顛末:あの夜。そして夜明け
『終わらせてやるぞ怨恨リマインダー!
殺してやるぞグラティア・サンジョー!
最早てめえの馬鹿げた復讐計画など、跡形も残してやるものか!
てめえだけじゃねえ! てめえを作った令和神殿騎士団も!
ネオフェミニス党とREIWA天誅組の残党どもも!
この世に残してやるものか!
地獄にも送ってやるものか!
もし仮に誰もがお前を許そうとも!
この俺だけはてめえを、てめえらを許さねえ!』
『う、ぐが……あっがああ……っ!』
西暦2030年2月25日。
ヴィラン組織『令和神殿騎士団』の切り札
"怨恨リマインダー"ことグラティア・サンジョーは死んだ。
『……ぁ……そん、な……
わたし……の……から、だぁ……っっ……!』
防衛組織『セキガハラ』の若手ヒーロー
――ある意味じゃ自分の"オリジナル"に相当する存在でもある――
"遺恨リーパームジョウ"ことホンゴウ・ユウトに敗北した挙句、
自身を不死者たらしめていた中枢
"イモータル・コア"を引き剥がされて消滅したんだ。
『 こ れ で 終 わ り だ … …
消 え て 亡 く な れ エ ッ ! 』
『アッギイイゲッギャアアアアアアッ!?』
だが、イモータル・コアの脅威はグラティアが死んで尚健在だった。
コアそのものに内包された無限のエネルギーは、
かえって供給先を喪ったせいだろう、
そのままでも周囲の不特定多数を無差別に害しかねないほど危険なモンだった。
まして下手に刺激しようモンなら、
どんな恐るべき惨事になってもおかしくねえのは言う迄もなく……。
とは言えだからこそこんな危険物を放置はできねえと、
連絡を受けたヒナミはこの恐るべきエネルギーの塊を
適切に輸送・管理すべく人員手配に動き、事件は一件落着する……
ハズ、だったんだが……
『ム ジ ョ ウ どっ のォォォォォォォォ!』
事もあろうにその場へ馳せ参じたのは"招かれざる客"こと
ヒーロー候補生の宇宙人"ゼータ・オクトメダリオン"。
『大変極めて危機的で緊急要する状況とお聞き及びいたしまして御座いますがご無事に大丈夫かつ安全であらせられますでしょうかッ!
然しご安寧下さいませこのゼータ・オクトメダリオンが来た以上はビシっとバシっとバッチリビッタで解決して差し上げて申し上げ致しまして候に御座いますからしてェェ~!』
『よっ、止せーっオクトメダリオンくん!
君はそもそも呼ばれてねーだろっ!
気持ちだけ受け取っとくから――』
上司アオヤギとヒナミの通話を雑に盗み聞きしたオクトメダリオンは、
敬愛するムジョウ殿を救いたい一心で現場に急行……
身長約五十メートル、
体重約三万トンの巨体で海に"着地"したもんだから、
軽くサーフィンかボディボードでもできそうなほどの波が立ち……
[Oh, this is bad...!
If seawater comes into contact with the core...!]
(和訳:ああ、これはいけません……!
海水なんかがコアに触れてしまえばっ……!)
『やべっっ! 間に合わッッ――』
ユウトは即座にコアを守ろうとするが時すでに遅し……
押し寄せる海水は容赦なく不安定な塊に浴びせられ、
内なる膨大なエネルギーが暴発………
『グワーッ!』
[Damn it!]
突発的に生じた空間の歪みに巻き込まれたユウトは、
手首に巻き付いていたテリテスターター共々、
忽然と浜辺から姿を消しちまったんだ。
-『……は?
……なんだ、これは……?
こんな、ことがっっ……!』-
ドローンに備わるモニター越しにその事実を理解させられたヒナミは
ともすりゃ必然"最早最悪の展開"をも想定せずにいられず……
『ぁ……ぁぁっ……そん、な……
バ カ な あ あ あ ア ア ア ア゛ ア゛ ア゛ ッ ! 』
満身創痍で未だ安静にしてなきゃならん重体だってのに、
内臓を潰し吐血しそうな勢いで悲鳴を上げる……!
~まあネタバレだけど、ユウトとテリテスターターはとりあえず生きてっから安心して欲しい~
さて、そっから先果たしてどうなったか……
まあ概ね予想はついてるだろうが、一応述べさせて頂こう。
ヒナミの叫びは当然セキガハラの拠点全域に響き渡り、
普段感情的にならねえクールな総司令官で通ってるヤツが叫んだってことで、
そりゃもう深夜帯にも拘わらずとんだ大騒ぎになっちまった。
加えて騒ぎの原因がユウト(並びにテリテスターター)の消滅(消失?)ってんだから、
追い打ちをかけるが如く騒動が加速していくのは火を見るよりも明らかで……
実質的な戦犯のゼータ・オクトメダリオン少年もまた、
助けようとしたユウトが忽然と姿を消したんで混乱せずにいられなかったが……
状況を理解しきるより早く、
現場へ駆け付けた勤務先の面々にこっぴどく叱り飛ばされ
色々考慮した上で処分が下されることになった(解雇とかの致命傷には至ってねえが)。
浜辺に放置されたイモータル・コアは、
程なくやってきたコスモタイタン族の学者"アウグスト・ブライト"教授の手で回収され、
以後は安全に配慮して惑星ウルトランドの研究機関で管理・調査する方向で話が纏まった。
さて、ともすりゃ気になるのはユウトらの行方だが……
これがまあ、何とも予想外の場所(?)に飛ばされちまったようで……
『……なんだ、ここは……』
[At the very least, it seems to be in the East Asia region of the Earth...
or rather, it is certain that it is within Japan.]
(和訳:少なくとも地球の東アジア地域……
というか、日本国内なのは間違いないようですね)
https://mond.how/ja/69440_Uwabami
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