47
(アヤトサイド)
「ニャニャーさまを騙るもの!
出会え、騎士団、魔道士団!」
後ろで、教皇とかいうおっさんが叫ぶ。
「クロ、こういうことだったんだね」
「うん、こういうこと。
でもさ、アヤトがぼくたちを戦わせるなんてありえないって言ってくれたとき嬉しかったよ」
「だって、クロたちは友達じゃん」
「アヤトらしいね」
うしろを振り返ると、5人くらいの少女たちが剣やロッドを構えている。
「待ちなさい!
この人たちはニャニャー様と神官さまに間違いありません!
わたしが保証します。
だから、剣を置きなさい、杖を捨てなさい。
あなたがたはニャニャーさまに武器を向けるのですか?」
「シャール様…」
少女たちは顔を見合わせて戸惑う。
「シャール。裏切るんですか!
おまえも反逆者です。にせニャニャーともども捕えなさい。
山賊たちと通じているかもしれません。
騎士団、魔道士団、命令です。
やつらをやっつけなさい。
ファイニャー!」
教皇の杖からビーム状の炎が吹き出す。
こいつも魔法使いなのか?
ニャーニャより技の力がないような。
でも、僕よりは上。
どうする???
僕の肩から、クロが前足をクイッと動かす。
その途端、魔法は消える。
「ニャンセルだ。
魔法を消滅させる初級魔法だよ。
あの程度でぼくたちに逆らうなんて、何考えてんだか」
シャールが騎士たちと斬り合っている。
でも、僕の目から見ても、勝負になっていない。
キジに教えてもらったからか、軽く騎士3人の攻撃をいなしている。
シャール自信もその上達ぶりにびっくりしている。
たぶん、相手の攻撃が止まって見えてるみたいな動きだ。
たしかにぼくにも避けるだけならできるだろう。
これはシャールの剣の練習に付き合わされたおかげだ。
クロの後ろから黒い触手がのびる…
その触手が魔道士部隊2人を捉える。
「シャドーだよ。闇の攻撃だ。これも初級魔法」
退屈そうにいうクロ。
そういえば、魔道士たちに比べて、クロは詠唱を行わない。
すぐに魔法が発動する。
まず、魔法勝負では負けない。
「アヤト…殺しちゃう?」
クロがゾッとするような冷たい目をする。
「ううん、シャールのトモダチなんだろ。
いいよ」
「おっさんのほうさ…
たぶん生きててもしかたないと思うし…」
「いや、めんどくさいな。
殺す価値もない。今だって自滅してるし」
「ハハハ、そうだね。
じゃあ、逃げるか」
「うん、逃げよう」
「お供しますっ」
後ろで攻撃を防ぎながら、シャールも振り返って、ぼくたちについて走ってきた。




