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悪役令嬢は婚約破棄されて覚醒する  作者: ブラックベリィ


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83/143

083★えっとぉ~…私が唯一のクリア者?


作者は豆腐メンタルなので、石は投げないでやってください。

設定はユルユルガバガハなので、突っ込みはしないで下さい。

感想は受け付けていません。(すぐにへこたれて書けなくなるのでゴメンナサイ)


主人公は、かなりマイペースです。

生活環境が最悪だったため、この世界の常識はほとんどありません。





「それで()くと、魔物のスタンピードがあるってコトよね? それって何時(いつ)なの? わかるコウちゃん?」


 (あせ)る私に、コウちゃんは冷静に()っ込みを入れる。


『ママぁ~………1番最初に、魔物が(あふ)れ出し、(まわ)りを(かこ)む魔の森の魔物がスタンピードして、人族の住む都市に向かったんだよ。で、その原因を(つく)った最初の場所って覚えてる?』


 コウちゃんの問いかけに、私は前世でやっていたなんちゃって乙女ゲームR18のレインボーパレスでの攻略本の内容を急いで思い出す。


 一応、あったのよ攻略本。

 ただし、重要なところは秘密って書かれていなかったのよねぇ………。

 イベント【狂いし神子の討伐(とうばつ)】に到達(とうたつ)するための手順とかは、手掛かりとなるニュアンスすら無かったもの。


 その代わりに、余計なミニ小説とかイラストがちょこちょこと入っていたのよねぇ。

 どうも、それがキーワード代わりになっていたらしい。


 掲示板には、何ページのミニ小説がどのイベントのキーワードだった、とか。

 何ページ目のイラストが、〇〇のアイテムをゲットするための情報だ、だとかあったわね。


 そんなことを脳内検索しながら、私は前世での知識をフル活動しながらコウちゃんからの問いかけに答える。


「えぇ~とぉ~……たしか、難攻不落の深淵(しんえん)の絶望ダンジョンだったような気がするわ………って、そうだ、ココだったわっ」


『正解だよ、ママ』


 コウちゃんの言葉に内心でホッとしつつも、せっかくだからと引っ張り出した知識を言葉にしてみる。


「なんか、有名な予言者ヨハンなんたらとか言う人が、ここが魔物のスタンピードの発端(ほったん)の場所であり、後年魔王(こうねんまおう)が誕生する場所って言っていたとか………ミニ小説にそういう記述(きじゅつ)があったわ。だから、みぃ~んなやっきになって【狂いし神子の討伐(とうばつ)】を目指した。………っていう設定だったような気が………」


『うん、そう。それでね、その元凶(げんきょう)となるはずの、最初の魔物達を産卵するはずの魔物達を、ガッちゃんが綺麗さっぱりと、ぜぇぇぇ~んぶ食べちゃったから、もう魔物のスタンピードは無いんだよぉ~………よかったね、ママ』


 コウちゃんにそう言われて、私は愕然(がくぜん)とする。

 もう、この難攻不落の深淵(しんえん)の絶望ダンジョンに来て、何度目の(おどろ)きかしら?


 でも、聞けることは聞いておかないとね。

 (いま)なら、コウちゃんは色々(いろいろ)と答えてくれそうだもの。


「えっ? えぇぇぇぇぇぇぇ? それじゃ、もしかしなくても、勇者と聖女の【召喚(しょうかん)】はないってことになったりするの?」


『うん、無いね。だって、必要ないでしょう。言うなれば、ママが勇者で聖女ってことになるから………。この世間一般で言う、難攻不落の深淵(しんえん)の絶望ダンジョンの【狂いし神子の討伐(とうばつ)】を唯一クリアしたのって、ママだけだし………』


 今世(こんせ)はもちろんのこと、前世でも、私が生きている(あいだ)に、この難攻不落の深淵(しんえん)の絶望ダンジョンを最後まで攻略してクリアした人の話しは聞いていないから、本当に私が一番乗りということになるらしい。


 ただ、私には難攻不落の深淵(しんえん)の絶望ダンジョンの様々(さまざま)なイベントを攻略し、クリアしたという感覚はない。

 だから私は、ちょっと考えてからコウちゃんに言う。


「いや、だって【神子】はラストステージに居なかったでしょ? 私、討伐(とうばつ)なんてしてないよ?」


 私の言葉に、コウちゃんはニチャッとチャシャ猫の笑いを浮かべて言う。


『でも、ここのラストイベントを攻略するための正道を通って、この本来の【狂いし神子】の部屋に入って、制御の水晶珠を手にしているでしょ、ママが』


 えっと……制御の水晶珠ってなんですか?

 一応(いちおう)は、思い()たるモノはあるけど、そうかどうかは判別(わか)らないからね。

 ここはコウちゃん聞いてしまいましょう。


「制御の水晶珠? って、もしかして、コレのこと?」


 と、私は超巨大化した水晶珠の指輪を指さす。


『うん、そう。だから、ママが、勇者で聖女で、攻略成功者なんだよぉ~………。おめでとう~……初の攻略達成だね。やったねママ、クリアだよ』


 (いわ)いの言葉をもらってもねぇ~………とても複雑(ふくざつ)心境(しんきょう)よ。

 あのなんちゃって乙女ゲームのレインボーパレスの内容、私ってば、大きく改変(かいへん)しちゃったってことになるじゃないの。


「それじゃ………勇者も……聖女も……異世界から【召喚(しょうかん)】されないってこと?」


 確認してみれば、コウちゃんはあっさりと(うなず)いて言い放つ。


『うん、そうだよ。まぁーこの世界の【(ことわり)】として、どこかのダンジョンを起点(きてん)とした魔物のスタンピードはあるかも知れないけど。それって、増えすぎた人類(亜人種も込み)を間引(まび)くための小規模氾濫程度しょうきぼはんらんていどでしかないから、勇者も聖女も必要ないんだよ』


 いや、コウちゃんの答えは理解(わか)っていたけどね。

 それでも、(なげ)くことはやめられない。

 だってこの世界って、R18のレインボーパレスの世界なんだから………。


「ええぇぇぇぇぇぇぇぇ~………それじゃぁ~……身代(みが)わり地蔵(じぞう)が存在しないぃぃぃぃぃぃぃぃぃ……」


 ヤバイっ………不味いっ………ヤンデレしか居ないじゃない。

 脂汗(あぶらあせ)しか(なが)れないわよ。


 (おどろ)()ぎて(さけ)ぶ私に、コウちゃんは付け()す。




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