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「馬鹿な事言ってんじゃないよ。聞いてんだろ、ゲイルさん困っちまうだろう」
そう言って赤毛のポニーテールを揺らす快活そうな美人さんが厨房から出てきた。
ゲイルは睨み付けている訳では無く、困っていたらしい。
ホッとしたように美人さんのことを紹介してくれた。
「マリー、こちらゴーダ商会のゴーダ夫妻の娘でアンネ。
厨房のアイツは夫のボストンだ。
言葉はガサツだが、料理は何故か繊細で美味い。
こちらに暮らし始めた時にゴーダ商会の伝でここで料理を教わったんだ。」
「あんたがマリーちゃんだね!両親から聞いてるよ。仕事始めたら私にもマッサージ宜しく頼むね」
「はい!初めまして、アンネさんにボストンさん。
マリーといいます。是非その時は宜しくお願いしますっ」
アンネさんはとても元気の良いお姉さんだ。
血筋を感じる。
ボストンさんはニカッと笑い
「よろしくなっ!」と言って厨房に引っ込んだ。
アンネさんに誘導して貰い、席に着いた。
少し待つとオムライスとサラダ、スープが並べられる。
ゲイルのいつもの、は日替わりメニューの事らしく今日はオムライスだった。
中が見える程に薄く焼かれた卵の中身はケチャップライス
とてもシンプルだが、それ故に料理人の腕が分かるとても繊細な逸品だった。
かぼちゃのポタージュスープも口当たりが良いので丁寧に仕上げられている。
サラダは柑橘系のドレッシングが爽やかで、どれもとても美味しかった。
異世界に来て、何よりご飯が美味しいのは本当に嬉しい。
お米がある事もそうだが、元の世界に居る時と殆ど変わらない生活を送れている事が幸せだった。
きっと、他の落ち人さん達が頑張ってくれたのだろう。
あちらの時よりも良い生活をしているかもしれない。
いっぱい食べている気がするので、今後身体を動かす事も考えよう。
明日から。
きっちり完食してボストン料理店を後にした。
外で待っていたアレンに驚いたが、ゲイルは何処に居ても分かるらしい。
精霊、羨ましい。
すると、他の建物に比べて明らかに大きな建物が有った。
「ここが商業ギルドだ」
扉を開けて中に入る
「こんにちはぁ~。あら~ゲイルさん?」
受付、と書かれたカウンターに座る
はんなりした流し目の美女が居た。
美人多くないかな、この国。
それより、だ
何だか…大きい。
『マリー、考えている事が丸わかりじゃぞ』
無意識に胸に手を当てて見ていたらしい。
クツクツと笑いながら、私にだけ聞こえるようにアレンに突っ込まれてしまった。
ゲイルがお姉さんと話している最中で良かった。
恥ずかしい余り、アレンの毛に埋もれる様に抱き着いてしまった。
私も有るよ!普通サイズ!!
3段階目くらい!
『…マリーはほんに、面白いのぅ』
アレンはそう言って笑いながら、私が抱き着くのを許してくれた。
アレンは滅多に見えないらしいので、私のしている事は奇行でしかないだろうが
もふもふには勝てない。
私の中でアレンはオカン枠です




