151★前世の知識と記憶は以外と役に立つ?
よし、ここはとりあえずゼフィロス村に行って、まずは冒険者登録を済ませてしましょう。
冒険者登録すると言う初志貫徹しないとね。
そしたら、今度はなんちゃって乙女ゲームのレインボーパレス(R18)のイベント【黄昏の開放】で存在していた、古代遺跡を見付けましょう。
でもって、古代遺跡を見付けたら、改めて防御型の結界魔法を張り直して、ソルス・ロス・エンダ村で回収したソルス・エル・ピーシェを食べられるだけ食べましょう。
とにかく、魔力は満タンにしないとね。
安心できる場所で、買い込んだ色々な食糧とソルス・エル・ピーシェをたっぷりと食べれば、一角天馬の子を起こせるくらい魔力が完全回復すると思うしね。
今後の考えというか、方針がとりあえずまとまった私は、コウちゃんとガッちゃんに話しかける。
「コウちゃん、ガッちゃん、まずは、あそこに見えるゼフィロス村に行きましょう」
そう私が言えば、コウちゃんが何かを思い出したようで、私に問いかけて来る。
『ママ、もしかして………あのクラン支部にしていた遺跡を探すの?』
どうやら、コウちゃんにもクランの記憶はあるようね。
「あはは、わかったぁ~………」
『うん。懐かしいよね』
「そうねぇ…前世で遊んでいたなんちゃって乙女ゲームのレインボーパレス(R18)と、RPGの方の【黄昏の開放】どちらも、こっちの世界はかなり連動しているようだからね。だからって、養子にしたあの子達には、会えるわけじゃ無いけだろうどねぇ………」
いや、あの子達が居たら居たで楽しいだろうけど………たぶん、無理よねぇ………。
だってねぇ………流石に、融合させたキャラ達が存在しているとは思えないのよねぇ………。
いや、いるなら絶対に会いたいわよ、あの子達に。
だって、とぉ~ても手間暇かけて作り込んだキャラ達だもの、とても愛着あるのよ。
それでも、流石にそこまでご都合主義に存在しているとは思えないのよ。
思わず、私は感傷的な気分になる。
『うん、会えたら良いのにねぇ………』
コウちゃんの言葉に、ついつい怠惰なアラフィフ喪女時代を懐かしんでしまう。
「何時か探してみるのも良いわね。みんな(=右の腕輪の中で仮死状態のコウちゃんとガッちゃんの兄弟姉妹)を起こしたら………」
私の言葉に、コウちゃんもしんみりと頷く。
『うん』
私とコウちゃんは、そんな前世の安穏とした日本での感傷に束の間とは言え浸ってしまう。
ちなみに、その時の私達は、風の精霊さん達の好意で、魔力を使うことなく上空で静止していたりする。
そう、風の精霊さん達ってば、私達に付いて回っているのだ。
こんなに一緒についてきちゃっているけど、良いのかしら?
なんて思っていたら、私とコウちゃんの感傷を知らぬげに、言葉の意味だけを拾った、情緒がちょっと、いや、かなり残念なガッちゃんが声をかけて来る。
『あのぉ~…主さま』
うふふふ………そう言えば、ガッちゃんはこっちの世界に拘束されていたから、私達の感傷なんてわからないのよねぇ………。
じゃなくて、もしかして何か見付けたのかしら?
「なぁ~に? ガッちゃん」
私が問い返すと、ガッちゃんが可愛いお手手である一点を指さして言う。
『古代遺跡でしたら、あそこに……あの小高い丘にありますよ』
えっと…見付かるの早すぎない?
じゃなくて、あるのね、あの古代遺跡。
良かったぁ~……あるんだ、うれしいなぁ~………。
多少の位置ズレはあっても、このゼフィロス村の近くにある遺跡だった、まず間違いなく、アラフィフ喪女の時にクランの本拠地として改造して使っていたやつに間違いないでしょう。
本当に、あの館があるなら一角天馬の子をちゃんと起こして上げられるわ。
でも、いったい何処にあるのかしら?
いや、防護結界を張った上で認識阻害までかけてあるから、ちょっとやそっとでは見付からないのよねぇ………。
だから、私はちっちゃいモフモフのお手手で、小高い丘を指してそう言うガッちゃんの手が指し示す辺りへと視線を向けてみるのだが………。
私には、何の変哲も無い丘にしか見えなかった。
あははは………やっぱり見えないわ。
あわぁぁ~…もしかして、古代遺跡が見えてないのって私だけ?
「えっ…どこ? コウちゃん見える?」
無意識に、コウちゃんへと確認の言葉を口にするが………。
『えぇ~とぉ………見えないよ。んで、ガッちゃん、何処にあるの? どんな外観しているの? 詳しく説明してね…ねっガッちゃん?』
アレ? もしかしてコウちゃんにも見えないってこと?
どうも、ガッちゃんには見えているのに、自分が見えないという事実にイラついたコウちゃんの言葉を聞いて、私はなるほどと思う。
けど、ここはやはりコウちゃんにちゃんと確認してみる。
「もしかして、コウちゃんにも見えないの?」
私の言葉に、コウちゃんが説明してくれる。
『遠見と千里眼と透視の能力は、ガッちゃんの特殊能力なの。あの額の魔宝石の力なんだよ、ママ。だから、オレには見えないんだ』
ちょっと残念そうな響きを含んだ言葉に、私はやっぱりと思いながら言う。




