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またせたな!
次の日、城の見晴台に腰かけていると、同じ《キラ種族》が楽しんでいる空気が伝わり、ホーリーは蝙蝠に姿を変え、まっすぐにそれを目指した。
たどり着いた先は、体の大きな《ヘルサ種族》が集まった酒場で、中は、グラスや瓶が割れ、椅子が投げ壊される音と、怒声とヤジと、わらい声でごった返していた。
「待たせたなっ!ホーリー様の到着だあ!!」
壊れたドアを蹴飛ばしての登場。
いつもならば、暴れる《キラ種族》の誰かの『おそかったな』、の声ぐらいかかるのに、その日にホーリーを迎えたのは、信じられないほどの、 ―― 静寂だった。




