル陛下の本気…一体どうなるやら…

 どちらかと言えば好奇心と、それに伴う畏怖が強い。


「静まれい。皆、ここは今もてる全力を以って対処せねばならん。協力してもらえるか?」


「…我々日本国はこの事態に対し協力の意を表明すると同時に各国にも協力を要請するものであります」


 日本の意見表明に各国も賛同する。

 ここで功績をあげれば国家としての立場が大きくなるという狙いがある為、昨日は協力拒否していたサンサ王国も協力に賛同した。



  数分前、戦艦はりま艦橋


「司令、出撃命令です!」


「わかった。各艦に伝え!各艦跋錨、出撃す!」


 日本艦隊は他国艦隊に先んじて出撃し、他国艦隊を先導する役になるということを大谷はある程度予測はしていた。だが、問題が一つ。

 通信方法だ。他国艦隊は魔法による魔信だが、日本は電波による通信。相互通信ができない以上連携が取れないのは必至。

 しかし大谷はそれについて触れることなく出撃した。


(突貫取り付けだが…まぁ使えればそれでいい)


 彼はそう思いつつ、足元に突貫で取り付けられた箱、魔信機に目をやる。

非常に遅れ申し訳有りません。

どうでもいいことですが、スターリンの時代はソ連は世界でも識字率が高かったそうです

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