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デスイズザヒーロー!-極悪非道の死神ヒーローが悪党どもを徹底的に鏖にするようです!怖い!-  作者: 蠱毒成長中
間章:タイムスリップ2017!

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112/114

第二陣:時間旅行は危険である

 場面は前回から引き続き"西暦2017年"の東海地方某所……


『やれやれ、参ったぜ……』


 イモータル・コアのエネルギー暴走によって引き起こされた時空間の歪みは、

 ユウト並びにテリテスターターを実に十三年も前の過去へ転送しちまっていたんだ。


『どうしたもんか……』


 ユウト自身、薄々感づいてはいた。

 街中の風景、人々の持ち物、出版物の表紙……

 どれもやけに"古臭い"ってことに。

 だが俄かには信じられず雑に確認した結果"確信"させられただけに終わった。


(……体制を立て直すか)


 スポーツ新聞を棚に戻したユウトは、

 そのまま店を出て適当な物陰に身を隠す。


『……よぉ~スターター、こりゃ中々(マズ)いんじゃねーか?』

[This is not just 'quite' bad, it's 'extremely' bad, Mujo.

Of all things, being sent back to the past.]

(和訳:"中々"どころではなく"極めて"まずい状況ですよ、ムジョウ。

 よりにもよって過去に飛ばされてしまうだなんて)

『だよな~。異星とか異世界とかならまだしも、過去じゃなあ……』


 二人がこんな口ぶりなのには、当然理由がある。

 そもそもヒーローやヴィランのみならず、

 時には公人や民間人さえもが比較的手軽に地球外へ渡航しうるこの時代……

 当然時間跳躍(タイムトラベル)も技術的には実現してるワケだが、

 その実行は法的に厳しく制限されている。


 特に過去への渡航・干渉はタイムパラドックス防止やらの観点から原則御法度だ。

 例外的に認められてんのは精々過去の時代の観測や

 環境に影響を及ぼさない専用無人機の投入ぐらいのもんで、

 人間含めた生身の生命体が合法的に過去へ渡航できるのはよっぽど稀有な場合と言っていい。


 とは言え幾ら法で規制しようが技術がありゃやらかす奴は必ずいる……

 てコトで、古くから時間跳躍やらその辺の諸々を包括的に管理する存在がいる。

 通称"クロノルーラー"と呼ばれる高次元の知覚種族だ。


 奴らは惑星や次元、世界ごとに一人か二人ほど配置されていて、

 各々の管轄区域で時空間に乱れがねぇか、不正な時間跳躍がねぇか目を光らせている

 ……ハズだったんだが、ここ最近は少し事情が違ったんだ。


 というのも……


『これが地球外、それこそ惑星ウルトランドとかだったらまだ何とかなったんだろうけどな〜』

[Of all places, it has to be Earth, where Chrono Ruler is absent...]

(和訳:よりによってクロノルーラーが不在の地球ですからね……)

『ホントだぜ〜。繁殖能力低いんだから、

 記憶移送クローンぐらい合法化すりゃいいものをよ〜……』


 そう、まさにこのこれだ。

 そもそも元来高次元存在のクロノルーラー族は

 極めて長寿かつとてつもなく有能で、

 惑星一つの時空管理も片手間でこなせるほどの進歩した文明力を誇ってる。

 だがその反面繁殖能力が極端に低く、

 妊娠期間もアホほど長けりゃ新生児の成長速度もとにかく遅え。


 となれば進歩した文明力でその辺補う技術

――例えばそれこそ記憶移送クローンとか――

 なり何かしら開発したって良さそうなモンだが、

 ことクロノルーラー族は総じて『道徳と倫理は命より重い』っつー

 聊か拗らせすぎな石頭優等生スタンスの種族……

 なもんで当然クローン技術の開発には至らず、

 当人らのしぶとさも相俟って人口は増えも減りもせずのままだったんだ。


 まあとは言えそれでもクロノルーラー族は

 何度も述べた通りとんでもなく長寿かつメチャクチャしぶといから、

 そうそう簡単には死なねえって特徴がある。

 ともすりゃ時空間の管理役とてそうそう欠員は出ねえ……ハズだったんだが……


『……死んだからなー、地球担当が』

[Yes, the Earth representative died astonishingly easily, you know.]

(和訳:ええ、信じ難い程あっさり死にましたからね、地球の担当者が)


 そう。なんとも冗談みてーな話だが実際ある年、

 この地球を管轄してた"管理役"がいきなり死にやがったんだ。


 とするとどっかから人員を補充してこなきゃならねえが、

 クロノルーラー族は元々頭数が少なくどいつもこいつも多忙……


 しかも時空管理は管轄区域ごとのクセが強いから、

 例え暇な同族を引っ張って来て宛がおうにも引継ぎが上手く行くとは限らねえ。

 てなわけで、事態を重く見た諸方は決断を下した。


 クロノルーラー族に代わる"時空間の管理役"を、新たに擁立しようってな。


 そんなこんなで設立されたのが『時空管理機構DORAARS』っつー防衛組織だった。

 まあ要するにマーベル(MCU)のTVAとか、

 はたまた『ドラえもん』のタイムパトロールみてえなもんだと思っときゃいい。

 実際奴らの挙動は概ね"そんなもん"だからな。


 ……なんて書くこうもんなら読者のみんなとしちゃ

『じゃあそのDORAARSっての頼れば万事解決では?』

 とでも言いたくなるだろうが……

 そうは問屋が卸さねえから二人の気分は沈んでたんだ。


 と

 い

 う

 の

 も


『……DORAARSはなー……"聊かアレ"だからな~……』

[Mujou, wouldn't it be better to just honestly say

'I can't trust you' there?

Or perhaps you should say something like

'I don't know what you might do, and it's scary.']

(和訳:ムジョウ、そこはもう素直に

 "信用できない"と言ってしまえばいいのではないですか。

 或いは"何をしでかすか分からず怖い"などと言うべきかと)


 そう、このこれだ。

 如何せん件のDORAARSって組織は事ある毎に不祥事を起こしがちで、

 特に時間渡航者(タイムトラベラー)を酷い目に遭わせたって事例は枚挙に暇がねえ。

 無論、本来の仕事はしっかりこなしてるし何なら有能だが……

 そこを差し引いても絶えず付き纏う悪評や黒い噂のせいで、

 外野からしたら素直に信じようって気には到底なれやしなかったんだ。


『なんだっけ~……

 あいつら確か仕事の効率化だとか言って色々ヤベェもん開発してんだろ?

 やれ記憶抹消装置だの不法時間渡航者ぶっ殺し無人機だの、

 果てはバイオノイド封印装置だ時空破壊反物質爆弾だのと』

[Yes, it's an absolutely terrifying story.

Lately, in order to deal with and repair damaged areas of space-time along with the root cause,

they apparently capture fierce predatory animals from some planet, modify and breed them,

and then release them here and there as pawns to keep watch all over the place...]

(和訳:ええ、全く恐ろしい話です。

 近頃では時空間の損傷部位を元凶ごと処理・修復する為に

 どこかの惑星から捕まえて来た凶暴な捕食動物を改造・養殖しては、

 手駒として方々へ放ちあちこち見張らせているとか……)

『なんだそりゃぁ~惑星間在来種保護(ヴェルナジュ)協定と、

 序でに十中八九生体兵器規制(リバリー)条約にも違反してんじゃねーかっ』

[Absolutely.

Even if someone is in an irreplaceable key position and doing well,

I have to say this is crossing the line.]

(和訳:全くです。

 幾ら替えの効かない要職に就き上手くやっているにしても、

 流石にライン越えと言わざるを得ません)


 しかも加えて今や二人はそんなヤバい組織に追われる身……

 文字通り一秒でも早く元の時代(2030年)に戻らなきゃならねえ。


『……とにかく作戦を練らねえとな』

[Yes, absolutely.

First, let's hide somewhere. Rather than a place that looks like a hideout,

it would be better to choose an ordinary commercial facility or something similar.]

(和訳:ええ、全くです。

 まずはどこかに身を隠しましょう。

 "如何にも隠れ家らしい場所"よりは、

 有り触れた商業施設などがいいでしょうね)

『ああそうだな。例えば混雑してるファミレスとか……。

 そーゆートコほど、案外盲点になって見つからねえモンだからよ~』


 てなワケでユウトは道行く通行人に紛れながら、

 イイ感じに混雑してそうなファミレスを探しにかかる。


(タナトスモードが比較的地味で助かったぜ。

 しかもこの辺は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()っ!

 身を隠しながら動くのには打って付けだぜ……!)


 拙いながらそれでも中々出来のいい作戦だった。

 これで一先ずある程度は怪しまれず動けると、ユウトらはそう踏んでいた。

 事実、フツーの防衛組織やヴィラン組織相手ならわりと有効な手だったろう。

 だが……


「……魔女(ソーサレス)より走狗(ケイナイン)

 標的は想定通りに動いてくれているわ。

 いっそ怖いくらいにね……」

―『走狗より魔女っ。

  オッケー、了解よ〜。

  そんじゃ、一旦合流しましょーかぁ。

  引き続き標的の監視を続けて頂戴ね?

  見失ったら探すの面倒だし〜』―

「任せなさい。見失うなんてあり得ないわ。

 ……DORAARSの未来のためにも、断じて奴らだけは絶対に……!」


 今回ばかりは些かどうにも、

 相手が規格外過ぎたんだ。

https://mond.how/ja/69440_Uwabami


↑匿名で質問したり感想書きたい方向けに、

相方が管理してくれてるmondのリンク貼っておきます。

そもそも七カ月で112話も書いて、

しかもこんなに面白いのにブックマーク9件っておかしくありません?

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― 新着の感想 ―
 生体兵器規制リバリー条約って普通に抜け穴がありそうですね。実際主人公たちの存在がそれを証明していますし。いくら本人たちが兵器ではないと言ってみたところで客観的に見ればやはり生命としての本質レベル武装…
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