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第十四話 魔石って素晴らしい

「驚きの連続だなぁ、おい。」

「ホントだね!」

 街に入った。素晴らしいなここは。

 白い建物が多く見受けられ、どれも眩しいほどに輝かしい。

 街の形状としては、大まかに言えば、街の中心に大階段が四方向から伸び、平らに伸ばした四角錐といった感じだ。

 階段の左右に添うように商店、飲食店、雑貨店、武具店、さらには「魔石」と呼ばれる石を売っている店まであった。

「あ、魔石ってたしか……そうだ!誰でも魔法が使えちゃうすごいヤツだよ!」

「あー、あれがそうなのか。」

 魔石。こいつがすごい。この都市はコイツで成り立っていると言っても過言ではない。

 シュトーリアの魔法学者はどう考えても世界一なのは間違いない。とても有名だ。

 今フィーは、誰でも魔法が使えるすごいヤツ、と言った。

 確かにそうだ。俺もよーく知ってる。

 そもそも魔法というのは、使用者の魔力と発せられる詠唱句によって生成される物だ。

 加えて、魔力というのは誰にでも宿っている物ではない。むしろ使える者は稀だ。まあ、俺達は二人とも使えるが。

 さて、本題だ。

 この魔法をどうやって、“誰にでも使える”ようにしたのか。

 簡単に言えば魔力を石に閉じ込めたのだ。

 いや、閉じ込めさせた、と言うべきであろう。

 例えば、フォイアの魔法。これを魔石に放つ。

 すると、たちまちファイアは石に吸い込まれ、魔石は赤い輝きを放ち始める。

 これで、「フォイアの魔石」の完成だ。

 こうすれば、魔力はその場に留まり同じように詠唱句を言えば魔法を発動できるといった仕組みだ。

 さらに便利な点がある。

 魔石は同じ種類の魔法を放てば放つほど、魔力を貯めることが出来るのだ。

 まあ、簡単に言えば、フォイア五回分を魔石に貯めればその分だけ使えるということだ。

 この便利な魔石を使って日常生活を快適なものにしているわけだ。

 飲み水は「ヴァッサ」(水の魔法)を沢山貯めた魔石を何処かに取り付ければ水道の完成だ。

 嗚呼、なんて便利なんだ。住みたい。

「つっても、買ってる余裕はないけどな。」

「それを言わないでよ…」

 高いんだよな…アレ。

 この街の生活必需品である火系や水系の魔石は、大体は支給されるものなので、民は買う必要がないのだ。

 ゆえ、売るとなると高額でもいいってわけだ。セコいねぇ。

 まあ、それはいいとして。

 俺達の旅の目的としては、勇者としての力と知恵と知識とか、その他もろもろを身に付けることだ。

 この街なら色々出来そうだな。

 一番は魔法だ。魔法都市っていうぐらいなんだから魔法教えてくれるとこぐらいあると思うけど、さあどうかね。

 とりあえず、門の一番近くにある地図を配ってる人に地図を貰った。

 まあ、デカイ。

 この街はどうやら円形の城壁(と魔法障壁)に囲まれているらしい。

 今俺達がいるのが南門。まっすぐ行けば北門がある。

「えーっとー……どっかそれっぽい場所はっと……」

 デカすぎるし、字が小さいしでどうにも見つからない。

「あ、これは?」

「ん?おー!でかしたぞフィー。」

 ナデナデ

「んー、もっとホメろー!」

 継続してナデナデしながらフィーが見つけてくれた場所を見てみる。そこには、こう記述がある。

「魔法研究所、兼、魔導士育成所…」

 もろ目的地じゃん!

 早々に向かうことにした。

 街の新鮮な風景を楽しみながら歩くこと三十分ほど。

「なーんかデカイの見えてきたぞー?あれじゃないか?」

「ぽいねー、ていうかアレだねー絶対。」

 奇抜、派手といった言葉が非常に合うであろう建物だ。

 四〇メートルほどの高さの円形で紫色の建物。所々に角のように煙突らしきものがあり、変な色の煙が上空へ上がっていっている。だが魔法障壁に当たるとたちまち消えてなくなる。

 正面には建物の形に沿ったようなこれまた円形の人四人分ほどの大きなドア。その斜め左右に目のように窓が二つ。

 遠くから見るとなんだか

「怪物だな。」

「魔物だね。」

 のようだ。

 今思えば人がいないな。

「どうしよ、誰もいないけど。ノックでもしてみる?」

「そうだな、それしか思い付かないし。」

 では。

 ゴンっゴンっ!

 若干強めに叩いたがどうだろう。反応を待ってみる。

 ………………

 ガチャ。

 ひょこっと小さい影がドアから出てきてくれた。

「……ど、どなた様でしょうか……?」

 声を聞くに女の子だ。

 身長は俺達よりずっと低い。腰辺りだ。

 体格に合わない先の尖った魔導士がよく被る三角帽子を着けているし、さらに服までも黒メインのコートっぽい服で、サイズが明らかに合っていないので全然わからなかった。

「あ、えっーとここって魔法研究所、兼、魔導士育成所だよね?」

 おそるおそる聞いてみる。

「あ……魔導士の方……ですか?」

「うん。そうだよ。それで、俺達魔法をもっと使えるようになりたいんだけど、ここで教えてくれたりするのかな?」

 ここでようやく深く被っていた帽子を上げ顔を見せてくれた。

「はい……!……そうです…!やっと来てくれました!……お客さん……!」

 その顔は実に愛らしい笑顔だった。ロリコンに目覚めてしまいそうになるぐらい。

 水色のショートカットで瞳も似たような水色。

 加えて特徴的なのは長耳だ。これはエルフである証拠だな。

 可愛い、実に可愛い。そして美しい。

 まてまて、隣に嫁がいるのにあんまりこういうのは…… 

 よし、落ち着けー……深呼吸……スーハー……

 よし。

「そんなに、お客さんが来てなかったのか?見たところ立派な建物だけど。」

 少女はやや悲しげな表情を見せる。

「はい……そもそもここはあまり人が立ち寄る場所じゃないんです。この街は魔法都市た言われていますが、魔導士の数は普通の街と変わらないんです。だから魔導士育成所、なんていうのは飾りで、お客さんなんて当然来ないんです……けど。」

 片方ずつの手で俺達の手を強く握る。

「あなたたちが来てくれました!」

 あーだめだ。可愛い。

「そうだ、自己紹介がまだでした。私はルンナ・ヴィザークと言います。」

「ラルララク・フォーゼンだ。ラルでよろしく。」

「フィーゼル・ヴォイデだよん。僕のことはフィーでよろしくね。」

「はい。わかりました!では中へご案内します。」

 重たそうなドアを開け、ルンナの後に続く。

「おぉー……!これはスゴい……」

「ほぇー!こんなに沢山の本、何に使うのー?」

 変な声を出しつつ疑問の声を上げるフィーには同感だ。

 全般は魔法書であろうが、ざっと三千冊はあるんじゃないか、コレ。

 外観の通り、円形の内装を壁に沿うように本棚が見渡す限り全方向に並んでいる。

 そして、部屋の中央に木製の階段があり、二回に繋がっている。屋根が高いため、二回まで見渡せる形になっているが、二回には本ではなく、様々な色のえたいの液体が

 それより、この床の紫のカーペット、めっちゃ踏み心地いいな…

 そんなことはどうでもいいとして。

「ルンナ、君はここに一人で住んでるのか?」

 こんなだだっ広い場所に一人で住んでるんだとしたらかなり寂しいよな。

 だがルンナは首を横に振った。

「いえ、一人ではないですよ。」

「え?でもどこに?」

「今、呼びますね。ルンミー!降りてきてー!」

 む!?まさか!

 妹か!?

 二階の柵から頭だけをひょこっと出す、ルンナよりも若干小さいであろう水色の髪の毛の幼女。

「あの子、姉妹か?」

「はい。妹のルンミーです。あの子私よりシャイでして……すみません…」

 やはり妹か!

 ていうか、あれ?

 さっきまで隣にいたフィーがいなかった。

「ルンナ、フィーは?」

「フィーさんなら、ついさっきあちらに。」

 ルンナが指差した方向に視線を向けると、勝手ににその辺の本を読んでいるフィーがいた。

 まあ、今はほっといてもいいか。

「悪いな、勝手に。」

「いえ、いいんです。本は誰かに読まれるためにありますから。」

「そうだな。それよりルンナ、聞きたいことがあるんだが」

「はい?なんでしょう?」

 ルンナはこんなに小さいが、この建物の所有者であることは間違いないだろう。

 魔法研究所の所有者。つまり、魔法に関しては誰よりも詳しい。

 詳しいということは強いということだ。魔法に関してはな。

 この子から色々教えてもらえば確実に俺達の力になるはずだ。

 知識はありがたく頂戴しないとな。

「君は、この建物の所有者、で間違いないかな?」

「まあ…そういうことになりますかね?」

「なら、君はここで、魔法の研究をいつもしているんだよね?」

「はい。まだまだ未熟ですが……」

 よし、話が早いな。

「なら、君の知識を俺達に分けてくれないか?」

「はい…もちろんですけど……なにか、特別な事情かあるのですか?」

 説明するしかないか。

 俺はなるべく簡潔に分かりやすく今の現状を話した。

切りが悪いですが早めに次を投稿します。

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