021.お泊り
「何か古文書とか残ってないのか?」
「昔あったみたいだけど・・父が売り払ってしまって・・あ、一冊だけ残ってたかな」
なんて親だ
「あっ、これこれ、見て。 私読めない」
俺が古文書を読めるとでも思っているのか?
『師匠、読めます?』
『儂はふくろうじゃぞ』
ですよね。
「ユーゾー君に解析を頼もう」
「ですよね、仲間を頼りましょう」
俺も仲間だけどね。
「では明日持ってきてくれます?」
「晩飯食べていきます? 2人も3人も大して変わらないので」
1.5倍の量だからな・・充分変わるだろ
「喜んで」
好意は受け入れよう、悪意は跳ね返すけどね
・・・
美味しくいただきました。結構料理上手なんだね。 見直した・・・妹をね。
「遅くなってしまったな、そろそろ失礼する」
「トランプでもしない?」
「おっ、いいね。 いいのかい?」
「店以外で客が来る事は無いから、こう、一家団欒? みたいなことしたいだけ」
どうせ謹慎で明日は出勤しなくて良い・・あ、ユーゾー君に解析依頼しなくっちゃ
彼は謹慎時も探偵社に居るみたいだ。24時間体制じゃなくて365日体制だね、あれは。
結局終電には間に合わず、店のソファーで寝かせてもらった
・・・
「じゃ帰るわ」
「何処かでモーニング食べてこ」
「いいね、一緒に探偵社に寄っていこう」
店をでて角を曲がると、凍えて震えている者が数名・・・
「おい、おやじ、遅いじゃないか」
「いや、早朝だから早いと思うんだけど」
「うるさい、お前のお陰でな、おれは店を追い出されて・・・」
「それで待ち伏せですか、寒くありませんか、
一緒にモーニング食べに行きますか?」
「うるせーんだよ、俺はな、俺だ・・・眠い・・・」
徹夜で張り込んでたんだ。
「皆さん、おつかれさん、早く帰って温まらないと風邪を引きますよ」
「おー〜、はっくくしょん・・・寒い、眠い・・
おい、お前のせいだからな、呼び出しておいて徹夜で座ってるだけだし」
「たまたま、葛根湯を持っています。
風邪をひく前に服用って書いてあるんだけど、いつ飲んだら良いかよくわからなくて、
でも今、正に飲むタイミングみたいなので、差し上げます。 お大事に」
「「「おっちゃん、ありがとー」」」
いい子たちだ
私達は近くの喫茶店でモーニングを頂く。 昨晩ご馳走になったので、ここは俺の奢りだ。
「サキさんも一緒に行きましょう、どうせ皆謹慎中で仕事は無いし」
謹慎中じゃなくても無いかな?
「えっ、行きたい、行きたい、・・・謹慎中?」
「よくある話ですよ、理由もなく責任を取らされるってやつです」
かいつまんで説明した。
「なにそれ、サイテー」
「サキさん “サイテー” ではありませんよ、“サイコー” です。
だってその御蔭で、こうして3人でモーニングをゆったり食べられるんですよ。
これ、サイコー、でしょ」
「昨日から思ってたけど、無意味に前向きな考え方ね。
言われません? 皆に」
「さあどうでしょう、みんなまだ会ってそれほど長くないですからね・・」
「いや、私とも半日程度で短いし」
「ま、他人の評価は気にしないです、気にした所でどうしようもないから。
そのために自分を変えようとは思いません。
自分のために自分を変えてはいくけど・・」
「自己中?」
「もちろん、人間、所詮自己中心的な生き者だよ、他人が優先ならそれは既に奴隷だね」
「そうかもねー、なんかわかる」




