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どすん!
「あ、ジャックさま、笑っちゃだめです。ホーリーさま、とっても痛くって、泣いちゃったです」
「ええっ!!?あの、ホーリーがああ??」
しいいーーっと小さな指が立てられる。
「言っちゃだめです。ないしょです。ぼくだけ、知ってるです」
ちょっと自慢げににんまりとする。
その赤い頬をゆびでつつき、ジャックはしゃがみこむ。
「じゃあ、だれにも言わないから、ぼくにだけ教えてよ。ホーリーがどうやって泣いてたの?」
丸くてかわいい目をぱちりとしたハウアーが、口元に小さな手をあて、顔を耳のそばに寄せてきた。
「 じゃあ、ないしょですよ? えっと、―― どすん!って帰ってきたホーリーさまが、びっくりなぐらい、きたなくなってて、『ホーリーさまおふろはいりますか?』ってきいたら、びっくりしてぼくのこと見たです。 『痛いですか?』ってきいたら、ぎゅうって抱き付いて、なんかブルブルしてて、血がいっぱい出てて、なのに、ぜんぜん離れてくれなくて、『こわくないですよ、痛くないようしてあげます』って言ったら、頭をたたかれました」




