09
どうなった???
トラは大丈夫なのか???
そう思う僕の目の前で、鳥がズルズルと引きずられるように動き出す。
その鳥の羽毛の間から、トラが顔を出す。
「とりさん、つかまえたよ」
トラがぼくの足元に擦り寄ってきて、頭をなでてっていうように首をひねる…
ぼくは屈んで、トラの頭を撫でる…
『なでなで が LV2になった』
えっ、レベルがあがるのかよ。
「ほら、だいじょうぶだろ」
クロがぼくの前に来て言う。
「とりあえず、猫袋を開いて」
クロの指示にぼくはウィンドウを開く…
その中から猫袋を開いてみる。
猫袋に目の前の巨大な鳥を入れる…
袋の中に「大鷹」という表示が増える…
『猫袋 が LV2になった』
これもレベルアップ…使えなそうな能力だけアップしている。
「猫袋はなんでもいれられるの。
それから袋の中では時間が止まる…
便利でしょ。
ごはんもたくさん入るの」
得意そうにミケが言う。
たぶん、この能力はミケにもらったもの…
食いしん坊のミケのため、みたいな能力。
そこにまたズルズルとなにかが引きずられてくる…
ブチがカエルを引きずっている…
そのカエルはブチの10倍以上ある…
化物ガエルだ。
この世界の動物は、なんか巨大化するみたいだ。
「これもいれといて」
ミケに言われて、袋にしまう。
『猫袋 が LV3になった』
簡単に上がるレベル…
でも、あんまり意味がない…
とりあえず、ごはんの時間じゃない…
「いくぞっ」
ぼくは神殿に向けて進む。猫たちはししっぽを立ててぼくの後ろをついてくるのだった。