04
「頭を上げてください」
ぼくは膝をついて王様に頭を上げるように言う。
でも頭を下げたままだ。
「お願いします。ぼくは神官なんかじゃありませんし…」
それで、初めて顔をあげる三人。
あの教皇とはえらい違いだ。
やっぱ、上に立つ人ってこうじゃないとな。
「国王様、神殿の中へ」
ミニューさんが王様を立たせて、膝と手を拭いて案内する。
侍女たちは王妃と王女の世話をする。
神殿の扉をあけて、神殿の中で一番豪華な応接室へ…
他はそうでもないけど、この部屋だけが立派な造りとなっている。
なんでも、ミーニャ教のメッカだけに、有力な貴族や王族、教皇が訪れることがあるかららしい。
ニャーニャさんたちが、国王様一行を上座に案内する。
今度は僕たちがひざまづく番。
シャールさんがするとおりにする。
えっ、その猫の手ポーズしなきゃなんないの?
ちょっとできないな。
まあ、怒られたらやろう。
王様の前で片膝をついて、頭を下げる。
「頭を上げてください。神官さま」
「いえ、ぼくは神官じゃありません。
猫のトモダチにすぎないんです」
「いえ、猫と一緒に現れた方をわたしたちは神官さまというのです」
「そういう意味では、猫といっしょですが…」
「とりあえず、お礼を言いましょう。
山賊たちを退けていただいてありがとうございます」
「いえ、あれもシロが…」
シロはぼくの足元で肉球を舐めている。
「シロさまに救っていただいたのですか…
ありがとうございます」
王様はシロにむかって真面目にお礼を言う。
王様の横にいる、執行官みたいな人が王に代わって口を開く。
「それで、戦場を片付けさせていただいたのですが、その時の戦利品をお渡しいたします。
ほとんどは武器や防具ですが、山賊たちが身につけていた宝石や装飾品、お金もございます。
ただ、決まりで半分は国庫に収めさせていただきました。
何卒、ご容赦いただきたい」
「うん、いいですよ」
ぼくのあっさりとした返事に王様も執行官も驚いたみたい。
なんかまわりがざわつく。
「では、これをお納めください」
ぼくの前に武器防具の山が運び込まれる。
それと宝箱みたいなの。
その中にはお金や宝石、金が入っている。
「金貨だけで500枚ございます」
「アヤト、それは返して。
それからぼくの言うとおりに言って…」
クロが僕に話しかけてくる。
ぼくはクロの言うとおりの言葉を繰り返した。




